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自分ひとりの部屋 平凡社ライブラリー

Virginia Woolf

Product Details

Genre
ISBN/Catalogue Number
ISBN 13 : 9784582768312
ISBN 10 : 4582768318
Format
Books
Publisher
Release Date
August/2015
Japan
Co-Writer, Translator, Featured Individuals/organizations
:

Content Description

「もし、シェイクスピアに妹がいたなら…」“女性と小説”というテーマで講演を頼まれた語り手は、有名な兄のように、支援者も、模範とすべき先達も、お金も時間も、ひとりになれる部屋もないなか、ものを書こうとしてきた女性たちに思いをはせる―イギリスで男女平等の参政権が認められた一九二八年、ケンブリッジ大学の若き女子学生たちに向けた講演をもとに、物語の形をとりながら、女性の文学の歴史と未来への期待を見事に紡ぎ出したフェミニズム批評の古典。

【著者紹介】
ヴァージニア・ウルフ : 1882‐1941。ロンドン生まれ。文芸評論家のレズリー・スティーヴンの娘として書物に囲まれて育つ。1904年より、知人の紹介で書評やエッセイを新聞などに寄稿。父の死をきっかけに、ロンドンのブルームズベリー地区に移り住み、後にブルームズベリー・グループと呼ばれる芸術サークルを結成。1912年、仲間の一人、レナード・ウルフと結婚。33歳から小説を発表しはじめ、三作目『ジェイコブの部屋』(1922)からは、イギリスでもっとも先鋭的なモダニズム芸術家のひとりとして注目される

片山亜紀 : 獨協大学外国語学部准教授。イースト・アングリア大学大学院修了、博士(英文学)。イギリス小説、ジェンダー研究専攻(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

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Book Meter Reviews

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  • buchipanda3

    初ウルフ。これは随筆なのだが、架空の女性作家を登場させるなど現実と虚構が混ざり合った擬似的な小説の感覚で読めた。主題は「女性と小説」。先駆となる女性作家の歴史を女性の社会的立場の変遷と共に紐解き、彼女たちの心情などが語られる。オースティンは執筆を共用の居室でしか出来ず、集中できる環境ではなかったらしい。女性の創作への理解が全く為されない時代があった。これが書かれた1920年代でもまだ不遇だった思う。でも彼女は本作の主張として男女の対立(比較)よりも小説を書いて欲しい、それが大切と締め括るのが印象的だった。

  • ケイ

    講演会を書き起こしたものとしてこれと双璧を成すと思うのは、夏目漱石の『私の個人主義』。どちらも学生に呼びかけたものである。あと、カート・ヴォネガットが様々な大学で卒業生に向けて講演した話を集めて訳されたもの(円城塔訳)。大学は、新入生に教授陣選出の推薦図書リスト提示するのもいいが、卒業生にこのような本を餞として送って欲しい。ウルフはコールリッジを引き合いにだし、両性の調和を説いている。女性的部分を持つ男性、男性的部分を持つ女性について触れている。過激なフェミニズムを説いているのではないと私は理解した。

  • どんぐり

    ケンブリッジ大学で〈女性と小説〉をテーマにヴァージニア・ウルフが講演した、1929年初出の評論集。「なぜ男たちの飲み物はワインで、女たちは水なのか? なぜ男性はあれほど裕福なのに、女性はあれほど貧乏なのか? 貧困は文学(フィクション)にどう作用するのか? 芸術作品の創造に必要な条件とは何か?」、講演会場へ向かう道すがら思索するウルフ。そのためには、「ワイン」を飲むお金と「自分ひとりの部屋」を享受すること。→

  • アキ

    およそ100年前ケンブリッジ大学で女子学生に行われた有名な講演の書籍化本。この書に「女性が小説を書こうと思うなら、お金と自分ひとりの部屋を持たねばならない」という有名なフレーズがある。イギリスにおける女性の作家の変遷と、もしシェークスピアに妹がいたらなどの空想、その頃のフェミニズム運動にも言及し、架空の女流作家に「あと百年経てば、彼女は詩人になるでしょう。」と声をかける。さて現在、多くの女流作家が花盛りのように思えますが、著者であればなんて論評するのでしょう?まずまず満足できる状況なのではないでしょうか。

  • やいっち

    ミア・カンキマキ著の「清少納言を求めて、フィンランドから京都へ」にて幾度も参照。 「女性が小説を書こうと思うなら、お金と自分一人の部屋を持たねばならない」。経済的自立と精神的独立(プライバシーの確保)が、女性が自律的に創作活動をするうえで不可欠だということ。女性の自立が懸命に模索されていた時代だからこその、懸命の主張だろう。だからといって、女性が男性を反対勢力とみるのではなく、あくまで男女が共に性を意識せず、ただ書きたい、表現したいテーマに向き合うことの大切さを唱えている。

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