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遠い接近 文春文庫

Seicho Matsumoto

Product Details

Genre
ISBN/Catalogue Number
ISBN 13 : 9784167901882
ISBN 10 : 4167901889
Format
Books
Publisher
Release Date
September/2014
Japan

Content Description

過去の徴兵検査で第二乙種不合格、そして三十二歳となった今、兵隊にとられることはないと確信していた山尾に、召集令状が届く。この一枚の紙が、山尾のみならず家族の運命までも大きく狂わすことに。古兵の制裁にも耐え復員したが、すべてを失った山尾は、召集令状を作成した区役所兵事係への復讐を誓う。

【著者紹介】
松本清張 : 1909(明治42)年12月、福岡県企救郡板櫃村(現・北九州市)に生れる。53(昭和28)年「或る『小倉日記』伝」で第28回芥川賞を受賞。56年、それまで勤めていた朝日新聞社広告部を退職し、作家生活に入る。63年「日本の黒い霧」などの業績により第6回日本ジャーナリスト会議賞受賞。67年第1回吉川英治文学賞受賞。70年第18回菊池寛賞、90年朝日賞受賞。92(平成4)年8月死去(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

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Book Meter Reviews

こちらは読書メーターで書かれたレビューとなります。

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  • 雪風のねこ@(=´ω`=)

    著者の実体験が盛り込まれた重い展開は好き嫌いが分かれそう。ただその時代で描かれた表現ってのは学んでみる価値はある。主人公は面白い手段で計画を立てるのだけど、図に乗ってしまったかなぁという印象。よっぽど根に持っていたに違いない。いやよく辛抱したと思うんだけどね。作中に描かれている、なんとなく軽く済むだろう、戦地に行かなくても済むだろう…といった淡い期待をスッとかき消してしまうような、あたかも二度と替わることのない硬いレールに載せられているかのような絶望感は、背筋が凍りますなぁ。

  • シュラフ

    この作品では松本清張自身の軍隊経験・・・軍隊での古兵による気分次第の私刑、敗戦後の軍人による軍事物資の隠匿、など日本人の醜いさまが生々しく描かれている。赤紙1枚で軍隊にひっぱられ、辛い軍隊生活の中で常に頭にあるのは家族の安否・・・。戦争経験者たちの多くは辛い当時のことをあまり話たがらない、「戦争はもういやだ・・・」とつぶやくだけである。当時いったい何がおこっていたのか、日本人たちはどう生きていたのか、経験者でなければ語ることはできない。『永遠の0』に感動してしまうのは危険、やはり平和な世の中がいいのだ。

  • たぬ

    ☆4.5 ぐぅぅ。ムカつく。なんて腹の立つ奴なんだ安川。バレバレの詐病でサボるだけでなく超絶上から目線で罵詈雑言に理不尽な暴行に。でもこういうのに限って世渡り上手なんだよねえ。闇市の大物になってた安川に比べて自分以外の家族全員死んでしまった山尾が哀れでならないよ。実家が神田で疎開先が広島って時点ででかいフラグ立ってたけども…。数年後見事復讐を遂げるもやはり警察の眼は鋭かったね。

  • gtn

    主人公に感情移入する。日本人とは不思議な民族である。主人公と同じ目に遭った人間が戦中、戦後山ほどいたはずなのに、同種の事件をあまり聞かないのはなぜか。心が広いのか、忘却するのか、諦観するのか。

  • 黒猫

    色版画工として、6人家族を養う山尾に突如送られた赤紙。これ1枚で家族の運命を狂わし、己の人生を狂わされた山尾は、赤紙を送った人間を探していく。軍の気合いの名の下に、次々と繰り出される上官からの暴力。この辺りの描写は、著者の軍の入隊の経験に基づき書かれているため、リアリティー溢れるものだ。家族は生きる糧を失い疎開先は広島。戦後全てを失った山尾。完璧と思われた犯罪が一挙に崩れさる時、山尾は家族のもとに旅立ったのであろうか。どんな気持ちがそこにあったのか。赤紙の理不尽さを強く思わされずにいられない。名作。

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