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ふるさとを創った男 唱歌誕生 小学館文庫

Naoki Inose

Product Details

Genre
ISBN/Catalogue Number
ISBN 13 : 9784094085204
ISBN 10 : 4094085203
Format
Books
Publisher
Release Date
May/2024
Japan

Content Description

唱歌誕生の影に存在した壮大な人間ドラマ

「僕」は、島崎藤村の「千曲川旅情の歌」への興味と、『破戒』が生まれるまでの道筋をつまびらかにしておきたいという思いから、真宗寺を訪れる。真宗寺は、『破戒』に登場する蓮華寺のモデルとなった寺である。藤村は、小説の取材(であることは、そのとき隠していたのだが)で、真宗寺を数回訪れていたのだ。しかし、住職の姉、武子から話を聞き、調査を進める中で、「僕」は、真宗寺に眠るもう一つの物語の存在に気づく。それは、かつて真宗寺に下宿し、寺の娘、鶴江と結婚してのち、「故郷」「朧月夜」「紅葉」「春の小川」を生み出した高野辰之の隠された生涯に迫る物語であった。
長きにわたり作者不詳とされた文部省唱歌。彼はなぜ、唱歌を作詞することになったのか。その謎を解くため、「僕」は、上京後の辰之の足取りを追い、作曲を担当した岡野貞一の生涯をも明らかにしていく。
さらに、西本願寺第二十二世門主で大正天皇の義兄となり、三回にわたりシルクロード探検隊を派遣した大谷光瑞、藤村作『椰子の葉陰』のモデルとなった藤井宣正、そして、真宗寺の娘たち‥‥。近代化・欧米化の波に追われた明治後期から昭和初期を生きた人々の生き様と夢が描かれる。人間味溢れる壮大な物語。


【編集担当からのおすすめ情報】
歌の陰で、名前さえ明らかにされなかった2人の作者の人生が、著者の丁寧な取材によって一つの物語となり、スポットライトを浴びることとなった本作。「故郷」が生まれて110年という節目の年に、再び文庫化となりました。
著者の、故郷を思うあたたかなまなざしと、同郷人への愛を感じる物語でもあります。
明治末期から昭和初期の、光と影が複雑に絡み合った時代の風を感じながら、懐かしい歌の数々に、改めて出会っていただきたいと思います。


【著者紹介】
猪瀬直樹 : 1946年長野県生まれ。’87年『ミカドの肖像』で大宅壮一ノンフィクション賞、’96年『日本国の研究』で文藝春秋読者賞を受賞。東京大学客員教授、東京工業大学特任教授を歴任。’07年東京都副知事、’12年東京都知事就任。’13年辞任。’15年大阪府・市特別顧問就任。’22年から参議院議員(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

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Book Meter Reviews

こちらは読書メーターで書かれたレビューとなります。

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  • 5256

    「この2人の作品がなんでこんなに教科書に載ってるんだろう」子どもたちから出た疑問に答えるべく、読みました。明治時代から大正の初めにかけて、文部省唱歌がどのような背景で作られたのかとてもよく分かった。辰之と貞一に想いを馳せながら、心を込めて指導していきたい。 藤村が夢を追う傍ら女3人と奥さんを亡くし、幼い子2人も里子に出していたのがわりと衝撃..

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