DVD Import

Der Ring des Nibelungen : Herheim, Runnicles / Deutsche Oper Berlin, Stemme, Hilley, I.Paterson, Jovanovich, etc (2021 Stereo)(7DVD)

Wagner (1813-1883)

User Review :5.0
(1)

Item Details

Genre
:
Catalogue Number
:
2107001
Number of Discs
:
7
Label
:
:
International
Aspect
:
WideScreen
Color
:
Colour
Format
:
DVD
Other
:
Import

Product Description


ベルリン発。『ニーベルングの指環』上演史に新たな地平を拓く充実の4部作映像、
ボックスにて一挙登場!


ベルリン・ドイツ・オペラにて2021年11月にプレミエ公演された『ニーベルングの指環』。世界中のオペラ・シーンでひっぱりだこの鬼才ステファン・ヘアハイムが、この新制作の『指環』の演出を担いました。
「ワーグナーは生涯をかけて挑戦する対象」と語るヘアハイムは、この『指環』4部作に共通のキー・オブジェ『グランド・ピアノ』を舞台の中心に据え、黙役の男女の群衆がそれを取り囲み、次々と繰り出す演出上の創意とスペクタルなシーンによって弛みなくドラマの生成展開を促します。
 ブリュンヒルデ役のベテラン、ニーナ・シュテンメを筆頭に、演出家の意図に見事に応える粒ぞろいの歌唱陣と群衆、そしてベルリン・ドイツ・オペラのオーケストラから雄渾なワーグナー・サウンドを引き出す音楽総監督ドナルド・ラニクルズのタクトにより舞台、演唱、オーケストラが三位一体となった充実の『指環』4部作として結実。特典映像の演出家と指揮者が語る「『指環』のメイキング」では『指環』上演史の中で、このプロダクションが占めるユニークなポジションが解き明かされます。(輸入元情報)(写真 輸入元提供)


【収録情報】
● ワーグナー:『ニーベルングの指環』全曲


 序 夜:『ラインの黄金』
 第1夜:『ワルキューレ』
 第2夜:『ジークフリート』
 第3夜:『神々の黄昏』


● 序 夜:『ラインの黄金』

 ヴォータン…デレク・ウェルトン(バス・バリトン)
 ドンナー…ジョエル・アリソン(バリトン)
 フロー…アッティリオ・グラーザー(テノール)
 フリッカ…アニカ・シュリヒト(メゾ・ソプラノ)
 フライア…フルリナ・シュトゥッキ(ソプラノ)
 ローゲ…トーマス・ブロンデル(テノール)
 エルダ…ユディット・クタシ(メゾ・ソプラノ)
 アルベリヒ…マルクス・ブリュック(バリトン)
 ミーメ…ヤー=チャン・ファン(テノール)
 ファーゾルト…アンドリュー・ハリス(バス)
 ファーフナー…トビアス・ケーラー(バス)
 ヴォークリンデ…ヴァレリア・サヴィンスカヤ(ソプラノ)
 ヴェルグンデ…アリアンナ・マンガネッロ(メゾ・ソプラノ)
 フロースヒルデ…カリス・タッカー(メゾ・ソプラノ)
 ベルリン・ドイツ・オペラ・エキストラ

 収録時期:2021年11月9,16日
 収録時間:155分


● 第1夜:『ワルキューレ』

 ヴォータン…イアン・パターソン(バス・バリトン)
 フリッカ…アニカ・シュリヒト(メゾ・ソプラノ)
 ジークムント…ブランドン・ジョヴァノヴィチ(テノール)
 ジークリンデ…エリザベト・タイゲ(ソプラノ)
 フンディング…トビアス・ケーラー(バス)
 ブリュンヒルデ…ニーナ・シュテンメ(ソプラノ)
 ヘルムヴィーゲ…フルリナ・シュトゥッキ(ソプラノ)
 オルトリンデ…アントニア・アヒョン・キム(ソプラノ)
 ゲルヒルデ…アイレ・アッソニー(ソプラノ)
 ヴァルトラウテ…ジモーネ・シュレーダー(メゾ・ソプラノ)
 ジークルーネ…ウルリケ・ヘルツェル(メゾ・ソプラノ)
 ロスヴァイセ…カリス・タッカー(メゾ・ソプラノ)
 グリムゲルデ…アンナ・ラプコフスカヤ(メゾ・ソプラノ)
 シュヴェルトライテ…ベス・テイラー(メゾ・ソプラノ)
 フンディングリング…エリック・ナウマン(俳優)
 ベルリン・ドイツ・オペラ・エキストラ

