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引き潮

R L スティーヴンソン

Product Details

Genre
ISBN/Catalogue Number
ISBN 13 : 9784336061430
ISBN 10 : 4336061432
Format
Books
Publisher
Release Date
August/2017
Japan

Content Description

南太平洋タヒチの浜辺にたむろする三人の食いつめた男たち。大学出のヘリック、商船の元船長デイヴィス、ロンドン下町育ちのヒュイッシュ―不運という絆で結ばれた三人は天然痘の発生で欠員が出た帆船の乗組員に雇われる。どん底からの脱出を願う彼らは、船を盗んで南米へ逃げ、積荷を売りさばこうと企むが、嵐に遭遇して早くも計画に暗雲が。さらにこの船には彼らの知らない秘密が隠されていた…。『宝島』の文豪スティーヴンスンが南太平洋の雄大な自然を背景に描く、冒険者たちの苦闘と葛藤の物語。本邦初訳。

【著者紹介】
ロバート・ルイス・スティーヴンスン : 1850年、スコットランド、エディンバラの著名な灯台技師の家に生まれる。エディンバラ大学で土木工学と法律を学び、弁護士の資格をとるが、やがて文筆活動を開始し、『新アラビア夜話』(1882)、『宝島』(1883)、『ジキル博士とハイド氏』(1886)などの傑作を発表、世界的人気作家となる。晩年は病と闘いながら南太平洋の各地を訪問、サモアに居を定め、1894年、同地で没する

ロイド・オズボーン : 1868年、サンフランシスコに生まれる。義父ロバート・ルイス・スティーヴンスンとの合作に、『箱ちがい』(1889)、『難破船』(1892)、『引き潮』(1894)がある。1947年死去

駒月雅子 : 1962年生まれ。慶應義塾大学文学部卒業。翻訳家(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

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Book Meter Reviews

こちらは読書メーターで書かれたレビューとなります。

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  • seacalf

    コナン・ドイルが「お気に入りの海洋小説」に選び、チェスタトンやボルヘスも愛読した知られざる逸品と、ことさら目を惹く煽り文句だが、今まで翻訳されていなかったのにはそれ相応の理由があるもの。『宝島』的な冒険物語を想像すると面食らう展開。『ジキル博士とハイド氏』が好きな方は満足されるかも。落ちぶれた登場人物のぐずぐずとした懊悩がこれでもかと描かれる。単純な冒険物語が読みたかった自分には肩透かし的内容で、ちょいと物足りなさが残った。

  • spica015

    ただの海洋小説ではなく、人間の持つ弱さや心の揺れをつぶさに表した心理小説のようでもある。第一部では落伍者3人組が船を手にいれ、一発逆転を狙って航海に出たところまでが描かれる。船上で3人たちの関係は更に歪になり、怪しい雲行きにハラハラしてしまう。第二部では新たな存在が加わって剣呑な空気を濃くしていき、三人に弱さだけでなく怯えといった感情も見えはじめてくる。そこに宗教的要素が介入するとますます不穏になっていく。確かに『宝島』よりは『ジキルとハイド』に近いかも。面白かった。

  • ハルバル

    南太平洋で食い詰めた白人三人組が天然痘で船長らが全滅した船を代わりに引き受け積み荷ごと売り払ってしまう詐欺を計画するも、二転三転。とにかく息つく間もなく事件が次々起こり最後まで飽きさせない。そして彼らの前に立ちはだかる島の主、信仰心と残虐性と知性をあわせ持つ超人的なアトウォーターの登場により物語の深みが増す。最後がやや尻すぼみというかオープンエンドなので、これからの彼らがどうなるのかも気になる。コンラッドが書いてもおかしくないような大人の海洋小説でとても面白かった。

  • ぱせり

    巻頭の言葉は「――人の営みには潮の満ち引きがある」 潮の満ち引きがあるのは、登場人物三人(四人)の性格もそう。――表に表れる性格も、その時々で、強く表れたり、遠のいたり。そして、その表に表れたものが、「運」の満ち引きを招くのだろう。彼らがたどりつくのはどこの港だろう。そもそも、満ちたり引いたりする潮が、本当にたどり着くところなんてあるのだろうか。

  • スターライト

    『宝島』『ジキルとハイド』のスティーヴンスンが、妻と先夫との子ロイドと「共作」した作品。南太平洋の海と島を舞台にしているのだが、痛快な冒険物語ではない。タヒチで浮浪者になっていた3人組が船を乗っ取り島を脱出するのだが、悪人2人善人1人と思っているとストーリーが進むにつれ善悪が猫の目のように入れ替わる。人間誰しもいついかなるときでも善であるわけではないし、悪の塊でもないことを気づかせてくれる。アトウォーターと島に上陸した3人に、タヒチと進出した欧米列強の姿がダブるのは気のせいか。陰鬱だが、魅力的な作品。

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