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福島第一原発事故の研究

Nhkメルトダウン取材班

User Review :4.0
(1)

Product Details

Genre
ISBN/Catalogue Number
ISBN 13 : 9784065225295
ISBN 10 : 4065225299
Format
Books
Publisher
Release Date
March/2021
Japan
Co-Writer, Translator, Featured Individuals/organizations
:

Content Description

東日本壊滅はなぜ免れたのか? 取材期間10年、1500人以上の関係者取材で浮かび上がった衝撃的な事故の真相。
他の追随を許さない圧倒的な情報量と貴重な写真資料を収録した、第一級のノンフィクションがついに刊行。736ページの完全保存版

思いも寄らない真相が次々明らかに
真相1 吉田所長の英断「海水注入」はほとんど原子炉に届かなかった
真相2 1号機で唯一残された冷却装置は40年間にわたり「封印」されてきた
真相3 原子炉を救う減圧装置には、高温高圧になると動作しにくくなる弱点があった
真相4 2号機の消防注水の失敗が皮肉にもメルトダウンの進行を遅らさせて「最悪の事態」を防いだ
真相5 巨大な津波に備えて、津波対策に着手していた原発があった

東日本壊滅が避けられたのは偶然の産物だった!?
極限の危機。核の暴走を食い止めようと、吉田所長らは、爆発や被ばくの恐怖と闘いながら決死の覚悟で現場にとどまり、知恵を絞り出して、原子炉に水を入れ続けた。幸いにして、格納容器の爆発は免れた。当時の政府のシミュレーションでは、最悪の場合、福島第一原発の半径170キロ圏内がチェルノブイリ事故の強制移住基準に達し、半径250キロ圏内が、住民が移住を希望した場合には認めるべき汚染地域になるとされた。半径250キロとは、北は岩手県盛岡市、南は横浜市に至る。東京を含む東日本3000万人が退避を強いられ、これらの地域が自然放射線レベルに戻るには、数十年かかると予測されていた。
10年にわたる取材で、この最悪シナリオが回避されたのは、消防注水の失敗や格納容器のつなぎ目の隙間から圧が抜けたりといった幾つかの偶然が重なった公算が強い。この事故では、当初考えられていた事故像が新たに発見された事実や知見によって、どんでん返しのように変わった例は枚挙に暇がない。この極限の危機において、人間は核を制御できていなかった。それが「真実」である。

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フクシマ50をイメージして読み始めると痛い...

投稿日:2021/04/11 (日)

フクシマ50をイメージして読み始めると痛い目にあう。あんなぬるい話ですらない。もっと現実は異常事態の連続であり、苦痛な感情を伴うものだった。NHK取材班ですらこんな本を出すんだから、内部をさらに知る人間が書いたらものすごいことになるんだろうと思わせられる異様な書籍だった。

prince coffee #2 さん | 不明 | 不明

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Book Meter Reviews

こちらは読書メーターで書かれたレビューとなります。

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  • ぶち

    多くの関係者への取材、海外の原発機関、調査機関での検証実験、豊富な写真資料と図説が収録されていて、その情報量は圧倒的です。タイトルに"真実"とあるとおり、まさに真実に迫ったノンフィクションです。第一部は、事故の顛末を追体験するかのように刻一刻と悪化する状況が緊迫感をもって迫ってきます。第二部では、事故後10年間に判明した事実に基づく原因分析とその結果が報告されています。私が読み取ったことは "人間は核を制御出来ていなかった" という "真実" です。この本は、幅広い方に読まれてほしい名著だと思います。

  • きみたけ

    700頁の大作につきこの冬休みに読むことに。NHKスペシャル「メルトダウン」の取材を元にした本。NHK取材班の総力に脱帽。第一部は福島原発事故の一部始終を紹介、第二部では10年間の詳細な要因分析から、事故を防ぐ手立てが本当になかったのか検証してます。東日本壊滅の最悪のシナリオが回避できたのは、消防注水の失敗や格納容器の繋ぎ目のすき間から圧が抜けたりといった偶然が重なったとの見方。イソコンの定期的な実動作試験をしていれば、あるいはバックチェックによる再評価を東電が真摯に受け止めていれば、重大事故は防げたか。

  • たまきら

    私たち都民は「たまたま」避難しないで済んだだけだった…最初から最後まですごい熱量です。故・吉田昌郎元所長への敬意の言葉から始まり、死を覚悟して奔走した現場の人々の姿を、現実的な事故対策を怠ってきた「臭い物に蓋」様の組織(電力会社、政府)対応を、なぜ日本は過ちから学べないのかを膨大な取材でわたしたちに見せてくれるこの本は、決して読みやすい本ではありません。読み終わって呆然とし、ところどころ章を再度拾い読みしながら、いま怒りと恐怖、そして悲しみでいっぱいです。自然災害の多いこの国で、原発は失策です。

  • バイクやろうpart2

    『真実』というタイトルに惹かれ3.11、手にしました。つい昨日もドローンで原子炉の中を撮影したことを報道していましたが、あらためて想像出来ない時間をかけて『真実』を追い求めること感じます。その『真実』がこれからの原発安全に活かされることを祈るばかりです。

  • 十重二十重に安全の為に装備を強化して備えたとしても、自然の、否、地球の力は薄紙を破るように破壊してゆく。「核のゴミ」を完璧に処理する技術が確立されていない事を見ても、人類は核を制御する術を持っていないという事を踏まえて、「リスクに向き合う覚悟」を全ての人間が持たなければならないのではないだろうか。電気を生み出す電力会社だけでは無く、電気の恩恵に与る私達も「覚悟」について考えなくてはと思う読書だった。技術的に分からないことの方が多かったが、読んで良かった。読み切った。

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