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期待と回想 ちくま文庫

Shunsuke Tsurumi

Product Details

Genre
ISBN/Catalogue Number
ISBN 13 : 9784480437921
ISBN 10 : 4480437924
Format
Books
Publisher
Release Date
February/2022
Japan

Content Description

「私は不良少年だった。」―1937(昭和12)年、15歳で留学したアメリカで、新しい哲学運動と出会い、1942(昭和17)年、敵性国人の無政府主義者の疑いで逮捕され、交換船で帰国。バタビアで軍属として戦争を体験。戦後の「思想の科学」「べ平連」での活動、読書の魅力、同時代の知識人について等を、対話形式で語りつくす。哲学者による思索的自伝。生誕100年記念再刊。

目次 : 1 アメリカ哲学と出会う/ 2 かるたの思想/ 3 記号のプラグマティズム/ 4 転向について/ 5 意志のあるところ/ 6 アナキズムは何の方法か/ 7 伝記のもつ意味/ 8 外からのまなざし/ 9 編集の役割/ 10 雑誌『思想の科学』の終わりとはじまり

【著者紹介】
鶴見俊輔 : 1922‐2015年。哲学者。1942年、ハーヴァード大学哲学科卒。46年、丸山眞男らと「思想の科学」を創刊。65年、小田実らとべ平連を結成。82年、『戦時期日本の精神史』で大佛次郎賞受賞。『夢野久作』で90年度、日本推理作家協会賞受賞。94年度、朝日賞受賞。2004年、大江健三郎らと「九条の会」呼びかけ人となる。07年、『鶴見俊輔書評集成』(全3巻)で毎日書評賞受賞。著書のほか、エッセイ、共著など多数(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

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Book Meter Reviews

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  • 踊る猫

    もちろん是非・賛否は割れるだろうが、鶴見俊輔の書くものから見えるのはある種の「柔和さ」「柔軟さ」だ。自らに対しても「悪人」「不良」と率直に刃を向け(これを、いかにもな「謙遜」「謙虚さ」のあらわれとついつい読みたくなるが、それでは鶴見の持つ「因業」「毒」を無毒化してしまう)、世界に対しても過度に自らの知性を誇示せず、かつ理知を信じすぎず愚者・弱者として対峙する。だから鶴見の書いたものは理論的に強度を誇るものというより、その考え方を参照しつつそこから読者個々人の思考を練り上げていく、実にオープンなものだと思う

  • 踊る猫

    鶴見俊輔の言葉・発言はあたたかい。そして、確かな重みをも感じる。単純に整理すれば彼の思想は「日常」の感覚を重んじ、難解な言葉や観念・概念に淫しない姿勢から来るものだ。だから悪く受け取れば学問的な厳密さを犠牲にしておおらかな和合を選ぶゆえの弊害もありうる。しかし、こうした「おおらかさ」「マチガイ主義」から来る温もりが人と人をつなぐものであることも確かであり、だからこそ鶴見俊輔のところには人が集い確かなネットワークを築き上げることができたのだろう。思想家・活動家・編集者として八面六臂の活躍を成し遂げた人がいる

  • 踊る猫

    まさに「市井の人」から生み出される思考ではないか、と思った。むろん鶴見俊輔はアメリカでプラグマティズムを学び学問的鍛錬を積んだ人だが、その鍛錬に淫しないトーシロ/アマチュアの視点を忘れず、「日常」の中にこそ思索の材料を求めていった人ではないかと思ったのだ。だからここで語られる鶴見の言葉は実に平たく明晰。「リベラル保守」の始祖的な存在として読むこともできるし、穏健にして愚鈍な左翼のパイオニアとして読むこともできる。何度も読み返して彼の姿勢を自家薬籠中の物としたい。殊に、過度に厳密さが求められる時代だからこそ

  • yoyogi kazuo

    鶴見俊輔へのインタビュー集。幼児期に母親から虐待され、大人になってからも鬱に苦しみ、常に自殺を考えない日はなかったとか知らなかった事実がたくさんあった。今の日本に欠けている本当の良識ある知識人。

  • unterwelt

    出てくる用語や人物はほとんど分からないし話も難解なのだが、どういうわけか面白く読める本というのが世の中にはあって、これはそういう本。「いまという状態で見ると、未来は自分の不安と期待が混じりあって見える。その時期から十年二十年たってから振り返って見るときには、不安と期待なしで見えるわけですから、あたかも自分に先見の明があったように書けば嘘になるでしょ。この問題なんです」(P.359)

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