The Assassination Of Trotsky

1940年8月20日、ロシア革命の指導者でメキシコへ亡命していた革命家レフ・トロツキーが暗殺された。世界に大きな衝撃を与えたこの歴史的事件を「赤狩り」でイギリスへ亡命し、『唇からナイフ』『恋』などで知られる名匠ジョセフ・ロージーが映画化した異色サスペンス。
クレムリンより暗殺の密命を受け、次第に心理的に追い詰められてゆく孤独な暗殺者を世界的スターのアラン・ドロンが冷徹に演じる。
彼が狙う革命家トロツキーを英国の名優リチャード・バートンが演じ、圧巻の演技を披露する。
ついに2人が対峙する白熱と緊迫のラストは観客に大きな衝撃を残す。そしてヨーロッパを代表する名優ロミー・シュナイダーが暗殺者の恋人を熱演。この3人のキャラクターの内面を静かに凝視するロージー監督の的確な演出により心揺さぶる人間ドラマに仕上がっている。
撮影はルキーノ・ヴィスコンティの『ベニスに死す』やロベール・ブレッソンの『ラルジャン』など数々の映画史に残る傑作を手がけたパスクァリーノ・デ・サンティスが担当。


＜スタッフ＞
監督：ジョセフ・ロージー
脚本：ニコラス・モズレー
撮影：パスクァリーノ・デ・サンティス
編集：レジナルド・ベック
美術：リチャード・マクドナルド
音楽：エジスト・マッキ

＜キャスト＞（日本語吹替）
アラン・ドロン（野沢那智）
リチャード・バートン（大木民夫）
ロミー・シュナイダー（谷育子）
ヴァレンティナ・コルテーゼ（高村章子）
エンリコ・マリア・サレルノ（細井重之）

＜ストーリー＞
スターリンの密命を受け、フランク・ジャクソンはメキシコへ旅立った。ロシア10月革命の指導者で、権力抗争に敗れソ連から追放された革命家レフ・トロツキーを暗殺するためだ。トロツキーは暗殺の危機を感じつつ、厳重な警備に守られ革命活動に没頭していた。フランクはトロツキーに近づくため、彼の秘書ジタに接近するが、やがてフランクは任務の重圧により精神的に追い込まれてゆく。

劇場公開：1972年11月18日