Ruya Bitti: 夢は終わった

トルコの双子フラメンコ・デュオの姉オイキュが聴かせる哀愁のトルコ歌謡

かつて「トルコの美形兄姉」という触れ込みで、ここ日本でも大きな話題となったフラメンコ・デュオがオイキュ＝ベルク。特に2007年に発表した『クスメット〜運命』は、当時人気が爆発していたロドリーゴ・イ・ガブリエーラとの併売でかなりの大きなセールスを記録しました。そのオイキュ＝ベルクのお姉さんの方が、オイキュ・ギュルマン。その彼女が2015年に発表していたソロ・アルバムが実に素晴らしい内容でした。

オイキュ＝ベルクは、オイキュ（女性：ヴォーカル）とベルク（男性：フラメンコ・ギター／ヴォーカル）によるデュオで、当然二人とも同じ日（1982年8月4日）に生まれています。オイキュはトルコ古典声楽を、ベルクはフラメンコをそれぞれ学んでいましたが、その二つの要素を融合して新しい音楽を作ろうというアイディアのもと、留学先のスペインからベルクが帰国した後にその兄姉ユニットが結成されました。ファースト・アルバム『クスメット〜運命』では、その収録曲のプロモーション・ヴィデオがYouTubeで当時700万回以上ものアクセス数を記録するなど、大きな話題となりましたが、それはその斬新な音楽性のほか、ジャケットや映像などを通して見られる二人のルックスの良さも人々の関心を集めた大きな要因だったようです。そして2009年にはセカンド作『イキ・アラダ〜二人のあいだに』もリリースした彼らですが、現在ではデュオの活動の方は休止していて、それぞれソロ活動を行っています。ベルクの方はフラメンコを基調とした活動に専念、そしてオイキュも2011年に『ビル・バシュカ〜ソロ』を発表し、ソロ活動をスタートさせました。

そして『ビル・バシュカ〜ソロ』に続いて2015年に発表したのが本作『リュヤ・ビッティ〜夢は終わった』でした。軽快な前作と比べると、ややシリアスな曲調が多いですが、アクースティック楽器中心のアレンジの中、トルコ人歌手らしからぬ柔らかい歌い口のオイキュはここでも健在で、時にはフラメンコ調のギターやパルマ（手拍子）もフィーチャーされるなど、コンビ時代からのファンの琴線に触れそうなサウンドも登場。もちろんバーラマを中心としたハルク調の曲もあるなど、トルコらしさもしっかりと感じさせてくれます。

加えて綺麗なデジパック＆フルカラー・ブックレットもファンには嬉しいところ。トルコ歌謡ファンは是非注目してください。

（メーカーインフォメーションより）