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ハンナ・アーレント「全体主義の起原」 2017年 9月 Nhk100分de名著

Nhk100分de名著制作班

Product Details

Genre
ISBN/Catalogue Number
ISBN 13 : 9784142230785
ISBN 10 : 4142230786
Format
Books
Publisher
Release Date
August/2017
Japan
Co-Writer, Translator, Featured Individuals/organizations
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Book Meter Reviews

こちらは読書メーターで書かれたレビューとなります。

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  • (haro-n)

    アーレントの著書は難解とのことで、私も「人間の条件」を読み直ぐに挫折…その後は敬遠していました。この本は「全体主義の起原」と「エルサレムのアイヒマン」の概要を分かりやすく纏めている上に、現代社会の問題との関連性にも触れている為、歴史や思想を学ぶことの意義を感じることができました。反ユダヤ主義は国民意識の形成と密接に関わり、それまでユダヤ人は「外」にあって憎悪の対象だったのが、国民として取り込む中で「内」なる異分子となり、「内」に取り込むことでユダヤ人排除の土台が築かれたとのこと。痛ましく思いました。

  • Shintaro

    NHKテキストの感想を上げるのは趣味ではないが【ナチス祭り】を標榜する僕にとって、ハンナ・アーレントはいきなり核心を衝く思想家である。本テキストは『全体主義の起原』全3巻と『エルサレムのアイヒマン』(以下、本編という)をわかりやすく解説している。しかし「わかりやすい」はある意味問題をはらむ。例えば反ユダヤ主義は当時「わかりやすかった」のである。わかりにくくても本編を読むことが僕のミッションだ。本編を読まないということは、僕にとって、ある日隣人が連行されるのを見て見ぬふりをすることとほぼ同義なのである。

  • おさむ

    その難解さと長さからこれまで何度も挫折した名著が、NHKの100分deシリーズで放送されると聴き、迷わず購入。「エルサレムのアイヒマン」と合わせて紹介されており、アーレントの思想の真摯さが身にしみます。ナチスを支持し、ユダヤ人を虐殺したのは「考えることをやめて、安直でわかりやすい物語的世界観に追従した大衆」であった。「ごく普通の人も一定の条件下では権威者の命令に服従する」。そして、悪とは「非凡」でなく「平凡な」ものという重たい事実。トランプ大統領の誕生した米国で本著が再評価されていることが実感できました。

  • 1959のコールマン

    ☆5。おそらく現在発行されているハンナ・アーレントものでは一番分かりやすく、従って入門書として最適だろう。彼女自身のことは最小限にまとめ、考え方も「全体主義」に集中して解説が進められている。なお、「イェルサレムのアイヒマン」についても解説あり。「人間の条件」の解説は無し。他をあたるしかないだろう。ただ注意。本書は分かりやすいが「分かりにくい」。熟読しないととんでもない誤解を生むだろう。今現在リアルタイムの日本及び日本人の姿がここにはたっぷり解説されている。熟読プラス深く考えながら読むべし。

  • かめりあうさぎ

    国民国家、帝国主義、人種思想を経てやがて産まれる全体主義への流れ。無思想の大衆、それは自分のことでもあると気づかされ寒気がした。誰もがアイヒマンになりうる。それは大袈裟な言い回しでもなんでもないと思った。じゃあそうならないためにはどうすればいいのか。その鍵として「複数性に耐え分かりやすさの罠にはまらないこと」を伝えている。真実を書くことでアーレントが失ったものは大きく、しかしその結果も引き受ける覚悟で執筆を続けた彼女の信念を貫く強さと誠実さを無駄にしてはいけないと思いました。

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