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神の値段 宝島社文庫

Sayuri Isshiki

Product Details

Genre
ISBN/Catalogue Number
ISBN 13 : 9784800264893
ISBN 10 : 4800264898
Format
Books
Publisher
Release Date
January/2017
Japan

Content Description

第14回『このミステリーがすごい! 』大賞・大賞受賞、現役学芸員が描く美術ミステリー、ついに文庫化です! メディアはおろか関係者の前にも一切姿を見せない現代美術家・川田無名。彼は、唯一つながりのあるギャラリー経営者の永井唯子経由で、作品を発表し続けている。ある日唯子は、無名が1959年に描いたという作品を手の内から出してくる。来歴などは完全に伏せられ、類似作が約六億円で落札されたほどの価値をもつ幻の作品だ。しかし唯子は突然、何者かに殺されてしまう。アシスタントの佐和子は、唯子を殺した犯人、無名の居場所、そして今になって作品が運びだされた理由を探るべく、動き出す。幻の作品に記された番号から無名の意図に気づき、やがて無名が徹底して姿を現さない理由を知る――。

【著者紹介】
一色さゆり : 1988年、京都府生まれ。東京藝術大学芸術学科卒業ののち、香港中文大学大学院美術研究科修了。現在は学芸員として美術館に勤務。2015年、第14回『このミステリーがすごい!』大賞・大賞を受賞し、2016年に本作品でデビュー(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

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Book Meter Reviews

こちらは読書メーターで書かれたレビューとなります。

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  • さてさて

    『守らなければならない、無名の作品たちを。あるべき姿で展示し、あるべき場所に委ねたい』。そんな思いの先に唯子の死に隠された真相を追い求めていく主人公の佐和子。この作品にはそんな佐和子が解き明かしていくミステリーな物語が描かれていました。『アート』に関するあんなこと、こんなことが綴られていく中、面白く読み進めることのできるこの作品。そんな物語に”ミステリー”の要素が奥行きを出すこの作品。“このミステリーがすごい!大賞”受賞が伊達ではない、“美術ミステリー”の面白さを再認識させてもくれた素晴らしい作品でした。

  • nobby

    この作家、多分僕は好きだ♪姿見せぬ正体不明の現代芸術家 川田無名。ただ一人その所在を知るという画廊オーナー唯子を殺したのは誰か?はたして無名は存在するのか?絵画に疎い自分は、これまで超有名画家を扱った小説をギリギリ楽しんできた気がする。だが、今作は全く架空の人物を中心にしながら、丁寧で彩り鮮やかな映像が思い浮かばせるのが素晴らしい!難解なミステリーを味わうのでなく、自然と読まされるままアートの世界にいつぞや惹き込まれている感覚が絶妙。事件の真相はラストでほぼ全容語るのみだが、この作品の魅力はそこじゃない!

  • ちょこまーぶる

    楽しんで終えた一冊でした。アートの売買に纏わるミステリーって初めてのような気がします。アートに関する知識は皆無だから、何故にあの作品にこんな値が付くの?と思って生きてきたけど、読後はちょっぴりですがシステム?が判ったような気がしています。内容的には、割と早めにこの人が怪しいなぁ〜と想いながら読み進めて、オークションの場面では値の高騰合戦にドキドキ感と誰だ?という疑問で一杯になり、ラストはやっぱりね・・・と納得したという感じでした。純粋な気持ちでアートを愛でる生活もイイかもと思ったけど、先立つものが無い。

  • おかむー

    現代アート×ミステリというつもりで読んでみたけれど、むしろ“アートビジネス”にまつわるサスペンスといった趣きでしたね。『もうすこしです』。一切姿を見せないアーティスト・川田無名、彼と唯一の世間の接点となっていた画廊経営者・唯子が殺され、唯子のアシスタント・佐和子に彼の作品の行方が託される。■作家が直接制作しなくとも認められる一部の現代アートだとか、作品の価値をコントロールする美術市場のからくりは興味深い。ただ主人公である佐和子に当事者感がなかったり殺人の動機に意外性がなかったり、全体に“弱い”印象ですね。

  • 夜長月🌙新潮部

    東京藝大卒現役キュレーターが描くアートサスペンス。絵の価値を上げる仕組みが説明されていて新鮮でした。アートには2つのマーケットがあり、作家から直接買うのがプライマリーマーケット。その他はセカンダリー。価格はプライマリーが一番安く、転売されるにつれ値段は上がっていきます。本の逆。個人よりも美術館で購入される方が世間に見てもらえて良いかと思いきや個人の方が展示会に貸し出してもらえやすく結果的に多くの人の目に触れます。また、現代アートではそのアイディアに作家固有のものがあれば作るのは他の人でもというのには驚き。

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