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光をえがく人

Sayuri Isshiki

Product Details

Genre
ISBN/Catalogue Number
ISBN 13 : 9784065168202
ISBN 10 : 4065168201
Format
Books
Publisher
Release Date
June/2021
Japan

Content Description

ハングルが書き込まれたアドレス帳を拾った美大職員の江里子は、アート作品にちなんで韓国で持ち主を探すことに…(『ハングルを追って』)。後継者もなく工房を畳もうと考えていた人形師の正風が、フィリピンからの留学生と出会い心を開いていく…(『人形師とひそかな祈り』)。現代水墨画家の成龍はコレクターたちのパーティに出席。会場で本土の実業家の夫人と出会い、街の混乱の中で再会を…(『香港山水』)。有名な写真家だった父が、記憶をなくして海外から帰国。娘は母の話から、父の生涯を辿ることになる…(『写真家』)。ミャンマー料理店の店主に、反政府運動に加わって投獄された話を聞く。劣悪な環境の中での奇妙な体験とは…(『光をえがく人』)。アートが照らす五つの物語。

【著者紹介】
一色さゆり : 1988年、京都府生まれ。東京芸術大学美術学部芸術学科卒。香港中文大学大学院修了。2015年、『神の値段』で第14回『このミステリーがすごい!』大賞を受賞して作家デビューを果たす(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

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Book Meter Reviews

こちらは読書メーターで書かれたレビューとなります。

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  • nobby

    これはいい!あえて飾らず率直な言葉で表したい!油絵に水墨画、布に書かれた絵、フィルム写真そして人形、芸術大学出身の作家ならではのバラエティ感に加え、アジア時事問題を絡めて描く見事な5篇。朝鮮半島・香港・ミャンマーの哀しき歴史や情勢を平和ボケな我々に提示する衝撃…逆に虚しき日常にフィリピンやモンゴルの伝承や牧歌的な事象から感じさせる安堵。創作者たる人物達の目線ながら決して遠すぎない感覚で読めるのが魅力的。悲しさや寂しさ多く語られるが、各話ともに光が射し込み勇気与えられるラストに導かれるのが素敵♬これはいい!

  • シナモン

    アジアの政治情勢にアートを絡めた短編集。「写真家」で壊れかけた家族に希望がみえて、あ〜良い話だったなぁと思ったら「光をえがく人」での厳しく過酷な描写に読んでて辛くなった。そして自分はアジアの政治情勢に疎いんだなぁと思い知らされた。「香港山水」水墨画では描かれたものを見るのではなく、描かれたものを通して、自分の心を見ることが大事。なるほど。勉強になった。どんな時代、状況でもアートの力は希望になる。読んで良かった。

  • アキ

    アジアの現代アートを題材にした短編5作品。東京藝大から香港中文大学で学んだ経歴からアジアのアートに親しみを感じているのであろう。芸術に資本主義が切り離さない現状だからこそ、芸術自体が持つ社会とのつながり、ひととひとをつなぐ力、家族とのあり様、国を越えた共感を、肯定的に紡いだ物語に爽やかな読後感に繋がるように思えた。韓国にルーツを持つ画家、京都の人形師、香港の水墨画家、モンゴルに渡った写真家の父と残された娘との再会、ミャンマーの監獄で描いたロンジー、どれも光を捉えようと上を向くハッピーエンドな物語。

  • ゆみねこ

    一色さゆりさん、初読み。図書館の新着棚で見かけて手に。アートをテーマにした5つの短編。拾った手帳のアドレスを訊ねて韓国ソウルへ出掛けた「ハングルを追って」、祈りを込めた人形を手掛ける人形師の物語「人形師とひそかな祈り」が好きです。

  • kei302

    国と国の関係、反政府運動などを芸術や芸術家との関わりで描いた短編5作。発表された時期を見ると、著者が早い時期からアジアの政治や国際問題に関心を持っていたことが窺える。カバーの表紙画はクリス・ヒュン・シンカンの作品。 第一話の『ハングルを追って』を想起させるような油絵だ。 芸術は不要不急? もう何年も我慢を強いられている気分なのに。そんな、私の閉塞感を大きく上回る不自由な中にあっても、表現し続ける人たちがいる。光をえがく人たちに力をもらった。

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