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パリのパサージュ 過ぎ去った夢の痕跡 中公文庫

Shigeru Kashima

User Review :4.0
(1)

Product Details

Genre
ISBN/Catalogue Number
ISBN 13 : 9784122070653
ISBN 10 : 4122070651
Format
Books
Publisher
Release Date
May/2021
Japan

Content Description

フランス革命直後からパリに陸続と生まれたガラス天井の通り抜けを、「パサージュ」という。オペラ座、パノラマ、グラン・ブールヴァール…時代ごとの街の名所に、パリ市民を導いてきた。夢と欲望が吹き抜けたパサージュの歴史は、パリ近代化の歴史でもある。現存する19のパサージュを、フォトグラファー鹿島直の写真で辿る新しいパリガイド。

目次 : 1 パサージュへ 時間旅行の手引き(パサージュの定義/ パサージュガイド 19の散歩路/ パサージュの歴史)/ 2 パサージュ文学全集(失われたパサージュを求めて/ 現存するパサージュを読む)

【著者紹介】
鹿島茂 : 1949(昭和24)年、横浜に生まれる。東京大学大学院人文科学研究科博士課程修了。2008年より明治大学国際日本学部教授。20年、退任。専門は、19世紀フランスの社会生活と文学。1991年『馬車が買いたい!』でサントリー学芸賞、96年『子供より古書が大事と思いたい』で講談社エッセイ賞、99年『愛書狂』でゲスナー賞、2000年『職業別パリ風俗』で読売文学賞、04年『成功する読書日記』で毎日書評賞を受賞。膨大な古書コレクションを有し、東京都港区に書斎スタジオ「NOEMA images STUDIO」を開設。書評アーカイブWEBサイト「ALL REVIEWS」を主宰(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

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『 パリのパサージュ 』行ったこともなく、...

投稿日:2021/07/23 (金)

『 パリのパサージュ 』行ったこともなく、映像で少し見たことあるというくらいの場所だが、昔からなんとなく惹かれるものがあった、パサージュという言葉の響きそのものにも魅力を感じるため、この本も自然と手にしていた。するとガイドという役割よりも、文章そのものの良さに連れて行かれてしまっている。「超現実を展示するショーウィンドーであるばかりか、そのまま〜異界〜へと通じる入口でもあるのだ。」ただ訪れただけでは感じれそうもない感覚を、さらりと伝えくれている。鋭い洞察力に驚くとともに、その場所の魅力がますます気になってゆく語りだ。さらには人生で出会う何か大事なことも書かれているような気にもなる。「過去未来という時制には、予言された事実が現実に実現されたか否かにはかかわらず、いちように、もはや過ぎ去ってしまった未来の明るさに対する哀切の感情が込められている。」繊細とも思える捉え方で町の雰囲気を表していたりしては「未来系の明るさを包み込む過去形の暗さ。」と伝えていたり、通過してゆくその街並みを「時間隧道」と表現していたり、表現の見事さに感心する。文章を読むごとに、独特の町の空気感に包まれたり、空間に足を踏み入れてゆくようだ。「夢の残像」「時間的な感情の交錯」「イメージの交錯」「相反する印象の共存」実際には訪れたことのない場所を、本の世界の中で行った気分になることで存分に楽しめている自分がいる。素晴らしい内容です。

seigo-hk さん | 長崎県 | 不明

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Book Meter Reviews

こちらは読書メーターで書かれたレビューとなります。

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  • miaou_u

    オルレアン公に遡るパリのパサージュ。ベンヤミンのパサージュ論の草稿の辿った運命も悲しい。冒頭のギャルリ・ヴェロ・ドダにジュモーなどが揃うアンティックドール店を構えていた『ロベール・カピア』には、元俳優の店主と顔馴染みであったカトリーヌ・ドヌーヴがふらっとやってきて店番をしていたこともあった、という素敵なエピソードをネットで知りました✩.*˚文学作品に描かれ、文化、世相、風俗模様を映し、移り変わり、化石のように現存するパサージュの夢と欲望に渦巻き翻弄された歴史。このコロナ禍を乗り切れることを、切に願います。

  • you

    「パサージュ」っていう響き自体が痺れる。ここに出てくるホテル名どっかで聞いたことがあると思ったら、ブラタモリでやってた。いつかは行ってみたいが、この体で行けるか?カフェでカフェオレでものんびり飲んでプラプラしてみたい。パサージュはセーヌ川左岸にしかないと書いてあるが、パリ以外はそもそもパサージュと呼ばないってこと?イタリアならガレリアとか。欧州ならいろんなところにパサージュらしきものはあると思うが。。。WEBでみれる写真がいい。フランス全般の知識に乏しいので、人名・地名・歴史までついていくのは厳しい。

  • シナモン

    パリには25年くらいに行ったことがあるけど、パサージュに立ち寄った記憶がない…今度行く機会があったら現存するパサージュを見て周って「過去未来感覚」というものを味わってみたいです。 「レ・ミゼラブル」のジャン・ヴァルジャンにモデルがいたとはびっくり!

  • ちえぞー

    多分単行本の方も読んだ記憶があるのだが、自分の読書メーターに登録してないので、結構昔なのかなと思う。写真が少ないのでちょっと寂しいが、著者の語り口がやはり素敵。巻末のQRコードで未掲載の画像が公開されているらしいので、見てみようかと思う。

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