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福島第一原発事故の真実 ドキュメント編 講談社文庫

Nhkメルトダウン取材班

Product Details

Genre
ISBN/Catalogue Number
ISBN 13 : 9784065328170
ISBN 10 : 4065328179
Format
Books
Publisher
Release Date
February/2024
Japan
Co-Writer, Translator, Featured Individuals/organizations
:

Content Description

東日本壊滅はなぜ免れたのか? 取材期間10年、1500人以上の関係者取材で浮かび上がった衝撃的な事故の真相。
他の追随を許さない圧倒的な情報量と貴重な写真資料を収録した、第一級のノンフィクションがついに文庫化。ドキュメント編は、事故発生の経過を緊張感溢れる迫真の筆致で描く

思いも寄らない真相が次々明らかに
真相1 吉田所長の英断「海水注入」はほとんど原子炉に届かなかった
真相2 1号機で唯一残された冷却装置は40年間にわたり「封印」されてきた
真相3 原子炉を救う減圧装置には、高温高圧になると動作しにくくなる弱点があった
真相4 2号機の消防注水の失敗が皮肉にもメルトダウンの進行を遅らさせて「最悪の事態」を防いだ
真相5 巨大な津波に備えて、津波対策に着手していた原発があった

東日本壊滅が避けられたのは偶然の産物だった!?
極限の危機。核の暴走を食い止めようと、吉田所長らは、爆発や被ばくの恐怖と闘いながら決死の覚悟で現場にとどまり、知恵を絞り出して、原子炉に水を入れ続けた。幸いにして、格納容器の爆発は免れた。当時の政府のシミュレーションでは、最悪の場合、福島第一原発の半径170キロ圏内がチェルノブイリ事故の強制移住基準に達し、半径250キロ圏内が、住民が移住を希望した場合には認めるべき汚染地域になるとされた。半径250キロとは、北は岩手県盛岡市、南は横浜市に至る。東京を含む東日本3000万人が退避を強いられ、これらの地域が自然放射線レベルに戻るには、数十年かかると予測されていた。
10年にわたる取材で、この最悪シナリオが回避されたのは、消防注水の失敗や格納容器のつなぎ目の隙間から圧が抜けたりといった幾つかの偶然が重なった公算が強い。この事故では、当初考えられていた事故像が新たに発見された事実や知見によって、どんでん返しのように変わった例は枚挙に暇がない。この極限の危機において、人間は核を制御できていなかった。それが「真実」である

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Book Meter Reviews

こちらは読書メーターで書かれたレビューとなります。

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  • とくけんちょ

    あの日、テレビで流れる津波の映像が真実だとは思えなかった。繰り返し流れる爆発する建屋の映像は、どこか遠い遠い世界の映像のように感じた。ページをめくりながら、自分の国の歴史を振り返る。今になって、感じるリアル。次は検証編。

  • moonlight

    東日本大震災の津波で全電源喪失した福島第一原発。資材も人材も、そして水も食糧も乏しい中、高い放射線に曝されながら不眠不休で尽力した現場の人に頭が下がる。最悪の場合、北は盛岡南は横浜まで避難区域になる事態を免れたのは間違いなく現場の人々のおかげ。しかし、神仏のご加護としか思えない僥倖もあった。未だに検証できていない事もある。狭い国土に複数の原発がある日本、決死の覚悟のヒーロー頼みや神頼みではなく、事故から学んで非常時の備えをしなければ、この渾身の取材と当時の現場が泣くだろう。

  • chanvesa

    3.11の日、土日と緊急特番をやその後のドキュメンタリーをテレビで見ていたが、検証が進み、さらなる危機に陥らなかったことが偶然の産物であったり、そして検証もまだできない不明点があること、重く伝わってくる。強い責任感を持って決死の覚悟で現場に向かう作業員の方がたくさん出てくるが、ヒロイズムを煽る表現でなくても感動的である。警備会社の幹部の方のサイトから退避前のメモの遺書の内容と写真、そして事故の収束作業が若干落ち着いてから、遠隔操作のロボットの会社の社長の吉田所長の会話(336頁〜)は大きな印象を残す。

  • ベンアル

    2011年の福島第一原子力発電所事故について、NHK取材班が報告書、関係者の証言、ビデオ会議をもとにわかりやすく記載している。特に2号機は炉内の状況がわからないので、これからも事故の推移は変わってくるかもしれない。次は検証編を読みたい。

  • Akki

    新卒1年目が終わろうとしていたあの日、激しく揺れる校舎の中を走り回って避難誘導した。寒空の下で震えて泣く生徒の背中をずっとさすった。夜の職員室でニュース画面から目を離せなくなった。真っ暗な夜道を譲り合いながら帰宅した。まもなく臨時休校となった校舎に出勤すれば、誰もが不安と手持ち無沙汰感に悩んでいた。生徒がいない校舎はあまりにも静かで、計画停電が始まればなおのこと、全てが静寂に包まれるのだった。……さまざまな記憶の自動再生とともに本書を読み進め、なんとも言えない気持ちになった。現場にいたすべての方に敬意を。

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