Books

青い壺 文春文庫

Sawako Ariyoshi

Product Details

Genre
ISBN/Catalogue Number
ISBN 13 : 9784167137106
ISBN 10 : 4167137100
Format
Books
Publisher
Release Date
July/2011
Japan

Product Description

無名の陶芸家が生み出した美しい青磁の壺。売られ盗まれ、十余年後に作者と再会するまでに壺が映し出した数々の人生。定年退職後の虚無を味わう夫婦、戦前の上流社会を懐かしむ老婆、45年ぶりにスペインに帰郷する修道女、観察眼に自信を持つ美術評論家。人間の有為転変を鮮やかに描いた有吉文学の傑作。

Content Description

無名の陶芸家が生み出した美しい青磁の壷。売られ盗まれ、十余年後に作者と再会するまでに壷が映し出した数々の人生。定年退職後の虚無を味わう夫婦、戦前の上流社会を懐かしむ老婆、四十五年ぶりにスペインに帰郷する修道女、観察眼に自信を持つ美術評論家。人間の有為転変を鮮やかに描いた有吉文学の傑作。

【著者紹介】
有吉佐和子 : 昭和6(1931)年、和歌山生まれ。昭和31年に『地唄』で文壇デビュー。紀州を舞台にした『紀ノ川』『有田川』『日高川』三部作、世界初の全身麻酔手術を成功させた医者の嫁姑問題を描く『華岡青洲の妻』(女流文学賞)、老人介護問題に先鞭をつけ当時の流行語にもなった『恍惚の人』、公害問題を取り上げた『複合汚染』など意欲作を次々に発表し人気作家の地位を確固たるものにする。多彩かつ骨太、エンターテインメント性の高い傑作の数々を生み出した。昭和59年8月逝去(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

Customer Reviews

Comprehensive Evaluation

☆
☆
☆
☆
☆

0.0

★
★
★
★
★
 
0
★
★
★
★
☆
 
0
★
★
★
☆
☆
 
0
★
★
☆
☆
☆
 
0
★
☆
☆
☆
☆
 
0

Book Meter Reviews

こちらは読書メーターで書かれたレビューとなります。

powered by

  • いつでも母さん

    13話からなる連作短編集。この青い壺だけが知っている。この壺だけが見てきた―昭和52年の作品を今、とても面白く読んだ。人の可笑しさ。心の表裏はいつの世もそう変わらない―牧田という陶芸家が焼き上げた美しい青磁の壺が次々と人に渡り・・外国迄も行ったはずなのに再び製作者の前に現れる不思議と言うか、これはもう運命なのか。だが、人は自分の目を通してしか信じない。それは幸せとも言う。

  • ちょろこ

    ツボる一冊。有吉さん2冊目。こちらも当たり。とある無名の陶芸家が世にも美しい青磁の壺を焼きあげたところから始まる13のストーリー。売られ、お使い物にされ…いろいろな家庭や地、海までをも越えて行き来する壺の長い旅。移動するたびに見せられる小さなドラマといろいろな人間の心の素の模様。これが実に面白い。飾らないストレートな言葉、あけすけな会話のおかげかな、随所でツボり、これから自分も辿るに違いない道に時にこっそりうなずいてしまったり。片隅で鎮座し、人の心や世間事情を見ながらほくそ笑む壺を想像するとふふっとなる。

  • ふじさん

    一人の無名の陶芸家が焼き上げた美しい青磁の壺を巡る13の連作短編集。十余年後に再会するまでに壺が関わった数々の人生。疎まれたて人の手に渡ったり、治療費に代償になったい、酒場に置き忘れられたり等、翻弄されながらも壺は、遺産相続、病気、母親や嫁姑の葛藤等、様々な人生模様の中に存在することになる。有吉佐和子が追い求めた美とは?真の美しさとは何か?を問いかける1冊。各編に様々な工夫があり、登場人物が際立つ巧みなタッチに心を奪われた。

  • タイ子

    陶芸家の手によって作られた青い壺が人に手に渡りながら、その時々の様々な人生模様を描いていく13話の連続短編集。おとぎ話のようにこの青い壺が奇跡を起こすわけでもなく、誰かの命を救うとかそんな陳腐な物語ではない。それぞれの事情を抱えた家族や50年ぶりに再会する同窓会での女性たちが文中に生き生きと立ち上がってくる。何だか逆に青い壺に見つめられるような人間たちの生き様。時代背景に昔を思わせる要素は多分にあるが、時代は進化しようと人の心は変わらないんだなと思わせてくれる。青い壺を巡っての人生模様を大いに堪能。

  • アン

    名もなき熟練の陶芸家が焼き上げた、気品ある青磁の壺に纏わる人間模様を濃やかに映し出す13話の連作短編集。壺は時を経て様々な人々の手に渡りスペインまで旅を。定年退職した夫が上司に贈る第二話は、かつての職場に立ち寄る夫の姿が痛ましく物哀しい。同じ学生寮だった老女達の50年ぶりの京都旅行を描く第九話は、賑やかなお喋りが筒抜けでクスリと。昭和の人々の暮らしぶりが目に浮かび、戦争を乗り越えた力強さも印象深い。人の心理は不思議なほど変わらない事や価値観の相違など興味深く、青い壺に秘められた静かな魔力に惹き込まれる。

レビューをもっと見る

(外部サイト)に移動します

Recommend Items