Stabat Mater : Fasolis / I Barocchisti, Bartoli, Behle, Fagioli, J.Pregardien, Vitale

ステッファーニ：『スターバト・マーテル』
バルトリ＆ファゾリス・コンビによる宗教作品

聖職者に扮した写真でも話題となったバルトリのステッファーニ作品集第２弾は宗教作品集。ステッファーニの『スターバト・マーテル』は、冒頭からたちどころに引き込まれる非常に美しい作品で、澄み切った哀悼の心情が聴き手の心を打つ傑作です。
　組み合わせの6作品はどれも世界初録音となるもので、研究熱心なバルトリの取り組みが見事なアルバムに実を結んでします。

【スターバト・マーテルの新たな名盤】
『スターバト・マーテル』は、教会音楽史に残る傑作とされていますが、作曲家の知名度が低いこともあってか、これまでにレオンハルトやクリストファーズの録音がリリースされていたくらいだったので、新しい録音の登場は歓迎されるところです。
　バルトリの哀感漂う清澄な独唱、祈りの心を込めて真摯に歌い上げる合唱、そしてオーケストラが織りなすポリフォニーがあいまって壮麗な祈りの世界をつくりあげています。
　カウンター・テナーに、オペラの分野で最近めざましい活躍を続けるフランコ・ファジョーリ、テノールにクリストフ・プレガルディエンの息子のユリアン・プレガルディエンが参加しているのも注目されます。

【アゴスティーノ・ステッファーニ】
アゴスティーノ・ステッファーニ[1653-1728]は、ヘンデルやバッハよりも少し前の時代に活躍した人物。ヴェネツィアの聖マルコ大寺院の少年聖歌隊員だった13歳の時に、その美声を見出されてミュンヘンへ行き、バイエルン選帝侯の庇護のもと、当地でさまざまな教養を身につけました。のちにその才能を発揮し、作曲家としてだけではなく、オルガン奏者、外交官、またカトリックの聖職者としても活躍。作品はオペラが中心で、当時としてはかなり斬新な作曲技法を用い、同時代の劇音楽に強い影響を与えたと言われています。（ＨＭＶ）

【収録情報】
ステッファーニ：
・スターバト・マーテル
・Beatus Vir
・Non Plus Me Ligate
・Triduanas A Domino
・Laudate Pueri
・Sperate in Deo
・Qui Diligit Mariam

　チェチーリア・バルトリ（メゾ・ソプラノ）
　フランコ・ファジョーリ（カウンターテノール）
　ダニエル・ベーレ（テノール）
　ユリアン・プレガルディエン（テノール）
　サルヴォ・ヴィターレ（バス）
　スイス・イタリア語放送合唱団
　イ・バロッキスティ（ピリオド楽器オーケストラ）
　ディエゴ・ファゾリス（指揮）

　録音時期：2013年6月
　録音場所：スイス、ルガーノ、スイス・イタリア語放送、オーディトリオ・ステリオ・モロ
　録音方式：ステレオ（デジタル／セッション）