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国際経済システムの再編 文春新書

Takashi Nakano

Product Details

Genre
ISBN/Catalogue Number
ISBN 13 : 9784166615032
ISBN 10 : 4166615033
Format
Books
Publisher
Release Date
July/2025
Japan

Content Description

突然の関税措置で世界を混乱に陥れたトランプ。その背景には基軸通貨ドルに関する不満があった。アメリカの目的は国際経済システムを再編することなのだ。現在の経済システムの構造、それを生み出した潮流を踏まえ、これから到来する「覇権国家なき世界」のかたちを考察する。

目次 : 第一章 マールアラーゴ合意/ 第二章 通貨とは何か/ 第三章 基軸通貨国の特権/ 第四章 グローバル・インバランス/ 第五章 テクノ・リバタリアンと暗号通貨/ 第六章 トランプ・ショック後の世界

【著者紹介】
中野剛志 : 評論家。1971年生まれ。専門は政治経済思想。1996年、東京大学教養学部(国際関係論)卒業。エディンバラ大学大学院に留学し、2005年に博士号を取得。著書を通じて、以前よりグローバリズムについて警鐘を鳴らしつづけてきた(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

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Book Meter Reviews

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  • 読特

    ブレトン・ウッズ体制を崩壊させたニクソン・ショック。冷戦の終結。東側諸国も巻き込む自由貿易圏の構築。世界は新自由主義の道を突き進んだ。資源供給国としてのロシア、巨大な消費市場を持つ中国の台頭。相互依存によって紛争を回避しようとする理想は、依存の重要性の偏りという現実の下に崩れた。トランプ政権による関税引き上げも、新自由主義の枠組みの中で踊っているだけである。故に失敗し、基軸通貨としてのドルの弱体は一層進む。米中は力関係が接近し、第二次冷戦が到来する。世界は主流派経済学の過ちに一刻も早く気付かねばならない。

  • ta_chanko

    新自由主義は商品貨幣論にもとづく誤った経済思想。トランプ政権による関税と安全保障の脅しも、EUによる緊縮財政も同様。信用創造によって貨幣が生み出され、負債が返済されると貨幣が消滅するという信用貨幣論によれば、財政赤字や貿易赤字の拡大は、必ずしも悪いものとは言えない。本当の問題はドルが基軸通貨の地位を失いつつあるということ。ロシアに対する経済制裁の結果、却ってドル離れが進み、ルーブルや人民元による国際決済の割合が増加してきている。それを支持するのがグローバル・サウスの国々。

  • メタボン

    ☆☆☆☆ 示唆に富む良書。トランプの関税問題にある背景について、新自由主義の批判も交えて論じている。アメリカの経済指標が変化しない限りトランプの行動は変わらない。トランプショックの本質は関税ではなく通貨。各国は外貨準備としてドルを保有しておく必要があるため、ドルは準備通貨としての需要が常にあり、国際貿易の需給の均衡点より高く評価される。マールアラーゴ合意の目的はドルを切り下げアメリカの製造業の競争力を強化するよう国際経済システムを作り変えること。トランプショックとニクソンショックには共通性がある。

  • 日の光と暁の藍

    トランプが関税の上げ下げによって何をしようとしているのか。このことに疑問を持つ人に是非読んでみて欲しい一冊だ。トランプ関税の裏の目的。それは、ドル安誘導によりアメリカ国内製造業の雇用を増やすことだけではない。マールアラーゴ合意によるドル安と国際通貨体制の再編がトランプの狙いだと著者は主張する。ミラン論文を元に、ドル安の弊害とその弊害の回避方法をトランプ政権がどう行おうとしているか。また、トランプの経済政策の著者の悲観的予想など読み応えがあった。国際通貨体制の歴史的大再編に立ち会っている今こそ読むべき一冊。

  • Emkay

    関税政策の裏にある、ドルの切り下げによる世界貿易システム再編というトランプ政権の目論見を、ワシントンの現場感覚とアカデミックな理論の両方から解説する啓蒙的な内容。関税収入を増やし、他国にドル安を飲ませることが主目的であり、国内産業の保護は二次的なものだとする指摘が一番興味深かった。ドル高によって米国の産業競争力が損なわれているという認識が、トランプ政権に強いという。著者は新自由主義に対して批判的であり、それを礎に一連の政策が成功確率が低いという立場をとるが、批判の根拠が過度に理論的という印象を持った。

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