日本語解説付き
「歌うトランぺッター」ヘルセット、ベルゲン・フィルと挑む20世紀の名協奏曲集!
「歌うトランぺッター」として高い評価と人気を誇るノルウェー出身の若き名手、ティーネ・ティング・ヘルセット。ノルウェーの高品質レーベル「ラウォ(LAWO)」 第4弾は、ベルゲン・フィルハーモニー管弦楽団とペトル・ポペルカ指揮のもと、アルメニアやポーランドなど激動の20世紀の旧ソ連圏を生きた3人の作曲家によるトランペット協奏曲集。
アルバムはアレクサンドル・アルチュニアン[1920-2012]の『トランペット協奏曲』で幕を開けます。アルメニア民謡の香りとロマンティックな旋律が融合したこの名曲は、世界中のトランペット奏者にとっての登竜門であり、ヘルセット自身も14歳で初めて演奏。「それ以来、この曲は私のレパートリーに欠かせない存在」と語ります。
続くクシシュトフ・ペンデレツキ[1933-2020]の『小協奏曲』は晩年の作風を示す凝縮された作品です。前衛的な作品で知られるペンデレツキですが、この曲では、特にフリューゲルホルンで演奏される第2楽章において叙情的で内省的な表現を見せています。さらにアルチュニアンの『主題と変奏』が、民族色豊かで明るい躍動感あふれる音楽を届けます。
アルバムの締めくくりは、ミェチスワフ・ヴァインベルグ[1919-1996]の『トランペット協奏曲』。ショスタコーヴィチと深い友情で結ばれた作曲者の人間的な苦悩と皮肉、そして希望が交錯する傑作です。
ヘルセットにとってこの録音は、16歳でハイドンの協奏曲を共演したベルゲン・フィルとの「原点への帰還」でもあります。「このオーケストラと録音することは特別な意味がありました。ペトル・ポペルカはリスクを恐れず、音楽に自由と冒険心をもたらしてくれる指揮者。まさに私が望んでいた録音環境でした」と語ります。本作は、トランペットの華やかさ、温かさ、そして人間的な深みを余すところなく伝える1枚。技巧を超えた「歌うトランペット」の真価を示す、ヘルセットの新たな代表作といえるでしょう。
クラシック、ジャズ、アンサンブルと多彩に活躍するヘルセットは、ノルウェー・グラミー賞「ニューカマー・オブ・ザ・イヤー」(2007)やエコー・クラシック賞(2013)など数々の賞を受賞。2007年オスロ・ノーベル賞ガラ・コンサートのオープニングも務め、世界中で注目を集めました。(輸入元情報)
【収録情報】
● アルチュニアン:トランペット協奏曲
● ペンデレツキ:トランペット小協奏曲
● アルチュニアン:主題と変奏
● ヴァインベルグ:トランペット協奏曲 Op.94
ティーネ・ティング・ヘルセット(トランペット)
ベルゲン・フィルハーモニー管弦楽団
ペトル・ポペルカ(指揮)
録音時期:2024年8月14-16日
録音場所:ノルウェー、ベルゲン、グリーグ・ホール
録音方式:ステレオ(DXD 24bit/352.8kHz)
国内仕様盤(解説日本語訳&日本語曲目表記オビ付き)