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誕生日の子どもたち

Truman Capote

User Review :5.0
(1)

Product Details

Genre
ISBN/Catalogue Number
ISBN 13 : 9784167705718
ISBN 10 : 4167705710
Format
Books
Publisher
Release Date
June/2009
Japan
Co-Writer, Translator, Featured Individuals/organizations
:

Product Description

カポーティと村上春樹がおくる、イノセント・ストーリーズ6篇。やがて失われる少年の、汚れなき世界を収めた宝石箱の1冊。

Content Description

「私が泣くのは大人になりすぎたからだよ」。かつて悪意の存在を知らず、傷つけ傷つくことから遠く隔たっていた世界へカポーティは幾度となく立ち返ろうとした。たとえその扉はすでに閉ざされていようとも。イノセント・ストーリーズ―そんな彼のこぼした宝石のような逸品六篇を、村上春樹が選り、心をこめて訳出しました。

【著者紹介】
トルーマン・カポーティ : 1924‐84。ルイジアナ州ニューオーリンズ生まれ。1946年、19歳のときに発表した「ミリアム」でO・ヘンリー賞を受賞、48年には長編小説「遠い声 遠い部屋」を刊行し、早熟の天才、恐るべき子供(アンファン・テリブル)と注目を浴びた。「夜の樹」「草の竪琴」「ティファニーで朝食を」を経、66年、「冷血」でノンフィクション・ノベル流行の先鞭をつけたが、晩年はアルコールと薬物中毒に苦しみ、心臓発作により知人宅で急死した

村上春樹 : 昭和24(1949)年京都市生まれ。作家(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

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村上春樹の訳書をかなり読んできたが、今の...

投稿日:2021/07/29 (木)

村上春樹の訳書をかなり読んできたが、今のところ、これが最高傑作。村上自身の小説よりもはるかに透明度の高い名文を楽しめる。切なく温かく、ときには苦く冷酷なカポーティの世界は本当に素晴らしい。

座頭 さん | 兵庫県 | 不明

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Book Meter Reviews

こちらは読書メーターで書かれたレビューとなります。

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  • ちなぽむ and ぽむの助 @ 休止中

    カポーティの描く世界の無垢さ、美しさ、そしてそれが故の残酷さ。表題作含む4作品は連作になっていて、作者の子ども時代の思い出が描かれている。秘密の場所の大きな樅の木、引いて歩く草原。朝から焼く沢山のフルーツケーキ。それがもう戻らないと知っているから、戻らない思い出はいつだってあたたかく美しく、幸せであるほど少し悲しい。 子ども時代の作品もどれも素敵だったけど、圧倒的に好きなのは「無頭の鷹」。少女が連れてくる不吉な予感、独特の春の狂気をはらむ空気、どちらが正常か判断が曖昧になる感じと震えるほど美しい文章。

  • ヴェネツィア

    カポーティの半自伝的な作品を中心に集めたもの。特に表題作以下、最初の4篇は連作短編風になっている。村上春樹の「訳者あとがき」では、「イノセンス」を共通のテーマと捉えているが、たしかに、バディと呼ばれる「僕」と、親友のスック(60過ぎの従姉)とは、まさしく「イノセンス」の形容にふさわしい存在だと思う。感受性が豊かで傷つきやすい「僕」。そして、生活の細部までバプティストとしての信仰に裏打ちされたスック。1930年代のアメリカ深南部、アラバマの田舎町を舞台に物語は展開していくが、この風土の空気感がすばらしい。

  • おしゃべりメガネ

    果たしてカポーティだからなのか、村上春樹さんの訳だからなのか、私には読みやすい作品ではなかったと感じました。とにかく、文章が長く、キレというかテンポにのれず、ただダラダラと読了してしまった感は否めません。「バディー」と親友「スック」の物語はココロが和むものもありますが、表題作は正直何が何だかサッパリな感じに。やはり向こう(海外)の青春ノスタルジーな作風は、文化の違いからなのか私にはハマらず、ただただ不思議と読んでたのが実態です。読むタイミングが悪かったとしか思えないので、またの機会に作風を楽しめたらなと。

  • lily

    幼少期の女々しかったカポーティは大人になっても結局骸とした愛に報われず、心冷えたままだったのかもしれない。しかし、この短編がカポーティ本人によって執筆されたものか疑わしい見方があることには驚き。確かに、卵のように円やかな波長には違和感がある。

  • buchipanda3

    訳者による選集。実はほとんど既読(別訳含む)だが再読で良さを改めて感じた。収録作には題名に誕生日や感謝祭など子供心をくすぐる言葉を含む作品が多い。それらは子供目線から見た世界が描かれ、物事をあるがままに捉えていた頃を懐かしく回想する大人の著者の感情が見え隠れする。それは大切なものを手放すことへの抵抗、あるいは取り戻したいという気持ちでは。それを示すかのように唯一大人目線の「無頭の鷹」では混迷する自我の苦悶が描かれる。表紙の写真は20代前半の著者。あどけなさの残る表情の中にどんな思いを抱えていたのだろう。

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