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ブッデンブロ-ク家の人びと 下

Thomas Mann

Product Details

Genre
ISBN/Catalogue Number
ISBN 13 : 9784003243336
ISBN 10 : 4003243331
Format
Books
Publisher
Release Date
November/1969
Japan
Co-Writer, Translator, Featured Individuals/organizations
:

Content Description

一家の、かつての明るい健康な気風は徐々に頽廃的なものに変ってゆく。トーマスにとってとりわけ息子の繊細な心と弱々しい肉体は気がかりであった。少年はわが家の系図を見つけ、その末尾にある己れの名の下に線を引く、他愛ない悪戯心からだったのだが。

(「BOOK」データベースより)

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Book Meter Reviews

こちらは読書メーターで書かれたレビューとなります。

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  • ケイ

    男達がみな崩れ落ちていってからの女達の行動や考え方に、女の芯の強さと柔軟性とを見せつけられた。この一家がどうなるかは上巻より想像が出来る。とは言え、その行き着く先より、寄せてくる出来事に対し彼らがどう考えどう行動するかを見るのが興味深かった。トーマスマンの若い時の作品らしい。難しい思想や表現に凝り固まっておらず、ゾラやバルザックを読んでいるような感覚を持った。調べてみると、作者自身の一家がモデル。「魔の山」だけでなく、日本でもこの作品をマンの代表作の一つとしてもっと紹介されて良いと思う。

  • nobi

    1000頁を超えるまた息の長い文章には、同時代のマーラーの交響曲の緩徐楽章の深く美しい儚さの趣きがある。いずれも新世紀への期待よりは19世紀が去ってゆくことへの郷愁という時代の気分が齎した作品?それがブッデンブローク家の栄華から没落へ、一人一人の成長から衰弱と死へ、夏の海辺での休暇の解放感から終わりゆく虚しさへ、という風景に重なる。最初から酔いしれたのでもないし台本の棒読みのように感じた会話文にも違和感はあったけれど、没落衰弱へと向かう惨めさとこの上なく優雅なひとときとの不思議な混淆の世界が広がっていた。

  • スプーン

    一家の繁栄と衰退の物語。家族を家族たらしめているもの、それは、喜怒哀楽の積み重ねである。

  • 星落秋風五丈原

    【ガーディアン必読1000冊】本編は最終巻として“変わるもの”“変わらぬもの”“変われぬもの”が交錯する。さしずめイーダのブッデンブローク家への愛情は“変わらぬもの”、ブッデンブローク家全体は“変わるもの”であるが、“変われぬもの”が足を引っ張る。その筆頭がトーニとクリスチアンという当主の弟妹だ。二度の結婚に破れたトーニが最後に望みを賭けた娘エーリカの結婚だったが、夫ワインシェンクは罪に問われる。「夫に持参金を」病弱な娘クララの願いをトーマスに黙って叶えるコンスル老夫人と、仕事が続かない弟クリスチアン。

  • みつ

    この巻ではトーマスとハンノの父子が中心。ハンノが一家の家系図に書き入れたもの(p27)は、一家にやがて来る運命を予見する。長い歴史を持つ一家の邸は、先代コンズルの老夫人の死とともに売りに出される(p146)。病弱なハンノが飲む肝油(p163)のくだりは、20代の初読の際、自分も少年期に「肝油ドロップ」という(今で言う)グミ状の薬(肝油よりはずっと飲みやすい)を摂取していたいた記憶が蘇ったもの。ハンノの学生生活及びそれに続く夏休みの日々の精彩に充ちた描写は、この老成した作が25歳で書かれたことを実感。➡️

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