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小太郎の左腕

Ryo Wada

Product Details

Genre
ISBN/Catalogue Number
ISBN 13 : 9784094086423
ISBN 10 : 4094086420
Format
Books
Publisher
Release Date
September/2011
Japan

Content Description

一五五六年。勢力図を拡大し続ける西国の雄、戸沢家は敵対する児玉家との戦いの時を迎えた。戸沢家の武功者「功名漁り」こと林半右衛門は、児玉家で「功名餓鬼」の異名をとる花房喜兵衛麾下の軍勢に次第に追い込まれていく。そんななか、左構えの鉄砲で絶人の才を発揮する十一才の少年・雑賀小太郎の存在が「最終兵器」として急浮上する。小太郎は、狙撃集団として名を馳せていた雑賀衆のなかでも群を抜く銃の使い手だが、心根が優しすぎるため、祖父・要蔵がその才能をひた隠しに隠していた少年だ。事態は、半右衛門のある行動を機に思わぬ方へと転じていく。

【著者紹介】
和田竜 : 1969年大阪府生まれ。早稲田大学政治経済学部卒業。2003年脚本「忍ぶの城」で城戸賞を受賞。07年に同作と同内容の小説「のぼうの城」を刊行し、作家デビュー(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

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Book Meter Reviews

こちらは読書メーターで書かれたレビューとなります。

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  • ehirano1

    スピード感があってなかなか面白かったです。半右衛門も最後はきちんと彼らしい落とし前をつけてカッコよかったです。唯、小太郎が憐れすぎます。しかし、宿命(雑貨衆という一族)は変えられませんが、運命(生き方)は変えられるはずです。頑張って、小太郎!

  • mariya926

    和田竜さん全読です。なかなかこの本が手に入りませんでした。豪快な主人公でしたが、共感できなかったからか(現代の考え方とはあまりに違ったので)今まで読んだ和田竜さんの作品の中では一番引き込まれませんでした。小太郎も優しくても、怒りによって周りを見れない、優しくても近くで苦悶している人の苦悶を分からないのがちょっとでしたが、祖父と友人を失ったことを考えると何とも言えません。林半右衛門と喜兵衛のやり取りは面白かったです。豪快さや武士としての矜持など、他では見ることが出来ないやり取りでした。

  • yu

    文庫にて再読。そして号泣。最終章は涙なくして読めませんわ。 「人並みになるとは、人並みの喜びだけではない。悲しみも苦しみもすべて引き受けることだ。」この言葉が重くのしかかる。 じいが死んだのも、玄太が死んだのも、半衛門が死んだのも自分の左腕のせいだと、自分を責める小太郎が哀しすぎる。 やっぱり「のぼうの城」より断然こっちが好き。

  • またおやぢ

    何故なのだろう?左利きの鉄砲打ちと言われると、それだけで”凄腕の持ち主”(その通りではあるのだが)と思ってしまうのは。登場人物一人ひとりのキャラクターがしっかりと書き分けられているのも大変好感が持てる一冊。同じ和田竜氏の作品で、最近話題となった物語よりも、こちらの方が人間の機微や凛とした潔さがあって好きだなと思う一冊。

  • 佐々陽太朗(K.Tsubota)

    一五五六年といえば謂わば鉄砲の黎明期ともいうべき時代の話だ。和田氏のとらえ方として、この時代の武将は命を惜しまず、名をこそ惜しむ。英雄たるもの卑怯な振る舞いや見苦しい生き方を最も忌み嫌うのだ。男が男たり得た時代に、無垢な心を持った少年とヒロイズムに生きる武将二人が相見えたとき、物語は想像を絶する展開を見せる。それは単に領土や富を争う戦に非ず、己が最も大切にするものは何かを自らに問う戦いであった。登場人物は個性的で、その魅力たるや尋常ではない。そして、彼らの生きざま、死にざまはひたすら美しくカッコイイ。

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