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三ギニー 戦争を阻止するには 平凡社ライブラリー

Virginia Woolf

Product Details

Genre
ISBN/Catalogue Number
ISBN 13 : 9784582768602
ISBN 10 : 4582768601
Format
Books
Publisher
Release Date
October/2017
Japan
Co-Writer, Translator, Featured Individuals/organizations
:

Content Description

教育や職業の場で続けられてきた女性に対する直接的・制度的差別。これらが戦争と通底する暴力行為であることを様々な資料により明らかにし、戦争なき未来のためにできることを、女性が働いてようやく得た自由なお金三ギニー=約三万円の寄付行為になぞらえ提示する。男女の賃金格差・少子化・介護・過重労働やマスコミの偏重報道など、現代日本が直面する問題にも迫る名評論の新訳。

【著者紹介】
ヴァージニア・ウルフ : 1882‐1941。ロンドン生まれ。文芸評論家のレズリー・スティーヴンの娘として書物に囲まれて育つ。1904年より、知人の紹介で書評やエッセイを新聞などに寄稿。父の死をきっかけに、兄弟姉妹とロンドンのブルームズベリー地区に移り住み、後にブルームズベリー・グループと呼ばれる芸術サークルを結成。1912年、仲間の一人、レナード・ウルフと結婚。33歳から小説を発表しはじめ、三作目の『ジェイコブの部屋』(1922)からは、イギリスでもっとも先鋭的なモダニズム芸術家のひとりとして注目される。書評家としても知られ、出版業者としての側面もあり、著作のほとんどは、夫とともに設立したホガース・プレス社から刊行された

片山亜紀 : 獨協大学外国語学部准教授。イースト・アングリア大学大学院修了、博士(英文学)。イギリス小説、ジェンダー研究専攻(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

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Book Meter Reviews

こちらは読書メーターで書かれたレビューとなります。

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  • yumiha

    副題「戦争を阻止するために」にあれっ⁉と思ふ。これまで読んできたヴァージニア・ウルフの問題意識とは多少ずれているように思ったからだ。でも読み進めると、戦争を阻止するためには、まず女性の地位向上が前提という、いつもの論調が向かっていった。そのために女子寮建て替え基金(女子学生の教育)へ1ギニー、女性就職支援団体へ1ギニーという寄付を行って(そうしなければ旧体質の父親の影響力に取り込まれてしまう)から、「文化と知性を護る(=戦争を阻止する)協会」への1ギニーを決めた。当時の英国社会の実情は現代の日本とは違う。

  • みねたか@

    1930年代、女性が教育を受け就業するのは困難だった時代。国全体が再軍備へ向かう状況への異議申し立ての書。教育と就職という側面から男性支配の社会のあり様を論理的にかつ容赦なく論駁する。寛大であることを教えるべき教育、人の自立を助けるはずの職業が、戦争と密接に関係する独占欲や所有欲の温床となっている。だからこそ、とウルフは言う。女性が教育と職業を得ていくうえで、決してこれまでの男社会の轍を踏んではならない。書かれて80余年。今もなお新鮮なのは著者の力と、遅々として進まない状況の変化の故か。

  • かもめ通信

    <戦争阻止>の名目で寄せられる様々な要請に返答という形式で書かれたこの長文の論説は、260ページほどの3章だての本文に58ページにわたる原注からなり、本書にはさらに62ページにわたる訳注と20ページほどの訳者解説も収録されている。いつ読んでも、何度読んでも、理路整然としていて説得力があり、示唆に富んでいて同じウルフの 『自分ひとりの部屋』とともに私にとってお気に入りの1冊だ。

  • ふるい

    小説以外のウルフの文章ははじめて読んだのだが、ますます好きになった。ほんとに今日的なことが書かれていると思う。いわれのない偏見の目で見られ、父や夫に抑圧され、自分で稼ぐこともままならなかった女性たちの数々のエピソードを読むことができる。女性を支配したがる男性の愚かさを上品に皮肉る手腕が見事。男性的な悪癖である戦争に関わって来なかった女性だからこそできる行動が、平和への道があることをウルフは示してくれた。

  • ザビ

    女性の立場からどうすれば戦争を阻止できるか?という問いに対し、女性の「教育の向上」と「発言力の向上」を挙げるエッセイ。女性の意見は社会的にほぼ無力の現状では、唯一声を上げられるのは教育現場だろうと。そこで、暴力の使い方を指導する今の教育から、暴力を憎む教育にシフトすべき、と言う。女性がついに参政権を得たばかりの100年前に、ここまでクリアに女性の社会的役割のビジョンを主張できることは驚き。「女性公務員には男性ほど給与が支払われていない。その矛盾は空気がもたらすもの」「空気とはじかに触知できないがゆえに、→

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