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History Of The Organ Box Set

User Review :5.0
(1)

Item Details

Genre
:
Catalogue Number
:
107508
Number of Discs
:
4
Format
:
DVD
Other
:
Import

Customer Reviews

Comprehensive Evaluation

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全4巻からなる『オルガンの歴史』シリーズ...

投稿日:2012/01/25 (水)

全4巻からなる『オルガンの歴史』シリーズ。オルガンの選定が実に見事な企画で、制作陣の深い見識を讃えたいと思います。音声および字幕は、英・独・仏語のナレーション+西語字幕となっており、日本語字幕は付きませんが、“MAIN MENU”の“LANGUAGES”で“ESPANOL”を選択するとスペイン語字幕+英語ナレーションとなり、理解しやすくなります。各巻の要約を下に掲載いたしますが、興味はあるがDVDの内容がよく分からず購入を迷っておられる方々のご参考になれば嬉しいです。また、何分にも素人の作業ですので、誤りがありましたらご指摘いただけますと幸いです。  第1巻は15世紀イタリアから16世紀スペイン、18世紀フランスへ至る、ラテン系オルガン音楽の源流と発展。15-17世紀にかけて活躍したオルガン職人一家、アンテニャーティ家が代々手を加え続けてきた、ブレーシャ、サン・カルロ・ボローメオ教会のオルガンは当時のイタリアのオルガン製作様式を伝える貴重なもの。この銘器を弾くルネ・サオルジャンによるフレスコバルディの音色が美しい。演奏を挟みながら、ヴェローナにあるバルトロメオ・フォルメンテッリの工房でのオルガン製作光景が紹介されています。スペインではトランペット管が前方に張り出した独特のパイプ配列を持つオルガンが特徴で、フランシス・シャペレが演奏する様々な楽器が実に個性豊かで、興味深い。フランスではジャン・ボイヤーが、パリ郊外ウーダンにあるルイ=アレクサンドル・クリコ製作のオルガンを演奏しています。  第2巻は17-18世紀、北ドイツ・オルガン学派。この巻ではレオンハルト、フォクルール、ハインツェによる演奏を収録。レオンハルトはアムステルダム、新教会の大オルガンでスヴェーリンクとブクステフーデを演奏。フォクルールはノルデン、聖ルドゲリ教会アルプ・シュニットガー・オルガンについての解説と演奏を担当。このオルガンは1688年製造で1985年にユルゲン・アーレントによる大規模な修復が行われており、フォクルールは各ストップの音色を一つ一つ、丁寧に解説しながら聴かせてくれます。彼の演奏によるヴェックマンとブクステフーデが、オルガンの音色と相まって実に素晴らしい。もう1台、1816年にカペルの聖ペトリ・ウント・パウリ教会に移設され、その後、オリジナルに可能な限り近い状態に修復されたアルプ・シュニットガー・オルガンも美しい。ハインツェの演奏によるJ.S.バッハは堅実で、オルガンの音色に聴き惚れてしまいます。  第3巻はフランスとドイツ、18世紀前半のオルガン音楽黄金時代。18世紀フランスのベネディクト会修道士であったドン・フランソワ・ベドス(1709-1779)は、楽器製作のみならず、今日においてもオルガン製作者が参考とする重要な著書『オルガン製作の技法』を世に遺しました。この巻ではオルガンの心臓部となる『風箱(Wind Chest)』の構造について、フランスのオルガン製作者ダニエル・ビルーストによる詳細な解説が興味深い。この巻はイゾワールによる演奏が大半を占め、マルシャン、ダンドリュー、J.S.バッハの作品を収録。特に、圧倒的威容を誇る城塞のようなアルビ、サント・セシル大聖堂にある、ムシュレル=フォルメンテッリ・オルガンを弾くイゾワールが圧倒的に凄い!このオルガンの修復を監修したクサヴィエ・ダラースによる詳細な解説も興味深く、(第1巻に登場した)バルトロメオ・フォルメンテッリが修復を行ったことを述べており、彼の説明からこの巨大なオルガンの呼び名の由来を知ることが出来ます。もう1台、ヴァインガルテン、聖マルティン教会ヨゼフ・ガブラー・オルガンの壮麗なバロック装飾も美しい。ここでもイゾワールは楽器を知り尽くしたストップ選択で、聴き手を唸らせます。第3巻は最初にレオンハルトの演奏もありますが、実質はイゾワールの独演会で、まさに圧巻!  第4巻は19-20世紀、シンフォニック/ロマンティック・オルガンとその作曲家達の時代。天才アリスティッド・カヴァイエ=コル(1811-1899)は三代続くオルガン職人の次男として生まれ、オルガンの巨大化に伴って重くなった機械式アクションを軽減する補助機構バーカー・レバーの採用など、空気圧の増大や全鍵盤の連結でも鍵盤のタッチが重くならない、革新的な機械式アクションを考案し、パリ郊外サン・ドゥニ大聖堂オルガンの製作を始めとして500ものオルガンをフランスおよびその周辺国に製作。彼のオルガンはもはや単一の楽器ではなく多数の楽器の集合体、オーケストラであり、彼の楽器に触発されて “フランス交響楽派”と呼ばれる新しいオルガン音楽が次々と生み出されました。リヨン、サン・フランソワ・ド・サル教会カヴァイエ=コル・オルガンを弾くルイ・ロビヤールによるレーガーとヴィドール、特にレーガー『序奏とパッサカリア』が素晴らしい。後半ではクサヴィエ・ダラースが日本人女学生にフランク『英雄的小品』をレッスンする様子や、マリー=クレールがインタビューに応えながら、ルツェルン、ホーフ教会で修復成ったばかりのネオ・クラシック様式の大オルガンで兄ジョンとメシアンの作品を演奏する様子が収録されています。第4巻の充実ぶりには、大バッハ以降もオルガン音楽は決して衰退していないという、制作陣の強いメッセージが感じられます。

もくでん さん | 大阪府 | 不明

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