Imidiwan Companions

21世紀のワールド・ミュージックの最高傑作と言われた『アマン・イマン〜水こそ命』から２年。いま世界でもっとも注目されるグループ、ティナリウェンの新作がとうとう完成しました。今回のタイトルは「イミディワン」。タマシェック語で「友人」「仲間」といった意味の言葉です。
ご存知のようにティナリウェンは『アマン・イマン』の発売後、世界ツアーを敢行。ここでバンドは大きく成長しました。昨年発売されたＤＶＤ『ライヴ・イン・ロンドン』でもそんな彼らの成長ぶりを見ることができますが、このアルバムはそこで成熟したサウンドにさらに磨きをかけたような内容。もはや王者の貫禄すら感じさせるティナリウェンです。

今回のアルバムのテーマは、ルーツ回帰。そして砂漠への帰還です。これまでは往復１週間もかけてマリの首都バマコに遠征してアルバムを録音してきましたが、今回はメンバーたちが住む南サハラの町トゥサリットにモービル・スタジオを持ち込んでの録音。砂漠の特設スタジオで時間をかけて録音できたことは、当然サウンドにも反映します。リラックスした中に、これまで以上に大きなうねりを感じさせるバンド・サウンドはこうして生まれました。
また前作『アマン・イマン〜水こそ命』はジャスティン・アダムズのプロデュースもあって、ロック的なアプローチが成されていましたが、今回はあくまで素顔のティナリウェンです。これはもちろん彼らの自信のあらわれ。素顔と言っても、以前とはスケールが違います。大きくうねるサウンドと呪術的な歌声は、ますます味わい深く、前作以上に聞き込める内容に仕上がりました。