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死に魅入られた人びと ソ連崩壊と自殺者の記録

Svetlana Alexievich

Product Details

ISBN/Catalogue Number
ISBN 13 : 9784905821298
ISBN 10 : 4905821290
Format
Books
Publisher
Release Date
June/2005
Japan
Co-Writer, Translator, Featured Individuals/organizations
:

Content Description

【2015年ノーベル文学賞受賞】

【著者紹介】
スヴェトラーナ・アレクシエーヴィチ : 1948年、母の故郷ウクライナに生まれ、その後父の故郷ベラルーシに移り住む。国立ベラルーシ大学ジャーナリズム学部を卒業後、地元の新聞社などではたらいたあとジャーナリストとして独立し、1983年執筆の『戦争は女の顔をしていない』から一貫して人びとの心の声や小さな記憶を集めて伝えるドキュメンタリーを発表しつづけている。原発事故に巻き込まれた人びとを取材した『チェルノブイリの祈り』(岩波書店)をはじめ、『アフガン帰還兵の証言』(三浦みどり訳、日本経済新聞社)、『ボタン穴から見た戦争』(三浦みどり訳、群像社)がすでに邦訳され、テレビの対談番組やチェルノブイリ救援団体の招きによる日本各地での講演のために二度来日している。『戦争は女の顔をしていない』はソ連時代にタガンカ劇場などが舞台化し、本書『死に魅入られた人びと』は著者自身のシナリオ化によりモスクワで映画化された。すでに国際的な評価も定着し、毎年世界のすぐれたジャーナリストを対象におくられるユリシーズ賞の選考委員もつとめている

松本妙子 : ロシア語翻訳家(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

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Book Meter Reviews

こちらは読書メーターで書かれたレビューとなります。

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  • ケイ

    その重さに、少しずつしか読み進められなかった。きっかけは何だったか。ペレストロイカ?対イラクへの米ソの共同路線?ベルリンの壁の崩壊は、共産主義からの解放、ソビエトの民主主義か。自由な独立国の成立…、のようにこちらからは見えていたのだ。民族紛争の凄まじさはあるにしても、それは抑えつけられてきたものが飛び出す時の爆発のようなものかと。しかし、それに耐えられないもの達の多かったこと。ソ連の解体は、自らが持ち得た希望の崩壊としか見えず、絶望に取り残された人たちがいた。その絶望感は若者をも飲み込んだのだろうか。

  • りー

    共産主義について知識があっても、その中で、思想そのものが命を左右するほどの影響を受けて生きた人々の言葉に僕らはどの程度耳を傾けた事があるだろう。実現可能性を棚上げすれば、僕はフーリエのファランジュやラファティのカミロイ人なんかが好きで、どちらかといえば共産主義寄りな嗜好なので、ただ誰もが幸せになれるという理想を追い求めて生き、その理想を奪われてしまった彼らの絶望を思うとゾッとしてしまう。ここ最近のノーベル文学賞の中では目立たないし絶版本ばかりだけれど、今の日本でこそ読まれて欲しい作家だと思う。

  • ヘラジカ

    アレクシエーヴィチの作風は、同じく旧ソ連圏のジャーナリスト、カプシチンスキが言うところの文学的コラージュである。共産主義体制が崩壊した変革の時、理想郷を夢見ていた人々は如何にして死と見つめ合ったか。少年から老人まで老若男女の自殺者(或いは未遂者)とその周囲の声を取り上げ、ソ連崩壊とそれに関連する死の実態を浮かび上がらせようとしている。例によってその声はどれもが壮絶で凄まじい。死を選ぶことが人生で初めて味わう自由であった、という言葉に何を思えば良いのだろうか。

  • kei

    先に読んだ『セカンドハンドの時代』(2013年発行)と一部重複しているため内容は頭に残っていましたが、受ける印象はかなり異なります。著者のことば「こわい。そう、私は自分のこの本が怖い。」(P5)とあるように、インタビューされる全員から感じるのは「個人的な恐怖」です。対して『セカンドハンドの時代』は人が生きている国そのものを感じました。読みやすいのは本書です。『セカンドハンドの時代』は複数の人物のインタビューが交錯していてなかなか読み進められなかったです💦

  • くさてる

    ソ連崩壊直後の混乱のなか、自ら死を選んだ人々へのインタビュー集。もちろん、亡くなった当人には直接インタビューできないので、対象になっているのは未遂者と周辺の人々。世界の変化がどれだけの人々の人生を崩壊させたのか、読んでいて辛いのはもちろんだけど、それ以上にその肉声の重みに圧倒された。15年前に発行された本なので仕方ないかもしれないがソ連崩壊とその影響、登場する人々の背景にある歴史的事実などの解説もあればより内容を深く理解できた気がした。

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