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戯作三昧 / 一塊の土 新潮文庫 改版

Ryunosuke Akutagawa

Product Details

Genre
ISBN/Catalogue Number
ISBN 13 : 9784101025056
ISBN 10 : 4101025053
Format
Books
Publisher
Release Date
November/1983
Japan

Product Description

江戸末期に、市井にあって芸術至上主義を貫いた滝沢馬琴に、自己の思想や問題を託した「戯作三昧」、他に「枯野抄」等全13編を収録。

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Book Meter Reviews

こちらは読書メーターで書かれたレビューとなります。

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  • ヴェルナーの日記

    芥川作品の批評は難しい。何故なら作品が初期〜中期〜終期と変化していくからだ。本書は中期〜終期にかけての作品が多く編まれており、私見ではあるが、彼の初期の頃の作風であった写実的な印象派といった赴きが陰に潜め、印象派という作風を残しながらも自己の内面を追求していく私小説へと比重が移っていく時期の作品と感じる。例えば『戯作三昧』など、馬琴の内面を振り下げつつ、実は芥川自身の内面の吐露したものであり、彼の生来の性格であるニヒリズムと自虐性が滲み出ている作品であろう。これ以降、この作風の傾向性が強くなっていく。

  • かみぶくろ

    「戯作三昧」が絶品。とりわけ主人公の滝沢馬琴が、夜の薄暗い行灯の光の中で一人、創作の悦びを感じながら筆を一心に走らせるシーンに感動に近い思いを味わった。馬琴=芥川の、抑えきれない胸の高鳴りと自然にこぼれてしまう笑みが目に浮かぶ。日常の面倒事や世間の毀誉褒貶に胸を痛めつつ、それら全てを忘れさせてくれる至福の瞬間。なにも小説家に限った話じゃないけど、新しいものに挑みつづける創造メンタルを持っていないと訪れない瞬間だろうから、とても憧れる。ちなみに他の短篇たちも多種多様で良いです。

  • かみぶくろ

    最近、芥川の短編を読んでると和む自分がいる。そして『戯作三昧』は何度読んでも感動的。

  • クプクプ

    短編集で「戯作三昧」が特によかったです。主人公は「八犬伝」を書いた滝沢馬琴です。滝沢馬琴が銭湯に入ったり、文章を書く、創作活動に苦しむ様子が、芥川龍之介らしいアレンジをもって魅力的に描かれています。また「戯作三昧」は良い文章を描こうとする、という意味でも、読書メーターに向いた作品だと思いました。私も当てはまりますが、読書メーターでは少しでも面白い感想文を書いてやろう、と意気込んで、思った通りにいかないことも多々ありますよね。この本は、厚いので、読むのに時間がかかり、精神的に焦りましたが読了して満足しました

  • 藤月はな(灯れ松明の火)

    「或日の大石内蔵助」の自身が為すべくして為した事への自負が後世にどう曲解されて残るかで虚しさを帯びる様が溜息。「戯作三昧」の軽蔑している人間に評されて割り切れず、悩むのもまた、身近だ。開化ものは師、夏目漱石の作品のようにエゴイズムの折り合いが貫かれている。「一塊の土」は再読だが、本当に心理描写の妙が素晴らしい。お民にしてみれば、家族を養う為に必死だったのだろう。ところが義母、お住みは努力している者が傍にいることでの引け目とそこから来る妬み、自分と逆の思想を持つ者がいつの間にか持て囃されて愕然とするのだ。

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