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慶長十七年(一六一二)陰暦四月十三日正午。豊前国小倉沖の舟島。真昼の太陽が照り付けるなか、宮本武蔵と佐々木小次郎がたがいにきびしく睨み合っている。小次郎は、愛刀「物干し竿」を抜き放ち、武蔵は背に隠した木刀を深く構える。武蔵が不意に声をあげる。「この勝負、おぬしの負けと決まった」。約束の刻限から半日近くも待たされた小次郎の苛立ちは、すでに頂点に達していた。小次郎が動き、勝負は一撃で決まった。勝ったのは武蔵。検死役の藩医に「お手当を!」と叫び、疾風のごとく舟島を立ち去る武蔵。佐々木小次郎の「巌流」をとって、後に「巌流島の決闘」と呼ばれることになる世紀の大一番は、こうして一瞬のうちに終わり、そして・・・物語はここから始まる。
舟島の決闘から六年後の元和四年(一六一八)夏。鎌倉は佐助ヶ谷、源氏山宝蓮寺。名もなき小さなこの寺で、いままさに寺開きの参籠禅がとり行われようとしていた。大徳寺の長老沢庵宗彭を導師に迎え、能狂いの柳生宗矩、寺の大檀那である木屋まいと筆屋乙女、そして寺の作事を務めたあの宮本武蔵も参加している。ところがそこへ、小次郎があらわれた。舟島でかろうじて一命をとりとめた小次郎は、武蔵憎しの一念で武蔵のゆくえを追いかけて、ここ宝蓮寺でついに宿敵をとらえたのだ。今度こそは「五分と五分」で決着をつけようと、小次郎は武蔵に「果し合い状」をつきつける。こうして、世に並ぶ者なき二大剣客、宮本武蔵と佐々木小次郎の命をかけた再対決が「三日後の朝」と約束されるのだが・・・。(公演プログラムより)
【映像ディスク内容】
記者発表から千秋楽まで舞台「ムサシ」の裏側を大公開!キャスト・スタッフで赴いた鎌倉建長寺での座禅体験や井上ひさし邸訪問など貴重な映像を紹介。蜷川幸雄をはじめとする、主要キャストによるスペシャルインタビューなど豪華映像が満載!
※Blu-ray Disc版の特典映像はディスクはDVDになります。
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