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慈雨の音 流転の海第6部

Teru Miyamoto

Product Details

Genre
ISBN/Catalogue Number
ISBN 13 : 9784103325154
ISBN 10 : 4103325151
Format
Books
Publisher
Release Date
August/2011
Japan

Content Description

御成婚や安保に沸く昭和30年代。松坂熊吾の駐車場経営は軌道に乗り、息子伸仁が思春期を迎える中、数々の因縁があった海老原太一が自殺…。戦後の時代相を背景に作者自らの“父と子”を描くライフワーク。

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Book Meter Reviews

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  • 遥かなる想い

    昭和34年前後の大阪を描く。宮本輝が自分の父を描いてきたこのライフワークとも言える「流転の海」も第六部。出だしの頃の切れはないが、だんだん優しく温和な表現に変わってきている気がする。時代背景としての北朝鮮帰国や経済成長の息吹は感じられ、なぜか懐かしい。

  • ケイ

    伸仁が思春期の入り口にかかり、成長著しい巻。熊吾はモータープールの管理人業と共に中古車の商売も見据えられるようになる。糖尿病も再び悪化するが、まだまだ元気だ。房江はお酒が増えたり、中年の疲れのようなだらしなさが出てきたようだ。北朝鮮に帰国する人達が新潟から出る船に乗るために、大阪駅から集団で随分と物々しい中を出発したのだなと驚いた。皇太子の結婚、オリンピック準備のための出稼ぎなど、当時の世相と絡めてあるので、熊吾達の生活も想像しやすい。早く次を読みたいが一体いつになるのだろう。

  • それいゆ

    昭和34年4月、小学校から帰るとテレビが届いていて、村田英雄が王将を歌っていました。皇太子殿下ご成婚パレードの数日前でした。この頃テレビがあるのは散髪屋だけでした。月光仮面やプロレスの放送時刻になると人が押し寄せていました。秋には伊勢湾台風が襲来し、屋根瓦が飛んでくる中を塀に板を打ち付けました。全校朝礼で校長先生が新潟から北朝鮮に帰る児童を紹介してくれました。くぎで陣地取りをする遊びは「ぶったて」とよんでいました。伝書鳩を飼っている子はとても羨ましかったです。私と伸仁の日常は重なる部分がいっぱいです。

  • KEI

    大河小説第6部。最終巻はずいぶん前に刊行されているのだが、急いで読み進めず、ゆっくり読んでます。ということで、登場人物の人間関係を忘れていて、ネットで調べながら冒頭は読みました。今巻は主人公の子供がようやく中学生、登場人物の死などあるのだが、62歳の主人公の奮闘、子供への慈しみなどで特別何があるわけでもないが読ませます。

  • B-Beat

    ◎シリーズ第6作。作者の自叙伝ともいうべき物語も第1巻の昭和23年に生まれた子供は中学生になり「この子が20歳になるまでは死ねない」とした主人公は62歳の昭和35年までたどり着いた。この巻もこれまでと同様に主人公家族の激動の時代を真摯に生き抜いていく姿や縁ある人々の盛者必衰な様が淡々と描かれていた。ただこの巻の結末の「名刺」の人物についてはもう一度第1巻から読み直さないと作者の意図を読み切れなかったような。単に自分の記憶力と読解力が足りないということかもしれないけれど。

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