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人間昆虫記

Osamu Tezuka

Product Details

Genre
ISBN/Catalogue Number
ISBN 13 : 9784253171205
ISBN 10 : 4253171206
Format
Books
Publisher
Release Date
March/1995
Japan

Customer Reviews

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Book Meter Reviews

こちらは読書メーターで書かれたレビューとなります。

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  • 新地学@児童書病発動中

    手塚治虫にしか書けない作品だと思う。暗く、重たく人間の暗黒面を抉り、それでいて読みだしたらやめられない面白にあふれた内容だった。主人公の十村十枝子は、自分が出会った人達の才能を盗み、まるで昆虫のように変身を遂げていく。彼女の変わり身の早さはブラックユーモアと狂気に満ちていて、読んでいてぞくぞくした。十枝子も人間なので、想いを寄せる男性が現れるのだが、二人は結ばれることはない。結末で彼女がつぶやく悲しい言葉が、読み手の胸に刻み込まれる。

  • AICHAN

    図書館本。そこいらの小説よりも断然面白い。このことは手塚治虫の全作品について言えることだ(『火の鳥』は別格として『ザ・クレーター』や『時計仕掛けのりんご』なども素晴らしい)。作家の北杜夫もそう言っていたと記憶する。発想、構築、描写(文章と漫画の違いはあれど)のどれを取ってもそこいらの作家先生ではとても敵わない。陳腐な表現だが天才だとしか思えない。

  • さきん

    手塚治虫の作品の中でもお気に入りの一冊。昆虫が上手い具合に物語の中で表現されている。大人向けの作品で男女の交わりを描いた場面も多い。主人公はあらゆる人の才能を丸々取り入れることが得意で、逆にその器用さが主人公及び周りの人々を苦しめていく。残酷な行為を無垢な女性がおこなうことが恐ろしい。書かれた当時の日本の権力構造が伺えて面白い。今もそこまで変わらないかもしれない。小説にしたら何か大きな賞を取れるぐらい話がよく練られている。

  • のぶのぶ

    十村十枝子は、「模倣の天才」、まねなのか盗作なのか、出会った人のよいところを吸収して変態していく。相手の良さをすいとり、相手を追い出し、その座を奪っていく、ファーブル昆虫記を読むと巣を横取りし、女王ありと入れ替わっていくありがいる。まさにそんな感じである。でも、幸せになれないところが悲しいところ。自分が素に戻れるのは、田舎の実家の家のみ。ファーブル昆虫記は、昆虫の「本能」について追求している。一見、昆虫は頭を使って凄そうに思えるが、本能で順番が決まっている。そんなところも盛り込まれているように思う。

  • さばずし2487398

    才能と美貌で欲しいものは全て手に入れ、邪魔者はことごとく消し去る悪女。これだけの頭の良さと美しさがあればどんな時代であろうと普通に幸せになれただろうに。人間の社会を昆虫記と銘打ってしまうのが面白い。当時の社会を手塚氏は、文学であれ芸術であれ真似事でもてはやされる、ガラス玉のようなものに感じていたのかもしれない。

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