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伝統との対決

Taro Okamoto

Product Details

Genre
ISBN/Catalogue Number
ISBN 13 : 9784480093738
ISBN 10 : 4480093737
Format
Books
Publisher
Release Date
March/2011
Japan
Co-Writer, Translator, Featured Individuals/organizations
:

Content Description

『今日の芸術』に続いて1956年に刊行された『日本の伝統』もたちまちベストセラーとなった。法隆寺壁画焼失のわずか数年後「法隆寺は焼けてけっこう」「自分が法隆寺になればよいのです」と言い放った太郎に対し、巷は賛否の渦で騒然となる。西洋への追従の裏返しとしての「伝統主義」を真っ向から否定し、縄文の美を発見し、雪舟の絵に挑みかかった50年代から60年代、岡本太郎は一画家から完全に脱皮し、独自の思想を背景にもつスケールの大きな芸術家へと変貌を遂げる。本巻ではその軌跡を追い、彼がこの時期集中的に「対決」した「日本の伝統」とは何だったのかに迫る。

目次 : 縄文土器論―四次元との対話/ 日本の伝統/ 雪舟は芸術か/ 伝統論争(対談)/ 日本再発見―芸術風土記/ 伝統と創造/ 伝統と現代造形/ 伝統とは何か

【著者紹介】
岡本太郎 : 1911‐96年。父は漫画家・岡本一平、母は作家・岡本かの子。29年渡仏、抽象芸術、シュルレアリスムの運動に参加。パリ大学で民族学、哲学を学び、バタイユらと活動を共にした。40年に帰国、42年中国戦線に出征。46年に復員後、花田清輝らと「夜の会」を結成し、アヴァンギャルド芸術を推進した。『今日の芸術』『日本の伝統』はベストセラーとなった。70年、大阪万博テーマ館のプロデューサーとして「太陽の塔」を制作。以後、テレビをはじめとするあらゆるメディアを通じて発信と行動をつづけた(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

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Book Meter Reviews

こちらは読書メーターで書かれたレビューとなります。

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  • roughfractus02

    伝統への批判的エッセイや対談を収録した本書は、「対決」の姿勢が二次的に派生する著者の感覚の論理を示唆してくれて興味深い。「法隆寺は焼けてけっこう」と言い放つ著者は、明治期に「伝統」なる語で歴史の中に美を封じ込めた官製美術史を超えて、「対立」を作る自己と対象という意識の範囲内に法隆寺の美が制限される点を問う。また、縄文の美は対象として讃えられるのではなく、対象としての制約を破棄し、無意識を触発する美の力を触発するゆえに讃えられる。民芸は制約としての対象に固執していると批判される。「自分が法隆寺になればいい」

  • なおた

    地元読書会 https://kayoudokusyokai.mystrikingly.com/ にて、1月度の発表内容を「岡本太郎」の書籍から...と決めて、図書館から 13冊の本を貸出してきた。全5冊のシリーズ、1〜3だけ蔵書されていたので、今、わたしの手元にある。目次に「縄文土器論」と「日本の伝統」がある。すこぶる「縄文土器論」が興味深い。当初は『今日の芸術』で読書感想を発表しようと思ったが、こちらのほうが短文で、かつ力強さがある。「縄文土器論」、捨てがたし...。

  • 伝統の捉え方に大きな一石を投じる書物。巷にはびこる「伝統」という価値観が、捏造されたものである事を暴き出そうとする。過去の権威を保身の手段とし、今を生き現在の芸術を創造できない人間を辛辣に批判する。彼が特に憎悪するのは職人的・ギルド的な「芸」のあり方だが、彼は「芸」と「芸術」をはっきり区別する必要性を説く。いかにこの二つを混同している人が多いことか。俺も落語などの伝統芸能を見て、その形式ばったつまらなさに失望した覚えがある。伝統は守るものではなく、乗り越え、創造するものであるという彼の言葉がことさら響く。

  • ラウリスタ〜

    具体的な日本の「伝統」に対して喧嘩を売り続けるのが、この作品。ばっさりと批評家の文章を否定したりと、こっちがひやひやするほど傍若無人。それでいて、完全否定したその批評家と対談をやって、「文章を理解できないのはあなたの頭が悪いからでしょうね」なんてことをいっちゃう。身近にいたむかついて一生口を利きたくないけど、周りもそういう人だと思って諦めている。ただ、その諦めが太郎をさらに怒らせる。彼の怒りは日本を変えられない。まさに暖簾に腕押し。

  • J. Tamura

    そもそも伝統という言葉自体、明治期に英語のTraditionを翻訳して登場し、昭和期から流布されたことを初めて知った。著者の熱さは変わらずも、日本の芸術や風土を徹底的に調査分析した、かなりアカデミックな内容になっている。日本庭園に対する考察の紙幅が広く取られており、時代を経るにつれ矮小化していったことや庭における石の扱い、自然と人工物のせめぎ合いがいかに必要かなど、今までにない示唆に溢れていて興味深かった。日本再発見も、著者の視点がリアルに感じられて面白い。

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