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ワーグナーのすべて 平凡社新書

Osamu Horiuchi

User Review :3.0
(1)

Product Details

Genre
ISBN/Catalogue Number
ISBN 13 : 9784582856682
ISBN 10 : 4582856683
Format
Books
Publisher
Release Date
January/2013
Japan

Content Description

ワーグナーに“正しい解釈”なんてない。あるのは、時代を呼吸しながら、変化を続ける舞台だけなのだ。歌手、指揮者、そして演出家によって、刺激的で挑発的な舞台が続々と創り続けられる今、作品と彼自身が持ち続ける“毒”と“魔力”を、ワーグナーに魅せられ、追求し続ける著者が熱く語る。生誕二〇〇年。ワーグナーの作品に触れ、胸をいっぱいにするために書かれた一冊。

目次 : 1 ワーグナーの舞台(現代のワーグナー/ 過去のワーグナー/ いまの上演)/ 2 ワーグナー、作品とその時代(ワーグナーの作品/ ワーグナーの時代)

【著者紹介】
堀内修 : 1949年東京生まれ。音楽評論家(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

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著者の堀内さん、次のようにおっしゃいます...

投稿日:2013/04/01 (月)

著者の堀内さん、次のようにおっしゃいます。「ワーグナーは時代を呼吸し、絶えず変化する。新しい問題が見出され、表現されている。ここには正しいワーグナー像はなく、正しい作品案内もない」(はじめに、12〜13ページ)。堀内さんがこのように言うのは、音楽の面ではなくて、主に演出に関してであるといってよいでしょう。この本の「T ワーグナーの舞台」はまさしく近年多い「読み替え」演出について多く触れているからであります。堀内さんはそれらの新演出を必然かつ必要なこととして肯定しておられるようです。但し、私はなかなか同意しかねるところであります。といいますのは、まずは、作曲者がその曲(オペラ)を作ろうとした動機、霊感を再現することなしに曲の適切な理解はないと思うからなのであります。たとえば『ローエングリン』。コンビチュニーは小学校を舞台にし、いじめやらなんやら、そんな要素を盛り込んだそうです(未見)。ワーグナーがあの美しい音楽を書いたのは、小学生のいさかいを表現したかったからなのでしょうか?小学生の喧嘩に感動して、あのオペラを書こうと思ったのでしょうか?絶対に違いますよね。作曲者がなぜその曲を書こうとしたのか、何を表現しようとしたのか、そこから外れた演出を施すのは「適切ではない」と思うのです。「正しい」「正しくない」ではなくて、「適切か否か」で語るべき次元だと思います。もし絵画で言うならば「読み替え演出」は配色を変えたもの、とでも考えてみましょうか。「モナリザ」を下敷きにして彼女の顔を青に塗るとか、あるいは歌舞伎の隈どりを施すとか、そういうことはできましょう。そしてそのことであの女性の心理を掘り下げたとか何とか、説明も付けられましょう。でもそのことであの絵が輝きを増したり、まして作者の霊感に近づけるものでしょうか。「読み替え演出」は賞味期限も短く、しょせん児戯に等しいものと思います。近年のバイロイトのヒドさは悲しいばかりです。以上はあくまで私見。いろんなご意見や楽しみ方はあってよろしいかと思います。ただ、この本は最近のそういう動向に対してあまりに好意的であり、いささかいきすぎじゃないでしょうか。選べるものがたくさんあることが即幸福なのではないと思いますが。個人的にはやや期待外れの一書。ワーグナーの「魅力」をもっと素直に語ってくれたらよかったのに、と考えます。

ほんず内閣総理大臣 さん | 北海道 | 不明

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Book Meter Reviews

こちらは読書メーターで書かれたレビューとなります。

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  • かす実

    概観を掴む感じで読んだ。ワーグナー好きによって書かれた、ワーグナー好き或いはその予備軍のための本。こういうのは実際に好きな人によって語られた言葉がいちばん興味持って読めるので良い。後半の作品編でワーグナーの楽劇作品がどのような傾向をもって変遷してきたのか書かれており参考になった。こうしてちょっとずつ事前知識を入れた上で実際の鑑賞に臨みたい。しかしあれほど長大な脚本・複雑な音楽を、あれほど量産できたなんて常人ではない。音楽史に与えた影響はやっぱり計り知れない。

  • とびた

    ワーグナー好きな人の為の本だと思う。入門書としては少しその色が濃いか。

  • どら猫さとっち

    今年生誕200年を迎えるワーグナー案内。ワーグナー初心者はもちろん、すでに知っている人でも楽しめる。とはいっても、好きな人嫌いな人が分かれるのが多い。これを機に彼の世界に触れておきたい。

  • Teo

    私がワーグナーを初めて通しで聞いたのはシェローが演出しはじめた頃のバイロイト。夕暮れ迫る中で車を運転しながらNHK FMから聞こえてきた(筈。当時のバイロイト音楽祭の放送時間帯は)神々の黄昏にそれこそ天啓を受けた様な感じで、それ以降どっぷりとはまり、高校時代の友人と久し振りに会った時に「いつのまにかXがワグネリアンになっていた」と言わしめた。でもかと言って濃いワグネリアンではない。ほどほど。そんな感じの私が結構楽しめた一冊。思えばクラシックの分野で今も尚再生産が行われている数少ない分野がワーグナーだろう。

  • 長老みさわ/dutch

    ワーグナー好きによる、ワーグナー好きのための、ワーグナー(再)入門書。ワーグナー好きならば、とうに知っている事柄も多いと思うが、体系的に一冊にまとめられてワーグナーの生涯と作品についてが判りやすく読める。“オペラは、舞台芸術は、何よりワーグナーの作品は、時代と共に変わりながら、劇場において作品として生まれ続けている。(略)作品を上演するのではない、上演が作品なのだから。ワーグナーは、現在もなお未来の芸術家であり続けている”は至言。

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