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時は乱れて ハヤカワ文庫sf

Philip K. Dick

Product Details

Genre
ISBN/Catalogue Number
ISBN 13 : 9784150119379
ISBN 10 : 4150119376
Format
Books
Publisher
Release Date
January/2014
Japan
Co-Writer, Translator, Featured Individuals/organizations
:

Content Description

新聞の懸賞クイズに正解し続ける男の秘密とは?――ディックの初期長篇、待望の復刊!

【著者紹介】
山田和子 : 慶應義塾大学文学部中退、英米文学翻訳家(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

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Book Meter Reviews

こちらは読書メーターで書かれたレビューとなります。

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  • しゅう

    新聞の懸賞クイズの全国チャンピオン、レイグルは時折、自分が自分でないような感覚に囚われていた。ある時、手に入れた雑紙や電話帳から自分の中にある違和感がどうしょうもないほどに膨らんでいく。それは幻覚、妄想なのか?この小説、ジャンルはSFなのだが、一方で良質なミステリを読んでるようなハラハラドキドキ感があって、楽しく読み進めることができた。今目にしている世界が、本物の世界なのか?仮想世界?これはディックにとっては永遠のテーマだ。

  • Vakira

    ふとした事から日常生活に違和感、段々この気持ちが強くなる。この世界は自分の生きてきた世界と少しずつ異なる?もしかしたら誰かに騙されている?もしかしたら誰かではなく、自分を取巻く皆からかも。出ました、ディックさん十八番。このパターン、ディックさんSFに度々登場。自分がおかしいのか?世界がおかしいのか?ディックさんの長編執筆順では6作目。う〜ん5作目とも類似している感じ。でも、ここに「トータルリコール」の原点をみた。主人公レイグルは「火星人は何処に」という国民的ゲームの2年間連続優勝者。

  • 催涙雨

    ディック作品を読みたいと思ったときに抱く動機というか、心情のようなものをきちんと満たしてくれる行儀のいい作品。ただし、読んだあとに残るパラノイアめいた感覚に限っていえばそう強いものではない。序盤は、実は自分が他人の作った虚偽の世界に捕らわれていて、その行動を誰かにモニターされているんじゃないか、みたいな強迫観念を猛烈に意識させるものなのだが、中盤から終盤にかけて虚構世界が実際に存在していることが明かされはじめ(そのためレイグルが抱いているのは実質的には強迫観念ではなく確信)、その理由をつまびらかにしていく

  • ハチアカデミー

    いま自分が生活をする家が、街が、実在しないものであったとするなら… 妻が、子供が、隣人が存在しない人間であったなら… そんな思考実験を作品に仕立てた傑作である。新聞のパズル〈火星人はどこへ?〉三年間を解き続けていることで有名なレイグルは、ある日、目の前のキオスクが消滅し、紙片になる様を目撃する。そこから、いま目の前にある世界に、疑念を抱き始め… 小さな町での日常が、最後には壮大な物語となって終わる。「はじめに言葉ありき」という舞台設定や、過去の記憶と場所、アメリカ人と移動の問題など、読みどころ多し。

  • 阿部義彦

    ディック、若いときの作品だけに、非常に端正な、物語運びです。〈火星人は何処へ〉という、懸賞クイズで生計を立てている、レイグル・ガム、ずっと勝ち続全国チャンピオンの知る人ぞ知る有名人。しかし、この世界は偽りの記憶で出来ており、これから先は読んでのお楽しみ!きっかけは弟夫婦のこどもが拾ってきた古本。パラレルワールドとも言える遥かな未来からの干渉その実、今のここからの脱走、色んな謎があり楽しめたし、晩年の暗い不幸なイメージもまだこの頃はなく、読後感も悪くないが「電気羊」に比べるとやや小粒なのは否めないかな。

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