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文学部唯野教授

Tsutsui Yasutaka

User Review :5.0
(1)

Product Details

Genre
ISBN/Catalogue Number
ISBN 13 : 9784006020019
ISBN 10 : 4006020015
Format
Books
Publisher
Release Date
January/2000
Japan

Customer Reviews

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大学教授をしつつ小説を書いていることを必...

投稿日:2012/01/16 (月)

大学教授をしつつ小説を書いていることを必死に隠そうとする、そんな唯野教授の物語。 本書は、各章ごとに文学批評理論のタイトルが与えられ、前半は唯野教授とその周辺の物語、後半は彼がタイトルにある理論の講義をすると言う体裁で進んでゆく。 物語は大学での不思議な慣例を爽やかに喜劇化している印象で、少しでも雰囲気が想像できれば、笑いながら読めることだろう。 講義の方は、専門的に内容を解説することを念頭に置いたものではない割には、真面目に書かれている印象。 門外漢にも解りやすい解説となっているが、文学理論の勉強を目的として本書を手に取るのは不適に思われる。(全体が小説という体裁なので、文献目録等を欠いていたりするため) 何れにせよ、小説としてもちょっとした教養書としても文句のない出来で、一世を風靡したのも納得の一冊。

とある白いうさぎ さん | 所在地 | 不明

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Book Meter Reviews

こちらは読書メーターで書かれたレビューとなります。

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  • absinthe

    大学教授が主人公のコメディー風の小説。文芸批評の歴史についてかなり詳しく講義され、膨大な薀蓄に驚かされる。本書の半分はきちんとした講義なので、ついていくのも大変だが損は絶対しない。absinthは理系で文学は門外漢だが、記号論はコンピュータと関連があり興味深く読めた。あらゆる時代の文芸批評が網羅されそれだけでも読む価値あり。筒井さんは本書のために相当の勉強をされたと思う。筒井嫌いで有名なある先輩も、この本だけは褒めていた。

  • ケイ

    この作家は、二年前の新潮文庫の100冊に入っていた「旅のラゴス」を除いては読んだことがなかった。この本も友人にプレゼントされて手に取った。唯野教授の日常や会話に絡めて、大学のあり方、文学部のあり方、研究より出世の研究者を批判する。さらに文学批評も舌鋒鋭くしているのだが、それをするための筆者の知識量に感服した。

  • まふ

    久しぶりに読んでしまった。大学のアカデミック社会と小説家の世界との対比をドタバタ的に書いたものではあるが、何といっても伝統的な「印象批評」から始まり、「現象学」「受容理論」「記号論」「構造主義」へと繋がる文学批評理論の歴史をかいつまんで説明したその知識の正確さと説明のわかりやすさに改めて圧倒的な共感を覚える。ヘタなプロの文学部講師よりも遥かに的を得た「通史」を学べたような気がする。これだけの「硬軟自在な」作家は彼を措いて他には見当たらないのではなかろうか。まさに「天才」である。

  • 優希

    面白かったです。大学と文学をテーマにしたメタフィクション。グロテスクな大学での日常を乗り切りながら、現代文学理論の難解な講義でぶった切るスラップスティックさは筒井ワールドそのものでした。しかし、ただのメタ小説におさめず、文学理論の講義解説もきっちりしているので学術小説としても楽しむことができました。下手な文学理論の本を読むより分かりやすいと思います。大学教授会の暗部の暴露本でもありますが、意外と真面目な印象もある作品でした。

  • 中玉ケビン砂糖

    、もちろん筒井康隆流のブラックユーモアでふんだんに盛られているけれど、「大学というシステムのブラックな裏側」「人文科学・文学の入門知識」「小説の面白さ」を享受できるへんてこでお得な一冊、でも実際問題、教授職の争奪戦とか教授会の権力とか、某国立大学教養学部の内部腐敗とか、そういうドロドロした感じは学生目線でもひしひしと感じるものだ、一昔前は余程の重鎮でもないかぎり

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