 収録時期:2021年11月10,17日
 収録時間:231分


● 第2夜:『ジークフリート』

 ジークフリート…クレイ・ヒーリー(テノール)
 さすらい人…イアン・パターソン(バス・バリトン)
 エルダ…ユディット・クタシ(メゾ・ソプラノ)
 アルベリヒ…ジョーダン・シャナハン(バリトン)
 ミーメ…ヤー=チャン・フアン(テノール)
 ファーフナー…トビアス・ケーラー(バス)
 ブリュンヒルデ…ニーナ・シュテンメ(ソプラノ)
 森の小鳥…セバスティアン・シェーラー(ボーイ・ソプラノ)
 ベルリン・ドイツ・オペラ・エキストラ

 収録時期:2021年11月12,19日
 収録時間:241分


● 第3夜:『神々の黄昏』

 ジークフリート…クレイ・ヒーリー(テノール)
 ブリュンヒルデ…ニーナ・シュテンメ(ソプラノ)
 アルベリヒ…ジョーダン・シャナハン(バリトン)
 グンター…トーマス・リーマン(バリトン)
 ハーゲン…アルベルト・ペーゼンドルファー(バス)
 グートルーネ/第3のノルン…アイレ・アッソニー(ソプラノ)
 ヴァルトラウテ…オッカ・フォン・デア・ダメラウ(メゾ・ソプラノ)
 フロスヒルデ/第1のノルン…アンナ・ラプコフスカヤ(メゾ・ソプラノ)
 ヴェルグンデ/第2のノルン…カリス・タッカー(メゾ・ソプラノ)
 ヴォークリンデ…ミチョット・マレロ(ソプラノ)
 燃える男…エーリヒ・カンマーライヒス(スタントクルー・バーベルスベルク)
 ベルリン・ドイツ・オペラ・エキストラ
 ベルリン・ドイツ・オペラ合唱団(合唱指揮: ジェレミー・バインズ)

 収録時期:2021年11月14,21日
 収録時間:301分

 特典映像:
 1. 『指環』メイキング・ドキュメンタリー(24分)〜リハーサル風景、演出家&指揮者インタビュー
 2. ベルリン・ドイツ・オペラ『指環』サークル会員インタビュー(7分)


 ベルリン・ドイツ・オペラ管弦楽団
 ドナルド・ラニクルズ(指揮)

 演出:ステファン・ヘアハイム
 舞台美術:ジルケ・バウアー、ステファン・ヘアハイム
 衣装:ウタ・ハイゼケ
 照明:ウルリヒ・ニーペル
 映像:トルゲ・メラー
 ドラマトゥルギー:アレクサンダー・マイヤー=デルツェンバッハ、イェルク・ケーニヒスドルフ

 収録場所:ベルリン・ドイツ・オペラ(ライヴ)
 撮影監督:ゲッツ・フィレニウス

 制作:ナクソス&ベルリン・ドイツ・オペラ
 協力:RBB(ベルリン=ブランデンブルク放送協会)
 協賛:NRK(ノルウェー放送協会)&Marquee TV

 総収録時間:928分
 画面:カラー、16:9
 音声:PCMステレオ
 歌唱言語:ドイツ語
 字幕:日本語・英語・ドイツ語・フランス語・韓国語
 NTSC
 Region All


Customer Reviews

Comprehensive Evaluation

★
★
★
★
★

5.0

★
★
★
★
★
 
1
★
★
★
★
☆
 
0
★
★
★
☆
☆
 
0
★
★
☆
☆
☆
 
0
★
☆
☆
☆
☆
 
0
★
★
★
★
★
「ヘアハイム最初の躓き」などとドイツの批評...

投稿日:2023/11/05 (日)

