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Fantasy, Davidsbundlertanze : Mitsuko Uchida

Schumann, Robert (1810-1856)

User Review :5.0
(3)

Item Details

Genre
:
Catalogue Number
:
4782936
Number of Discs
:
1
Label
:
Format
:
CD
Other
:
Import

Product Description

内田光子/シューマン:ダヴィッド同盟舞曲集、幻想曲

内田光子2枚目のシューマン・アルバムの通常盤(プラスチック・ケース仕様)です。曲目は『ダヴィッド同盟舞曲集』と『幻想曲』というシューマン・ファンに人気のプログラムで、近年、いっそうの深化を遂げた内田光子ならではの高度な演奏を聴かせてくれます。

【フロレスタンとオイゼビウス】
『ダヴィッド同盟舞曲集』と『幻想曲』の2作品は、シューマンのつくりだしたキャラクターである「フロレスタンとオイゼビウス」の名前が冠せらたという共通項を持っています。フロレスタンは明るく活発な「動」の状態、オイゼビウスは物静かで思索的な「静」の状態という、シューマン自身のふたつの面を表した一種の分身のようなもので、音楽批評を書くときにも使われていました。

【ダヴィッド同盟舞曲集】
シューマン27歳の年に書かれた作品。フロレスタンとオイゼビウスの性格の違いを反映した曲を中心とした18曲の小品から成り、当初は「いつの世にも喜びは悲しみと共にある。喜びにはひかえめであれ。悲しみには勇気をもって備えよ」という格言が付されていました。楽譜には初稿と第2稿があり、第2稿では格言や標題はカットされ、単に「18の性格的な小品」とされていますが、当初、各曲に付けられた標題は以下のようなものでした。
 第1曲 元気よく
 第2曲 心からの
 第3曲 何かごつごつした感じで
 第4曲 辛抱しきれず
 第5曲 単純に
 第6曲 きわめて速く、そして内向的に
 第7曲 速くなく、きわめて感情をこめて
 第8曲 生き生きと
 第9曲 ♪=126
 第10曲 バラード風に、きわめて速く
 第11曲 単純に
 第12曲 ユーモアをもって
 第13曲 荒々しく、そしてほがらかに
 第14曲 優しく歌いながら
 第15曲 元気よく
 第16曲 快いユーモアをもって
 第17曲 遠くからのように
 第18曲 速くなく

【幻想曲】
シューマン28歳の年に完成した作品。3つの楽章を持つピアノ・ソナタ風の幻想曲で、演奏時間も30分ほどかかる大規模なものです。作曲当初は、「フロレスタンとオイゼビウスによる大ソナタ」と題されていましたが、やがて削除され、シュレーゲルによる詩の一節「鳴り響くあらゆる音を貫いて 多彩な大地の夢の中に かすかな調べが聞こえる 密やかに耳を傾ける人のために」が掲げられることとなります。
 作品は、リストを中心に計画されたベートーヴェンの記念碑をボンに建造するという目的のために書かれたこともあってか、ベートーヴェンの作品の引用も含む内容となっており、当初は第1楽章に「廃墟」、第2楽章に「凱旋門」、第3楽章に「棕櫚の枝」という標題が付されていました。
 この曲は計画の中心人物であるリストに献呈されていますが、作品の内容の素晴らしさに喜んだリストはお返しとしてロ短調ソナタをシューマンに献呈したというエピソードでも知られています。(HMV)

【収録情報】
シューマン:
・ダヴィッド同盟舞曲集 作品6
・幻想曲 作品17

 内田光子(ピアノ)

 録音時期:2010年



【内田光子ショート・バイオ】
1948年 静岡県熱海市に誕生。
1960年 外交官であった父親の赴任先ウィーンで、ウィーン音楽大学のハウザー教授に師事。
1963年 ウィーンのブラームス・ザールで初リサイタル
1966年 ミュンヘン国際コンクール第2位
1969年 第3回ウィーン・ベートーヴェン国際コンクール第1位
1970年 ショパン・コンクール第2位(現在も日本人最高位)
1973年 クララ・ハスキル・コンクール第2位
1975年 リーズ国際コンクール第2位、レーベントリット・コンクール第2位
1982年 東京、ロンドンでモーツァルト:ピアノ・ソナタ連続演奏会
1984年 モーツァルト:ピアノ・ソナタ集のアルバム発売開始(1988年完成)
      ピアノ・ソナタ全集は1989年に英グラモフォン誌レコード・オブ・ジ・イヤー受賞
1985年 ロンドンで自ら指揮とソロを務め、10回に渡るモーツァルト:ピアノ協奏曲シリーズの演奏会開催
      ジェフリー・テイト指揮イギリス室内管とのモーツァルト:ピアノ協奏曲録音開始(1991年完成)
1986年 10回に渡るモーツァルト:ピアノ協奏曲連続演奏会開催
1987年 サントリー音楽賞受賞
「モーツァルト:ピアノ協奏曲第26番・第27番」が日本国内のクラシック・ベスト・セラー・ディスクとなり、日本ゴールド・ディスク大賞アルバム・オブ・ジ・イヤー受賞
1995年   シューベルトとシェーンベルクのプログラムによるリサイタルを、ロンドン、アムステルダム、ウィーン、 東京、ニューヨーク、
ザルツブルク音楽祭で行い絶賛を博す
2001年 英国エリザベス女王から「サー」「デイム」に次ぐ大英帝国勲章「CBE(Commander of the Empire)」を授与される
2005年 文化功労者に選出
2008年 ベルリン・フィルハーモニーのレジデント・ピアニストに選出
2009年 大英帝国勲章「デイム」を授与される。11月に3年ぶりの来日公演(11月24日、27日サントリーホール 他)

