CD

Pictures At An Exhibition: Mejoueva +etc

Mussorgsky, Modest (1839-1881)

User Review :4.0
(6)

Item Details

Genre
:
Catalogue Number
:
WAKA4108
Number of Discs
:
1
Format
:
CD
Other
:
Live Recording

Product Description

全身全霊を傾けた凄演『展覧会の絵』
イリーナ・メジューエワ

深い呼吸が絶妙な“間”を与えタッチのひとつひとつに豊潤さをたたえるポロネーズ。一連のショパンで美しく柔らかい空間を形成するなかで異彩を放つのが『革命』。冒頭の16分音符の処理は主要な音を強調するという離れ業で斬新な構想を披露します。メジューエワの文字通り全身全霊を傾けた注目の『展覧会の絵』。引きずるテンポで異様な形相を呈すビドロ。惨いまでの厳しさと恐怖は、外見だけでなく内面的な恐ろしさすらも描き出すおどろどろしいもの。聴いているだけで精神的に追い詰められる厳しさは必聴。対照的に雛鳥の可愛らしさが際立つ「殻をつけたひなどりのバレエ 」。シンメトリーとなる明るさや厳しさがこの凄演を生み出しますが、終曲「キエフの大門」は壮観。打ち下ろされる音の柱もさることながら、01:56からの神秘的な無の空間の美しさから、03:35の荘厳な力強さからフィナーレへと向かう神々しさは聴くものを魅了します。得意のメトネルも幻想的な世界を魅せ、安息の一呼吸を与えます。なお、ブックレットにイリーナ本人のエッセイを収録しているのも見逃せません。


『展覧会の絵』〜ライヴ・イン・魚津
ショパン:ポロネーズ 第1番 嬰ハ短調 作品26の1
ショパン:エチュード(3曲)〜『エオリアン・ハープ』/『別れの曲』/『革命』
ムソルグスキー:『展覧会の絵』
メトネル:おとぎ話 作品26の3
ショパン:プレリュード(2曲)〜作品28の11&7
録音: 2004年12月2日、新川文化ホール(富山県魚津市)
  STEREO/24-Bit Digital Recording


「・・・イリーナは、さながらロシアの大地を踏みしめてゆくようなじっくりとした歩みで弾き進めてゆく。遅めのテンポによる彫りの深い演奏によって、『展覧会の絵』が如何に前衛的作品であったかがあぶりだされ、往時の聴衆の驚きを追体験しているような錯覚を覚えるほどだ。楚々とした華奢な容姿からはとても想像できない重厚でテンションの高い演奏で、ラヴェルによる管弦楽編曲のようなスマートで華麗な音楽とは対極にあるといってよい。そこには、作品(楽譜)に忠実であろうとする客観性と、こぼれ落ちんばかりの音楽的感情を赤裸々に吐露しないではいられないかような切迫感とがあり、しかも両者が矛盾なく同居していて強い説得力を放っている。これは、思わず襟を正して聴きたくなる、まさに渾身の演奏だ。・・・」(國嵜裕〜ライナーノートより)


イリーナ・メジューエワ
ロシアのゴーリキー(現ニジニー・ノヴゴロド)生まれ。モスクワのグネーシン特別音楽学校とグネーシン音楽院にてウラジーミル・トロップに師事。1992年ロッテルダムで行われたE.フリプセ国際コンクールでの優勝をきっかけに、オランダ、ドイツ、フランスなどで公演を行う。1997年より日本を本拠地として活動を続け、国内各地での演奏会は好評を博している。
バロック、古典派から近・現代の作品まで幅広いレパートリーを手がけるが、近年再評価の進むロシアの作曲家ニコライ・メトネルの作品紹介の第一人者としても活躍しており、2001年にはメトネルの没後50年を記念したシリーズ「忘れられた調べ」でメトネルの主要作品を4夜にわたって取り上げ注目を集めた。
日本でのコンサート・デビュー5周年にあたる2002年には浜離宮朝日ホールでのシリーズ演奏会を行ったほか、スタインウェイ・ジャパン株式会社による全国コンサートツアー、さらに「デビュー5周年記念ツアー」を行う。2003年11月には日本国内4都市でサンクト・ペテルブルク放送交響楽団と共演を行うなど、精力的な演奏活動を展開している。(若林工房)

Customer Reviews

Read all customer reviews

Comprehensive Evaluation

★
★
★
★
☆

4.0

★
★
★
★
★
 
3
★
★
★
★
☆
 
1
★
★
★
☆
☆
 
1
★
★
☆
☆
☆
 
1
★
☆
☆
☆
☆
 
0
★
★
★
★
☆
冒頭のポロネーズだけでもこのCDを買う価...

投稿日:2010/05/10 (月)

冒頭のポロネーズだけでもこのCDを買う価値があると思う。「革命」は評価が分かれるだろう。はじめて聴いたときはびっくりしてイスから転げ落ちそうになった。メインのムソルグスキーは、カッコいい演奏を期待するとはぐらかされるが、テンポがすごく遅いのに、つい聴いてしまう面白さがある。昨今の若手のキレのよい演奏がつまらなくなく感じられる人には評価が高いと思う。クラシックのライブの面白さを堪能できる。音楽は、「より早く、より高く」だけではないのだ。

おっさん さん | 神奈川県 | 不明

0
★
★
★
★
★
最近多い、響き過多なゲテモノ展覧会演奏と...

投稿日:2006/12/26 (火)

最近多い、響き過多なゲテモノ展覧会演奏とは一線を画す。この曲は、絵というフレームにミニマム化された、時代に踊らされた個人の独白が本来の大きさで、アップライト用の曲だ。最近の若手は物理的な指の運動性はやたら立派だが、時間をかけた蓄積により獲得される和声感覚等を無視したような、恣意的で、音に対する感覚が脆弱な表面的効果のみに走る演奏が多い。メジューエワの演奏は例外的に適正なサイズから攻めており、この曲をロシア文学的な肖像画的な世界として捕らえている。

御輪日明 さん | 鳥野 | 不明

4
★
★
★
★
★
倉敷でのコンサート終了後、夫婦で倉敷の町並みの...

投稿日:2006/11/10 (金)

倉敷でのコンサート終了後、夫婦で倉敷の町並みの中を歩く姿は、一般の観光客のようでした。実際、生で聴きましたが、「展覧会の絵」素晴らしかったです。勿論、CDだと生々しさは半減しますが、素晴らしい演奏には変わり無いです。

コロ さん | 徳島県 | 不明

2

Recommend Items