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【ストーリー】
イタリア、南トスカーナ地方の小さな街アレッツォ。講演に訪れたイギリス人の作家(ウィリアム・シメル)が、現地でギャラリーを経営している魅力的なフランス人女性(ジュリエット・ビノシュ)に出会う。作家の新作のテーマでもある、芸術におけるオリジナルと贋作の問題について議論を交わし、美術品の宝庫である美しい村ルチニャーノへとドライブへ出かけた二人は、途中で立ち寄ったカフェの女主人が彼らを夫婦だと勘違いしたのをきっかけに、あたかも長年連れ添った夫婦であるかのように装い始める。
しかし彼らがゲームのように楽しんできた虚構の偽装関係は、時間を経るにしたがって変化していき、彼らの心の中にさざ波が広がっていく。偽りの関係の揺らぎから抜け出そうとする女と、現実の世界を堅持しようとする男。いったい彼らの、どこまでが演技で、どこまでが本当の感情なのか…。やがて登場人物、そして観客までもが、何が真実で何が偽物なのかの境界線を失っていく。映画の終わりとともに、夜9時の鐘の音が鳴るまでは…。
【キャスト】
彼女 / ジュリエット・ビノシュ
(「ポンヌフの恋人」「イングリッシュ・ペイシェント」「隠された記憶」)
作家ジェームズ・ミラー / ウィリアム・シメル
(英国の誇る世界的なバリトン歌手。本作で俳優デビューを飾る)
広場の男 / ジャン=クロード・カリエール
広場の女 / アガット・ナタンソン
カフェの主人 / ジャンナ・ジャンケッティ
息子 / アドリアン・モア
【スタッフ】
監督・オリジナル脚本 / アッバス・キアロスタミ
(「明日へのチケット」「風がふくまま」「桜桃の味」「友だちのうちはどこ?」)
製作 / マラン・カルミッツ、シャルル・ジリベール、アンジェロ・バルバガッロ
製作総指揮 / ガエターノ・ダニエル
脚色 / マスメ・ラヒジ
撮影 / ルカ・ビガッツィ
編集 / バフマン・キアロスタミ
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