ジャケが印象的。John Lewis のオリジナル曲は1種の描写音楽で聴いてあまり面白いものではなく、構成の妙(曲順も含め)を楽しむべきもの。2曲のスタンダードは抑えた表現ですが何だかホッとします。WoundedBird での再発は音質の詰めが甘く、盤の精度も良くないので音質にこだわる方にはお薦めしません。

ＭＪＱの数あるカタログの中で一番ヒップなアルバムがこれじゃないかな。Ｓ・ザゴルスキの描いた保安官のイラストはめちゃくちゃかっこいい。そのくせ中身はＭＪＱのファンにはとっつきにくいレパートリーばかりなんだ。全部でたったの３０分しかないしね。実際この後彼らも２度と録音しなかった曲ばかりなんだよ。何度もくりかえして聴きこむ類の作品じゃないかもしれない。だけど気軽に聴き流しながらジャケットを手にとってながめてるだけでも、おつりは十分くると思うな。

ラボによる再発は唯一音質の向上があるか否かにかかっている。そして大概はノイズ除去と引き替えに音の厚みを失い、クリアさと引き替えに高域が電子音化してしまう。こちらのセットも、まさにドツボにはまった格好だ。その上、プレスティッジＣＤシリーズにはなかったワウフラ感があったり、レベル変動もみられたり、マスターの差がありあり。ただノイズぽさはないので、安く気軽に聞きたい向きにはお得なセットかもしれない。