Shake Heaven

数年前にはマイナー・リリースながら質の高い、90sスタイル純度100%の新作リリースがいまだ印象に残るモンテル・ジョーダン。昨年リリースされたこの『SHAKE HEAVEN』、括りこそコンテンポラリー・ゴスペルに入れられているが、モンテル・ジョーダン自身がほぼプロデュース。勿論リード・ヴォーカルも6曲ながら披露しており、サウンド、曲調ともに現行R&Bシーンそのものの内容。これは嬉しいリリースです。

そんな中、注目を集めるのはやはりモンテルがリードを取る6曲。このアルバムではR&Bスタイリストとしてのモンテルではなく、多彩な才能を披露しているアーティストと行ったほうが良いでしょう。サビのコーラスが最高に印象に残るダンサー「Let's Go」、重厚なトラックだが、その艶やかなテナーとの相性も抜群のミッド「Shake Heaven」などはさすがの一言。とは言ってもやはり彼の本領発揮となるのは「These Hands」のようなスロウ・ナンバー。歌詞などはやはりゴスペルの世界なのだが、清らかで切々と唄われる様は、六分半という長尺なナンバーながら聴くものを虜にしてしまう魅力が詰った壮大なバラッドです。ジャケットには表記されていないシークレットの13曲目「F.L.H」はバイロン・チェンバースのトーク・ボックスをフィーチャーしたメランコリック・ミッド。これこそモンテル！と言いたくなるまさしく隠れたハイライトと言えるでしょう。変名ですがモンテルの魅力が詰った一枚として保障できるこのVICTRY WORLD MUSIC。ぜひ多くのR&Bファンの耳に届いてもらいたい作品です。

※ジャケットの表記は12曲となっておりますが、全13曲収録です。
（メーカー資料より）