作曲家、和田薫のオーケストラ作品を集めたCD。
2003年11月のサントリーホールで行われた作曲家の初の個展コンサートのライヴ録音盤で、当日はアンサンブル作品を集めた1部、映像作品を集めた2部、そしてオーケストラ作品を集めた3部という構成だったようだが、このうち3部の演奏曲を収録したもの。
演奏は日本フィルハーモニー交響楽団。
指揮者は作曲者、和田薫本人によるものでつまり自作自演集だ。
収録曲は、交響詩『天地人』『オーケストラのための民族舞曲』『津軽三味線とオーケストラのための絃魂』『管弦楽のための交響的印象海響』を収録している。
この中で注目なのは当日が初演となった津軽三味線とオーケストラのための絃魂で、独奏の木下伸市の津軽三味線がとても繊細で、またアレグロ部分ではオーケストラとしっかり張り合えるぐらい音が鳴っていてびっくりした。
その他の作品は和田の初期から1990年代の代表的な作品で、オーケストラのための民族舞曲はマルメ交響楽団と、管弦楽のための交響的印象海響はケルン放送管弦楽団と録音があるが、天地人の音源は市販されているプロの演奏はこれのみという貴重なもの。
作曲者の演奏ということもあり、解釈はさすがしっくりくるが、オケがちょくちょくミスがあるのが気になる。
しかし、ライヴ特有の熱気は存分に伝わり、当日のコンサートの様子は十分に伝わる。
以上は1枚目のCDの内容で、2枚目はDVDでリハーサルに加えてオーケストラのための民族舞曲から抜粋、津軽三味線とオーケストラのための絃魂、管弦楽のための交響的印象海響の演奏映像とCDには入ってない、アンコールに演奏された犬夜叉幻想を収録している。
CDケースはオペラのCDによく使われる2枚組タイプのCDに見えるが、よく見ると1枚組プラケースを繋いで2枚組プラケースタイプにした特殊なケースである。