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It's A Scream How Levine Does The Rhumba

User Review :5.0
(1)

Item Details

Genre
:
Catalogue Number
:
21
Number of Discs
:
2
Format
:
CD
Other
:
Collection,Import

Customer Reviews

Comprehensive Evaluation

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米国におけるマイノリティの文化的生存戦略...

投稿日:2016/02/08 (月)

米国におけるマイノリティの文化的生存戦略…のようなものが窺い知れる ユダヤ&ラティーノ文化融合系楽曲アンソロジー。 イスラエルの伝統的フォークソングで ユダヤの祝祭時に歌われるヘブライ語の歌「Hava Nagila」(ハバ・ナギラ) を、キューバ出身でサルサの女王他の称号で国際的に知られている Celia Cruz(セリア・クルス)がヘブライ語で歌ったり、 マンボの王様ことPerez Prado(ペレス・プラド)が、同じくハバ・ナギラ を題材にした曲「The Twist Of Hava Nageela」 を創っていたり、逆に、 ユダヤ系米国人姉妹デュオThe Barry Sisters(ザ・バリー・スィスターズ) が、キューバ系ラテンリズムの曲を歌ったり、 セファーディック・ジュー(スペイン系ユダヤ人)で、 ラディーノ語とスペイン語を流暢にこなしたマンハッタン生まれの歌手 Eydie Gorme(イーディ・ゴーメ)や、 東欧系ユダヤ移民の血筋の人だけど、米国西海岸ロサンゼルス生まれで、 周辺にメキシコ系米国人も多い環境で育ったから、 自身の持つユダヤ文化の要素にメキシコ音楽の影響も受けた音楽を創る っていう形でユダヤ文化とラテン文化の混ざった音楽を創造した Herb Alpert(ハーブ・アルパート)というミュージシャンがいたり… …そんな感じで、 米国におけるユダヤ&ラティーノ文化融合系の楽曲計41曲2時間9分 を収録した2枚組CDが、この 「It’s A Scream How Levine Does The Rhumba: The Latin-Jewish Musical Story 1940s-1980s」 で…因みに、このタイトルの、 「It’s a Scream How Levine Does the Rhumba」のLevine(レヴィーン) ってのはユダヤ人に多い名字らしくて、 つまり、ユダヤ人がルンバを、ってことで2つの文化の交わりを示してる… という作品タイトル…で、 この作品に収められてる41曲の中には、 その曲名の曲も含まれてます。 余談で… 「Hava Nagila」(ハバ・ナギラ)は 「Let us rejoice」<(祝祭等を)喜ぼう、楽しもう> という意味のヘブライ語だとか。 自分がこのCDのことを知ったキッカケは、 去年2015年12月上旬に、 米国のとあるラジオ番組の、 「Bagels And Bongos: The Jewish-Latin Music Connection」 という放送回→ http://www.npr.org/sections/altlatino/2015/12/03/458171865/bagels-and-bongos-the-jewish-latin-music-connection を聴いたからで… 35分程の内容だけど、興味深い話が多くて… 米国では、人種差別的な問題もあって、 米国で移民系住民がいい暮らしをする為には、 ラティーノの子供達は、 ラティーノ文化を捨ててスペイン語は喋らず英語だけ喋れ、 と親に育てられた時代があった、 のと同様に、ユダヤ系米国人の間にも、 イディッシュは喋らず英語でかつユダヤ訛りもなく喋らなければ、 と考えられた風潮があった、 けれど… NYのユダヤ系米国人は、単純に英語だけ喋って白人化するのではなく、 ラティーノの音楽をユダヤ流にやることで、よりユダヤ人であろうとした、 という興味深い経緯を辿った件…一方、 ロサンゼルスでは、Boyle Heights(ボイル・ハイツ)という場所があり、 その近辺は1940年代とかの当時は、 ユダヤ系住民、日系住民、ラティーノ系(特にメキシコ系)住民 が多く住む場所だったり… ってことで、やはり、ユダヤとラティーノ文化の相互作用、 が起こった件… 伝説の音楽イベント、ウッドストック・フェスティバルの開催地、 としても有名な、 NY市近辺のユダヤ人が夏の避暑地的な感じで訪れるリゾート地 