Books

灯台からの響き

Teru Miyamoto

User Review :4.0
(1)

Product Details

Genre
ISBN/Catalogue Number
ISBN 13 : 9784087717013
ISBN 10 : 4087717011
Format
Books
Publisher
Release Date
September/2020
Japan

Content Description

本の間から見つかった、亡き妻宛ての古いハガキ。
妻の知られざる過去を追い、男は灯台を巡る旅に出る――。
地方紙で連載されていた人気作、待望の書籍化!

板橋の商店街で、父の代から続く中華そば店を営む康平は、一緒に店を切り盛りしてきた妻を急病で失って、長い間休業していた。ある日、分厚い本の間から、妻宛ての古いはがきを見つける。30年前の日付が記されたはがきには、海辺の地図らしい線画と数行の文章が添えられていた。差出人は大学生の小坂真砂雄。記憶をたどるうちに、当時30歳だった妻が「見知らぬ人からはがきが届いた」と言っていたことを思い出す。なぜ妻はこれを大事にとっていたのか、そしてなぜ康平の蔵書に挟んでおいたのか。妻の知られざる過去を探して、康平は旅に出る――。
市井の人々の姿を通じて、人生の尊さを伝える傑作長編。

【著者略歴】
宮本輝(みやもと・てる)
1947年兵庫県生まれ。77年「泥の河」で太宰治賞、78年「螢川」で芥川賞を受賞。87年『優駿』で吉川英治文学賞を受賞。2004年『約束の冬』で芸術選奨文部科学大臣賞文学部門、09年『骸骨ビルの庭』で司馬遼太郎賞を受賞。著作に、「流転の海」シリーズ、『水のかたち』『田園発 港行き自転車』『草花たちの静かな誓い』など。10年秋、紫綬褒章受章、20年春、旭日小綬章受章。

Customer Reviews

Comprehensive Evaluation

★
★
★
★
☆

4.0

★
★
★
★
★
 
0
★
★
★
★
☆
 
1
★
★
★
☆
☆
 
0
★
★
☆
☆
☆
 
0
★
☆
☆
☆
☆
 
0
★
★
★
★
☆
一枚のはがきをきっかけに、各地の灯台を巡...

投稿日:2021/04/10 (土)

一枚のはがきをきっかけに、各地の灯台を巡り始めた中華そば屋の主人公。はじめての一人旅のワクワク感が伝わってきます。もう少し、感動的なクライマックスを期待していましたが……。伊良湖岬灯台で転倒、骨折。現地に足を運びたくなりました。

akb009 さん | 愛知県 | 不明

0

Book Meter Reviews

こちらは読書メーターで書かれたレビューとなります。

powered by

  • ミカママ

    相変わらず悪人の出てこない、優しい作品。輝りん、年齢を重ねられてますます、人生にてとりこぼしてきた事柄を丁寧に掬っていくような作品に、キレが出てきているように思う。主人公が「幸福」について想いを馳せるシーンでは、読者も惹き込まれること請け合いだろう。そうか、灯台の活躍はそう遠くない将来、なくなっていくのか。最後に訪問したのはカウアイ島だったかな、なんてことを思いながら読了。

  • starbro

    宮本 輝は、永年に渡って新作をコンスタントに読んでいる作家です。テーマや内容は好いのですが、若い頃に比べるとキレがなくなっている感じがしました。ちょうど伊勢志摩旅行の最中に読みましたが、偶然にも伊勢志摩、英虞湾が少しだけ登場しました。 https://www.bungei.shueisha.co.jp/shinkan/toudaikaranohibiki/

  • ウッディ

    二人で中華そば屋を営んでいた妻が急死し、長らく店を閉めていた康平は、本に挟んであった妻宛ての葉書を見つける。灯台の事を記した見知らぬ人からの葉書をきっかけに、灯台巡りの旅に出た康平は、娘と息子とあらためて向き合い、妻の秘密にたどり着く。久々に読んだ宮本輝さんの小説は、しみじみと温かい物語でした。灯台を見つめながら康平の口から洩れる独り言が、まるで妻蘭子に語りかけているようで、亡き妻への深い愛情が感じられ、葉書の真相も素敵でした。こんな風にいつか灯台巡りをしてみたい。面白かったです。

  • いつでも母さん

    あぁ、いい物語を読みました。丁寧に紡がれた人間の来し方が、中華そば店を営む康平と亡き妻・蘭子や関わり合った人々から伝わりました。時に康平の子どもになり(特に娘)時に親友・トシオやカンちゃんの息子・新之助になったりして、灯台を巡る旅に同行していました。蘭子さん凄いです。貴女は15歳の時から一人の人間の芯の部分を、宿痾を見つめていたのですね。滋味に溢れ、心凪ぎる読後感でになりました。食べるシーンも美味しそうで、特に康平の作る中華そばと中華スープの炊き込みご飯はそそられました。お薦めです。

  • じいじ

    亡き妻の過去を追想する、ラストの30ページは素晴らしい。読了して2時間たっても、その昂奮と感動の余韻から抜け出せません。人情味あふれる東京・板橋の旧宿場町で、二代にわたって中華そば屋を切り盛りする老夫婦の物語。二人の人柄が何とも言えません、惚れ惚れします。とりわけ三人の子供たち(息子2人、娘1人)に接する父親に自分を重ねて、共感したり反省をした。先立たれてわかる妻の存在価値、有難さである。この小説、今年のマイベスト1です。

レビューをもっと見る

(外部サイト)に移動します

Recommend Items