Books

きりぎりす

Osamu Dazai

User Review :5.0
(1)

Product Details

Genre
ISBN/Catalogue Number
ISBN 13 : 9784101006130
ISBN 10 : 410100613X
Format
Books
Publisher
Release Date
November/2008
Japan

Product Description

あなたは、卑劣です。恥じて下さい。内なる太宰と外なる太宰の凄まじいまでの葛藤を写す珠玉の14編。

「おわかれ致します。あなたは、嘘ばかりついていました。……」名声を得ることで破局を迎えた画家夫婦の内面を、妻の告白を通して印象深く描いた表題作など、著者の最も得意とする女性の告白体小説「燈籠」「千代女」。著者の文学観、時代への洞察がうかがわれる随想的作品「鴎」「善蔵を思う」「風の便り」。他に本格的ロマンの「水仙」「日の出前」など、中期の作品から秀作14編を収録。

Content Description

「おわかれ致します。あなたは、嘘ばかりついていました。…」名声を得ることで破局を迎えた画家夫婦の内面を、妻の告白を通して印象深く描いた表題作など、著者の最も得意とする女性の告白体小説『燈篭』『千代女』。著者の文学観、時代への洞察がうかがわれる随想的作品『鴎』『善蔵を思う』『風の便り』。他に本格的ロマンの『水仙』『日の出前』など、中期の作品から秀作14編を収録。

【著者紹介】
太宰治 : 1909‐1948。青森県金木村生れ。本名は津島修治。東大仏文科中退。在学中、非合法運動に関係するが、脱落。酒場の女性と鎌倉の小動崎で心中をはかり、ひとり助かる。1935(昭和10)年、「逆行」が第1回芥川賞の次席となり、翌年、第一創作集『晩年』を刊行。この頃、パビナール中毒に悩む。’39年、井伏鱒二の世話で石原美知子と結婚、平静をえて「富嶽百景」など多くの佳作を書く。戦後、『斜陽』などで流行作家となるが、『人間失格』を残し山崎富栄と玉川上水で入水自殺(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

Customer Reviews

Comprehensive Evaluation

★
★
★
★
★

5.0

★
★
★
★
★
 
1
★
★
★
★
☆
 
0
★
★
★
☆
☆
 
0
★
★
☆
☆
☆
 
0
★
☆
☆
☆
☆
 
0
★
★
★
★
★
エルパカレビューに反対するようで申し訳な...

投稿日:2012/01/17 (火)

エルパカレビューに反対するようで申し訳ないが、この本の白眉は「畜犬談」だと思う。とにかく何度読んでも面白い。あまり難しく考えないで、楽しく読んで欲しいし、太宰治にはそういう一面もあることを、多くの人に知って欲しいと思う。

hk さん | 神奈川県 | 不明

0

Book Meter Reviews

こちらは読書メーターで書かれたレビューとなります。

powered by

  • 優希

    太宰中期の作品なだけあり、豊かな印象です。内面と外界との葛藤はあったでしょうが、破滅的な雰囲気は感じられません。最も安定した時期であり、文学的・芸術的な空気が醸し出されています。どことなく滑稽さがあるのも面白い。太宰が最も得意とする女性視点の作品は少ないように思いました。それでも自由自在に変化する作品を描いているのが凄いところです。映像化された『黄金風景』が好きです。

  • 扉のこちら側

    2016年337冊め。個性的な登場人物が出てくる作品や、すでに亡くなっている昔の作家作品を読むときに、「この著者が現代に生きていたらどんな作品を書いただろう」と思う時がある。その筆頭が太宰。ちなみに登場人物の筆頭がドストエフスキーの『地下室の手記』の主人公。太宰の自虐的な文はかさぶたの上を爪でくすぐられるようなむず痒さを感じる。女性視点の話が上手だと思うのだけれど、『斜陽』や『女生徒』の方がやはり好み。

  • 酔拳

    何度目かの再読です。女性告白体が興味をひく短編集です。特に、「きりぎりす」は売れない画家に嫁にいった女性の告白体で描かれていますが、こころに突き刺さる部分が強かったです。「私は、お金も何も欲しくありません。心の中で遠い大きいプライドを持って、こっそり生きていきたいと思います。という一文が心に突き刺さりました。他にも「灯籠」「皮膚と心」「「千代女」など女性一人称の作品が心に残ります。「水仙」「日の出前」もおもしろいです。

  • Willie the Wildcat

    既読の表題等を除き読破。批判を恐れず大別すると、もどかしさ/平静/好機。”もどかしさ”では『皮膚と心』が秀悦。波長同期の瞬間が、最後の”照れ”である。”平静”からは『姥捨』。最後の”未遂”が、下地とのこと。事前・事後の対照性に滲む苦悩の生々しさ、殊に「生」の観点が印象的。最後の”好機”は、もれなく『水仙』。菊池作品に掛けて問うのは、表層に潜む真実への気づき。言い換えれば、”好機”も心持ち次第!と語りかけているとも解釈できるなぁ。因みに、『畜犬談』はタイトルもどこか素直じゃないのが、氏らしさかもしれない。

  • nakanaka

    十四編から成る短編集。太宰治中期の安定した時期ということもあって傑作揃い。特に印象に残ったのは「善蔵を思う」でした。偽物の百姓に騙されてバラを購入するところから始まり、青森県出身の名士たちによるパーティーに参加し酒に酔い大恥をかくなど滑稽な主人公を描いた作品ですが最後に百姓が本物であったことが判明し人を信じようと改心するというなんともユニークな内容でした。体中に湿疹ができて精神的に疲弊していく妻とそれを静かながらも支える夫を描いた「皮膚と心」も良かったです。また犬との生活を描いた「犬畜談」は笑えました。

レビューをもっと見る

(外部サイト)に移動します

Recommend Items

HMV&BOOKS online Recommend