になってるCatskill Mountains(キャッツキル山地) のことを「sour cream sierras」と差別的に呼んでた時代もあった… 等々の歴史的経緯のような話をしつつ、 主に、このCDに収録されてる曲を中心に、 7曲(このCDに収録されてる曲は6曲)の曲を紹介し、 夫々の曲に関する、ユダヤとラティーノ文化の交わりって観点の エピソードが紹介されたり、会話が交わされたり… …という、35分程度だけど濃密な内容の放送で… 興味深く、色々インパクトもあったのと…あと、12月のその週は、 別の、ラティーノUSAというラジオ番組で、 「Ay Vey! Being Jewish and Latino」という 今現在の米国内における Latino Jews(ラティーノでもありユダヤ人でもある人達) に関するあれこれの話題を紹介する1時間枠の放送→ http://www.npr.org/programs/latino-usa/457376573/-ay-vey-being-jewish-and-latino もあったりで、聴いていたら、 益々、色々な話が、あるんだなぁ…と興味が湧いて… で、そんな中、ここのHMVのサイトでちょっと検索してみたら、 このCDが、 まとめ買い価格で、¥2,029で注文出来るってことだったんで、 じゃあ是非、と思って注文して… ちょっと他の注文商品の入荷が遅れたので手許に届いたのが、 2016年2月になってから、になっちゃったけど… 早速、全部通して聴いてみて… 上述のラジオ放送内で紹介されていて聴いた曲以外は、 基本的に知らない曲ばかりだったけど、 聴いていて、 「あれ?コレは、ボサノヴァの曲だ」 と思ったんで曲名とかを確認してみたら、 「Stan Getz & Charlie Byrd」によるボサノヴァの曲「Desafinado」で、 自分は今まで漠然と、 スタン・ゲッツって人はボサノヴァの人、って印象だったんで、 ブラジル系の人か何かかと思ってたんで、 「これ、ユダヤとラテン系文化にどう関係あんの?」 って思っちゃったんだけど、 よくよく確認してみると、スタン・ゲッツは、 ユダヤ系ウクライナ人移民の家庭に生まれた米国人サックス奏者、 だったんだね… そのユダヤ系の彼が、ラティーノじゃないけどラテン音楽系ギタリストで、 当時ブラジルツアーから帰国したばかりで、 耳にブラジルのボサノヴァサウンドが焼き付いていたチャーリー・バード とコラボしてボサノヴァの曲をやった、 のが米国でヒットした、 ってことで、コレも、ユダヤ文化とラテンアメリカ文化が融合した形、 ってことになるんだな… と。 あと、キューバ出身のパーカッション奏者モンゴ・サンタマリアが、 ジャズのスタンダード曲「Watermelon Man」をやってるのが収録されてて、 でも、作曲者のハービー・ハンコックはアフリカ系米国人で、 ユダヤ人とか全然関係ないけどな…と思ったら…この曲を陰で支えている、 モンゴ・サンタマリアのバンドのメンバーでトランペット奏者の Marty Sheller(マーティ・シェラー) という人が、ユダヤ系米国人なんだとか…っていう感じで、 やはりそこにも、文化的な交わりが、 あるってことなんだな…と興味深く思ったり… そうそう…その辺の、各楽曲の説明等が書かれたブックレットが、 文庫本サイズよりも少し大きい判サイズで、ページ数が40ページ位、 っていう、結構しっかりしたのが付属していて… このCDは元々、 大学でそういう文化史的なアレを研究して教えているような人達 が編集して世に出したCDなので、 そういう米国内でのマイノリティ文化交流史的な教材としての価値、 もある感じで… 何だかんだで、いい買い物をしたなぁ、と… 個人的には、満足しています。 あと、 この前、「Music That Inspired Buena Vista Social Club」 というキューバ系音楽の古典的名曲のアンソロジーCD ってのを買って聴いたけど、アレとこのCDとは、 キューバ出身で後に米国等へ活動拠点を移したアーティスト等が、 重なってる部分もあるんで、 …セリア・クルスとかペレス・プラドとかマチートとか… だから、 アレとコレとをセットで聴いてみるのも、 色々と興味深いんじゃないかな…と、思って、今度、 そうやって聴いてみようかな、 みたいな…ともかく、色々と楽しみながら音楽を味わいつつ、 その音楽の背景にある、 ユダヤ系とラティーノ系という米国内マイノリティの生存戦略ドラマ… みたいな部分にも思いを馳せたり… 出来そうなので、本当に買った甲斐があったな… と…そんな感じです。

♂猫Junn-Junn さん | 東京都 | 不明

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