「ヘアハイム最初の躓き」などとドイツの批評では貶されたが、いや全然ありでしょう。確かに四部作全体を貫く二つの基本コンセプトがあまりうまく機能していないことは私も認めよう。 1)『ラインの黄金』冒頭に出てくるのは、トランクを抱えた着の身着のままの避難民たち。ドイツ人なら第二次大戦後、ソ連やポーランドに割譲することになった東方領土からの引き揚げ者をイメージするだろう。その後、60年代ヒッピー風のジークムントを経て、『黄昏』のギービヒ家の面々や群衆は完全に現代のファッション。つまり、『指環』物語内の時間経過と戦後ドイツの歩みを重ね合わせようというわけだ。トランクはフンディング家、ミーメの家の壁を形作るなど、以後の舞台美術で活用されるし、群衆(元避難民)は『ジークフリート』最終場で主役カップルの心理を先取り、増幅したりするのではあるが、資本家(神々族)/中産階級(巨人族)/プロレタリアート(小人族)という定番通りの階層区分と併せて、シェロー演出へのオマージュとしても、もはや陳腐と言わねばなるまい。 2)最初から最後まで舞台上にグランドピアノが置かれ、人物達はしばしばピアノの鍵盤で弾きまねをし、総譜を開きながら歌う。こうすることで、舞台からは観客に、あなたが見ているのは現実じゃない、音楽劇の上演なんだというメタメッセージが発せられ続ける。メイキングで(余談ながら、メイキング映像にも日本語字幕があるのは感心。オペラ本編の字幕も上出来だ)演出家は「観客の現実逃避を妨げるため」と述べている。ピアノの中はセリになっていて、多くの人物がここから出入りするし、ピアノの中はブリュンヒルデの眠るベッド、ジークフリートの棺にもなるのだが、だから何なのよと問い詰められると、どうも苦しいか。 けれども、以上の二点を除けば、演出はほんのちょっとした小ネタに至るまで実に周到に考えられており、ここぞというクライマックスの見せ方のうまさ、いつもながらの音楽とアクションのシンクロ度の高さはさすが。『指環』上演史上でも屈指の名舞台と評価できる。以下、良いと思うところを列挙。 1)『ラインの黄金』では例の避難民の一人が白塗りの化粧をしてアルベリヒに「なってゆく」が、白塗りのクラウン(道化)とはつまり「ジョーカー」。一方、ローゲは20世紀の名優、グスタフ・グリュントゲンス演ずるメフィストフェレスのイメージだ。ラインの黄金自体は金色のトランペットで、アルベリヒがそれで黄金のライトモティーフを吹くまねをする、エンディングではノートゥングのモティーフのところでヴォータンが剣を取り出し、投影されたトネリコの樹に突きたてるなど、ライトモティーフとアクションのシンクロは見事。 2)『ワルキューレ』はすでにフンディングとジークリンデの間に男の子があり、彼女はジークムントと逃げる際に、この子を殺さねばならなかったという読み替え設定。ジークムントの子がお腹にいると知らされるまでの彼女の罪責感は異常で、われわれには理解できないが、これで了解しやすくなった。 3)『ジークフリート』のミーメはベックメッサーと並んで、ワーグナーによるユダヤ人カリカチュアの典型とされているが、この演出ではベレー帽をかぶった作曲家本人の肖像画通りの風貌になっている。ワーグナー自身にユダヤ人の血が入っているのではという疑惑もかねてから囁かれているわけだが、これはこの作曲家の反ユダヤ主義に対する痛烈なしっぺ返し。 4)『神々の黄昏』第1幕第2場のモノローグをハーゲンが歌い終えると、アルベリヒが出てきて息子の顔におしろいを塗る。ハーゲンは客席に降りて、最前列中央にいたヴァルトラウテと交代。そのまま客席で第1幕終わりまでの出来事を見ることになる。第2幕第1場のアルベリヒとハーゲンの対話は舞台と客席の間で行われ、その後、ようやく舞台に戻ったハーゲンは「ジョーカー」の顔になっている。第4場の修羅場ではブリュンヒルデが「神々よ」と叫ぶところで舞台後景にいるヴァルハラの神々たちが見えるようになり、槍の穂先での宣誓はハーゲンが奥のヴォータンの所から取ってきた、折れたグングニルで行われる。このあたり、実に良く出来ている。葬送行進曲ではノートゥングのモティーフのところでハーゲンが剣を取り、ジークフリートの首を切り落とす。「自己犠牲」では、ブリュンヒルデが「父よ、安らいでください」と歌うところでヴォータンが後景から降りてきて、ピアノの前に座る。最後の箇所など、当然そうあるべきなのに、これまでそういう演出がなかったのが不思議なほどだ。 さて、歌手陣について。『ラインの黄金』は全員が歌、演技ともうまく、全体としては最も水準が高い。『ワルキューレ』以降は玉石混淆。それでもステンメのブリュンヒルデがついに三作通して見られるのは有難く、いわば救世主のように公演全体に君臨している。『ワルキューレ』以後のヴォータン、パターソンは小物感を払拭できないが、それでもなんとか健闘。ジョヴァノヴィチ(ジークムント)はキャラとしては合っているが、声自体の輝きが欲しい。タイゲ(ジークリンデ)はしっかり歌えてはいるが、印象薄い。2020年に歌ったダヴィドセン(第3幕の一部のみネット上で見られる)の方が遥かに上だった。愛嬌ある巨体の持ち主、クレイ・ヒーリーには従来ならこの悲劇のヒーローに求められたはずの「陰影」や「深み」がまるでない。しかし、ジークフリートは大人になり損ねた主人公であり、悪ガキのままで殺されてしまったのだと考えれば、こういう役作りもあり得るか。ペーゼンドルファー(ハーゲン)は荒っぽいが、演出のおかげでずいぶん得をしている。 ラニクルズの指揮は中庸なテンポで、低回趣味とは無縁。しかし劇場的な嗅覚はとても鋭く、一昔前の指揮者ならショルティのようなセンス。この大作を味わうのに不足はない。

村井 翔 さん | 愛知県 | 不明

1

Recommend Items