Track List   

  • 01. 1. Lebhaft
  • 02. 2. Innig
  • 03. 3. Etwas Hahnbchen
  • 04. 4. Ungeduldig
  • 05. 5. Einfach
  • 06. 6. Sehr Rasch
  • 07. 7. Nicht Schnell
  • 08. 8. Frisch
  • 09. 9. Lebhaft
  • 10. 10. Balladenmssig, Sehr Rasch
  • 11. 11. Einfach
  • 12. 12. Mit Humor
  • 13. 13. Wild Und Lustig
  • 14. 14. Zart Und Singend
  • 15. 15. Frisch
  • 16. 16. Mit Gutem Humor
  • 17. 17. Wie Aus Der Ferne
  • 18. 18. Nicht Schnell
  • 19. 1. Durchaus Fantastisch Und Leidenschaftlich Vorzutragen - Im Legenden-Ton
  • 20. 2. Mig. Durchaus Energisch - Etwas Langsamer - Vielbewegter
  • 21. 3. Langsam Getragen. Durchweg Leise Zu Halten - Etwas Bewegter

Customer Reviews

Comprehensive Evaluation

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’94年録音の「クライスレアリーナ」「謝肉...

投稿日:2013/11/05 (火)

’94年録音の「クライスレアリーナ」「謝肉祭」から16年、研鑽の成果、深化を確実に、感じさせてくれる1枚。各主題に忠実に、夢幻、難解な明暗の弾き分け、情感等、見事という他ない。更に、3年後、挑んだシューマンも、同様。定評高いモーツァルト、シューベルト、近代作品に、勝るとも劣らない、いつもながらの英知と考え抜かれた全身全霊の姿勢、繊細にして大胆、スケール大きく豊か、真摯な演奏。もう世界、史上でも指折りのピアニストとなった。生なら、もっと凄い、ファイトし、音楽そのものと化する内田さん、体感できるでしょう。

sunny さん | 兵庫県 | 不明

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クリーヴランドとのモーツァルトもそうだが...

投稿日:2011/02/14 (月)

クリーヴランドとのモーツァルトもそうだが、断然ナマの方が素晴らしい。なのでレビューの神村井先生の意見には全く賛同できない。席が悪かったのでは?もちろんCDが駄目なわけではない。録音は最上だ。60%は入っている。グラミー賞が発表されたが、日本では「ビーズの松本」だけ。ニューヨークタイムズやロイター通信見てください。どこも「Mitsuko Uchida」ですよ。日本のマスコミは無教養、大衆も無知下品。芸術とは無縁の人といえよう。フランスのル・モンドの記者と、ニューヨークタイムズの記者に訊いた。「Do you know Matsumoto?」答えはこうだった。「Mastumoto,Who?」

ushio さん | 東京都 | 不明

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いかにも近年の内田光子ならではの深みのあ...

投稿日:2010/09/26 (日)

いかにも近年の内田光子ならではの深みのある名演だ。シューマンのピアノ曲は、いずれも名作揃いだとは思うが、同時代のショパンなどとは異なり、アプローチの仕方によってはやたら理屈っぽい演奏になりがちである。いずれも詩情に満ち溢れた作品ではあるのだが、組曲やソナタなど、比較的規模の大きい作品が多いだけに、全体の統一性など、どうしてもそれに捕われて、詩情を失ってしまいがちなことがその要因と言えるのかもしれない。しかしながら、内田光子にはそのような心配は御無用。全体として、前述のように曲の本質を深彫していくような深遠な表現をこころがけてはいるが、シューマン特有の詩情豊かさにもいささかの不足はない。特に、ダヴィッド同盟舞曲集にような作品集では、各曲の性格を巧みに描き分け、緩急自在のテンポを駆使して、これ以上は求められないような高次元の表現を成し遂げている。幻想曲ハ長調は、正に内田光子の独壇場。これほど深みがあって、しかも情感豊かな演奏は、今や大ピアニストとなった内田光子にしかできない至高・至純の境地に達していると言える。本盤は、内田光子にとっても、15年ぶりのシューマンとのことであるが、他のシューマンのピアノ曲も、内田光子の演奏で是非とも聴きたいものだ。

つよしくん さん | 東京都 | 不明

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