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ピカソになれない私たち 幻冬舎文庫

Sayuri Isshiki

Product Details

Genre
ISBN/Catalogue Number
ISBN 13 : 9784344432260
ISBN 10 : 4344432266
Format
Books
Publisher
Release Date
September/2022
Japan

Content Description

国内唯一の国立美術大学・東京美術大学油画科。なかでもスパルタで知られる森本ゼミの望音・詩乃・太郎・和美の4人は、自身の才能や未来に不安を感じながらも切磋琢磨していた。そんな時、ゼミに伝わる過去のアトリエ放火事件の噂を聞き―。不条理で残酷な「芸術」の世界に翻弄されながらも懸命に抗おうとする“美大生のリアル”を描いた青春小説。

【著者紹介】
一色さゆり : 1988年、京都府生まれ。東京藝術大学美術学部芸術学科卒業。2015年に第14回『このミステリーがすごい!』大賞を受賞、16年に受賞作『神の値段』でデビュー(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

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Book Meter Reviews

こちらは読書メーターで書かれたレビューとなります。

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  • 小太郎

    先日読んだ「神の値段」に続き一色さゆりさんの本です。藝大の油絵学科の厳しい指導で知られている森本ゼミに入った4人(望音、詩乃、太郎、和美)それぞれの絵画とは?芸術とは?を描いた青春群像劇。「神の値段」もそうだったけれど美術界の内情がリアル描かれていてそこが読みどころかな。本人も藝大出身という事で秘境と言われる東京芸術大学、(ここでは美術大学と書かれています)のシーンが生き生きしてます。人物設定などステレオタイプな所もあるし話の?な展開はあるけれど、それ以上にモチーフが効いていて読み手を惹きつけます★3.5

  • エドワード

    東京藝術大学と思しき美術大学。厳しさと毀誉褒貶の絶えない森本教授のゼミで油絵を専攻する四人の若者。エリートの猪上詩乃。アート志向で五浪の中尾和美。離島出身の天才肌・汐田望音。グラフィティに憧れる小野山太郎。四人と教授との、芸術と才能をめぐる戦いが渦を巻く。「自分の絵を描け。」それだけのことの何と難しいことか。望音と詩乃の葛藤、太郎の憂愁の丁寧な描写に満ちる青春の哀歓。森本教授の「いい絵っていうのは、人の心を動かす絵だが、人の心を動かそうとする絵は、あざとくて、いい絵ではない。」という言葉は実に的確だ。

  • よっち

    選ばれし者だけが集まる、国内唯一の国立美術大学・東京美術大学油画科。スパルタで知られる森本ゼミに属することになった望音・詩乃・太郎・和美、それぞれの葛藤を描く青春小説。地方出身で天才的な画風の望音、技術はあるがこれといった特徴のない詩乃、美大生としての自分に迷いをもつ太郎、前衛的で現代的な作風の和美。厳しい森本の下で才能とは何か、過酷な現実を何度も突きつけられ、周囲を妬みぶつかり合う厳しさを痛感しましたが、それぞれが悩んできたことに対する自分なりの解答を見出してゆくその結末にはぐっと来るものがありました。

  • 桜もち 太郎

    美術教育の日本最高峰、東京医芸術大学が舞台。作者の出身校、東大より入るのが難しい「東京藝術大学」のことであろう。そこで出会う森本ゼミの4人の若者たち。何といっても森本のスパルタが凄まじく常軌を逸している。絵を描くことへの葛藤、何のために書くのか、芸術とは何か、負のスパイラルに落ち込んでいく学生たち。それでも這い上がるのは自分でしかない。「作品の完成を決めるのは、他人でも自分でもなく絵そのものなのだ」と悟る詩乃。「真の才能は勝手に育ち、育てようとすること自体がおこがましい」との森本の本音が聞けて良かった。→

  • 白雪ちょこ

    東京美術大学に通う4人の、青春と苦悩が描かれている。 才能とは何なのか、といったリアリティが追求されており、最後まで読む手が止まらなかった。 教師である森本のやり方や、罵詈雑言など今の時代にそぐわない態度に、最初は嫌悪感を入れていたが、最後の方でそうなってしまった姿が描かれており、読み返した時にグッとくるものがある。 天才だからこその苦悩や、それに追いつこうとするの心の葛藤など、とても面白かった。最初は詩乃が大嫌いだったが、最後は望音と仲直りができてよかった。 ハッピーエンドなのも良い。

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