Book Meter Reviews

こちらは読書メーターで書かれたレビューとなります。

powered by

• ケンイチミズバ

  読了日：2025/08/21

  地球最後の日まであと二日、それでも板前は仕事に打ち込みます。すがりつく妻を振り切り店に。呆然としていた弟子に 難しい魚の調理を教えるというあまりの無駄さに笑うしかありません。伊坂幸太郎の「週末のフール」では、一通りの暴力が過ぎ、あきらめの後に描かれる平穏な最後。これもアリかな。半村良のこの感覚は、昔よく読んだカッパノベルスだな。昭和のセンス満載でやはり古さを感じる。小松左京の「復活の日」など全く古さを感じませんが、その違いはテーマの壮大さの対極にあるような日常の庶民のもとに繰り広げられるSFギャグだから。

• Porco

  読了日：2025/08/04

  半村さんは『戦国自衛隊』や『産霊山秘録』といった、娯楽作品にしては中々重厚なSF時代小説を書く作家という認識のため中々意外。昭和感漂う人情噺や、同時代の筒井康隆作品のような多少の毒が入ったスラップスティック作品などが収録されているからか、前述した認識では読み初めて意外と思われるのはご勘弁願いたい。ユーモア溢れるタッチとストーリーテリングは中々だが、何より昭和の娯楽の空気感を垣間見ることができるのが実に良い。

• 阿部義彦

  読了日：2025/09/05

  河出文庫少し前の新刊。映画化に伴っての新装版だそうです。筒井さんや星さんと同期日本のSFの第1世代ですが、「岬一郎の抵抗」など名前は知っててもあまり読んだことは無かった作家。この本は短編集でどれも楽しめた。気に入ったのは「ビー」です。単なるビー玉遊びから、国家問題までに発展して、最後に寓話的に終わる。なかなか似た物語は思い付きません。もう1つは「悪魔の救済」人間の歴史なんて悪魔からすれば単なるお遊びの様なもの。悪魔は実在するが、人間が頭の中でかってにでっち上げた物が神。殺伐なラストが秀逸！

• Ryo0809

  読了日：2025/06/16

  1970年代央に発表されたSF短編集。どれも噺家が語る落語噺のようなタッチで、たいへん面白い。とはいえ、社会問題批判の視点やら、ビー玉遊びなどのノスタルジックな話、街角ルポのような軽妙な話、宇宙人と安アパートの庶民との心温かな交流など、バラエティに富んだ短編集となっている。人情やらお色気やらも交ざっていて、昭和の時代の娯楽のあり方がほのぼのと偲ばれるところも楽しい。

• のわさび

  読了日：2025/10/30

  「となりの宇宙人」　題名だけで衝動買いしたら　半村良作だった　なつかし〜　昔　「太陽の世界」　読んでたなぁ〜　途中で亡くなり未完の作品になってしまったけど・・・　罪なき男ってカフカの変身を想像した　めぬけのからしじょうゆあえ　はそうきたか〜と感心したし　表題作　となりの宇宙人は映画を見なくても十分想像できた　　ショートショート星新一のエロバージョンですね

レビューをもっと見る

(外部サイト)に移動します