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そうか、もう君はいないのか

Saburo Shiroyama

Product Details

Genre
ISBN/Catalogue Number
ISBN 13 : 9784101133348
ISBN 10 : 4101133344
Format
Books
Publisher
Release Date
August/2010
Japan

Product Description

後に残された夫の心を颯と掬う、なんと簡潔にしてストレートな切ない言葉だろう。児玉清さん絶賛! ベストセラー待望の文庫化。感涙の回想記。

彼女はもういないのかと、ときおり不思議な気分に襲われる──。気骨ある男たちを主人公に、数多くの経済小説、歴史小説を生みだしてきた作家が、最後に書き綴っていたのは、亡き妻とのふかい絆の記録だった。終戦から間もない若き日の出会い、大学講師をしながら作家を志す夫とそれを見守る妻がともに家庭を築く日々、そして病いによる別れ……。没後に発見された感動、感涙の手記。

Content Description

彼女はもういないのかと、ときおり不思議な気分に襲われる―。気骨ある男たちを主人公に、数多くの経済小説、歴史小説を生みだしてきた作家が、最後に書き綴っていたのは亡き妻とのふかい絆の記録だった。終戦から間もない若き日の出会い、大学講師をしながら作家を志す夫とそれを見守る妻がともに家庭を築く日々、そして病いによる別れ…。没後に発見された感動、感涙の手記。

【著者紹介】
城山三郎 : 1927‐2007。名古屋生れ。海軍特別幹部練習生として終戦を迎えた。一橋大卒業後、愛知学芸大に奉職、景気論等を担当。1957年、『輸出』により文学界新人賞、翌年『総会屋錦城』で直木賞を受け、経済小説の開拓者となる。吉川英治文学賞、毎日出版文化賞受賞の『落日燃ゆ』や『毎日が日曜日』等、多彩な作品群は幅広い読者を持つ。2002年、経済小説の分野を確立した業績で朝日賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

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Book Meter Reviews

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  • 遥かなる想い

    いつもすぐ傍にいてくれた 最愛の人を喪った哀しみ。 城山三郎が亡き妻容子に おくる回想記の形をとる ラブレターである。 読んでいて特に心が痛い のは、この幸せな時間が もう思い出の中にしか 来ないことを知っているからだろうか。 昭和26年の出逢いから 始まる二人の思い出は、 素直に心にしみわたり、 逆に哀しさが増幅して いく。その時に向かって 過ごした日々は濃密な 幸せな時間だったと思いたい。

  • ykmmr (^_^)

    歴史小説や経済小説で、建設的に筆跡を残しながらも、何処か描かれている人物に『想い』も馳せながら作品にしている城山さんであるが、これは先に旅立った奥様への『想い』そのもの。名古屋で出会い、「空から天使が降りた。」と表現される『運命』の出会い。一回、交際を断られて距離が出来るも、諦めずにいたら、自然と距離が縮まって…。恋が成熟。オトコの一途な人が陥る様な大恋愛をし、実らせた若き城山さん。結婚後は娘2人を授かるが、その娘とのやりとりと、それを作った奥様流『子育て』が語られる。

  • パフちゃん@かのん変更

    なんて素敵なご夫婦。1927年生まれの城山さんだが、その頃には珍しい恋愛結婚。それも臨時休館の図書館の前で『間違って、天から妖精が落ちてきた感じ』一度しか会っていない彼女をゆくゆくは伴侶にと思ったが、彼女はその時高校生で彼女の父親の猛反対により別れた。が、1年後ダンスホールで出会い、交際復活。絵にかいたような恋愛ストーリーですね。文士の妻となった彼女は天真爛漫な性格で、一度もケンカらしいケンカをしたことがない。様々なエピソードが彼女の人柄を表している。城山さんはこの人と結婚できて本当に幸せな人生だった。

  • 舟江

    著者の奥さんとのなれそめから別れを書いたもの。絶筆の作品であるが、私自身がお亡くなりになった作者の年齢に近づいてきたためか、すんなり受け入れることができた。 誰もが通る道、多くの方に是非読んでいただきたい。若い方も自身の人生の参考になると思う

  • 新地学@児童書病発動中

    作家の城山三郎氏が亡き妻への想いを描いたエッセイ。涙なしに読むことはできない。骨太な言葉の端々からこぼれ落ちてくる慕情の気持ちが切ない。親しい者の死は簡単に受け入れるものではなく、ここに描かれているように日常の生活の中でこみあげてくる「もう君はいないのか」という喪失感なのだろう。お転婆な容子さんの肖像が魅力的で、城山氏と好対照だと思った。最期に息子さんと別れる時の行動に、容子さんの明るさと優しさが凝縮されているような気がした。

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