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戦時下の政治家は国民に何を語ったか Nhk出版新書

Masayasu Hosaka

Product Details

ISBN/Catalogue Number
ISBN 13 : 9784140887301
ISBN 10 : 4140887303
Format
Books
Publisher
Release Date
November/2024
Japan

Content Description

初の普通選挙、太平洋戦争、そして終戦。時の首相は、壇上から何を訴えたのか――

昭和の幕開けから戦時体制へ、歴史が最悪のシナリオに向かう過程で、時の首相は、各党の指導者は、国民に何をどのように語ったのか。1928年に初の普通選挙に臨む田中義一から、1945年の終戦時に内閣を率いた鈴木貫太郎まで。昭和史研究の泰斗・保阪正康が、NHKに残された戦前・戦中の政治家24人の演説の肉声を活字にして、その一つ一つに解説を付しながら、太平洋戦争までの実態を明らかにする、類を見ない一冊!

第一章 初の普通選挙に臨む
田中義一――初の普通選挙法に向けて
浜口雄幸<1>――経済難局の打開に向けて
浜口雄幸<2>――総選挙に臨む立憲民政党の立場
尾崎行雄――「憲政の神様」の総選挙
安部磯雄――無産政党の使命とは
大山郁夫――政治的自由獲得のための闘争

第二章 満洲事変勃発
若槻礼次郎――ロンドンより海軍軍備の縮小について
犬養毅――満洲事変後の日本の根本問題
永井柳太郎――日本は政友会の日本ではない
井上準之助――金輸出再禁止の決行は誤り
高橋是清――財政支出が需要拡大を推進する
斎藤実――「非常時の覚悟」をもって困難と戦う

第三章 国際連盟脱退から日中戦争へ
松岡洋右――国民精神を作興すべし
岡田啓介――ロンドン海軍軍縮会議脱退後の総選挙に向けて
広田弘毅――ドイツとの間の防共協定締結
林銑十郎――二大政党に反省を求む
近衛文麿――国民政府を対手とせざるの方針
平沼騏一郎――支那事変に対処すべき方針は確固不動

第四章 第二次世界大戦始まる
阿部信行――東亜新秩序の確立は不動の国策
斎藤隆夫――羊の正義は狼の前には三文の値打ちもない
近衛文麿<1>――大政を翼賛し奉らなければならない
近衛文麿<2>――産国相寄り合い、軍事同盟の威力を発揮せん
松岡洋右――米国の態度をすこぶる遺憾とする者である
   
第五章 太平洋戦争、そして終戦
東條英機<1>――一億国民が国に報い国に殉ずるの時
中野正剛――東方会精神にのっとり、全国民の信頼にそわん
米内光政――山本五十六元帥の英霊に応うる道
東條英機<2>――皇運を扶翼し奉るの日は今日来た
小磯国昭――総力を結集して敵に当たり、その非望を粉砕すべき道
鈴木貫太郎――私が一億国民諸君の真っ先に立って死花を咲かす

【著者紹介】
保阪正康 : 1939年、北海道生まれ。ノンフィクション作家。同志社大学文学部卒。「昭和史を語り継ぐ会」主宰。個人誌「昭和史講座」の刊行により菊池寛賞、『ナショナリズムの昭和』で和辻哲郎文化賞など受賞多数(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

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Book Meter Reviews

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  • skunk_c

    NHK出版が出していたカセットブックのシリーズに収録されていた演説を著者が起こして解説を加えたもの。首相など主要な政治家の他、尾崎行雄、安部磯雄、大山郁夫などの政党人の者も取り上げてあり、時期もほぼ戦前昭和期でありタイトルよりやや広い。演説の巧みさの陰にある「本音」を著者が読み解いていくのが一番の醍醐味。中野正剛などがどのような立場だったかも理解できた。軍人上がりの首相では、東条英機と鈴木貫太郎が首相になったときのタイミングもあるが、その演説の深みの差が歴然としている。巻末の人物略歴もコンパクトで良い。

  • やご

    戦前・戦中期の日本の政治家を論じた本ですが、取り上げ方が少し変わっています。現在残っている演説音源を文章に起こして解説するというものです。著者が「はじめに」でことわりを入れているように、この時代、そうした音源がふんだんに残っているわけではないので、取り上げられる政治家のバランス(重要な政治家であっても音源がないと対象にならない)からいうと疑問がなくもないのですが、それはそれとして興味深い試みです。(続く)→ https://gok.0j0.jp/nissi/1602.htm

  • Go Extreme

    言葉に現れる政治家の本音 初の普通選挙と治安維持法の影 無産政党の台頭と階級闘争の訴え 国際連盟脱退と日本精神への覚醒要求 「ジュネーブの英雄」松岡洋右への熱狂 軍部独裁への道を開いた広田内閣 日中戦争泥沼化と東亜新秩序の国策 三国同盟締結と対米英敵対の明確化 和平への舵切れぬ近衛文麿の苦悩 対米開戦やむなし、東條英機首相就任 宣戦布告と「救国の英雄」への一時的称賛 敗戦濃厚下の陸海軍共同指導への期待 終戦への覚悟「死に花を咲かす」鈴木貫太郎 国民に生きてほしい、首相の本音 ポツダム宣言受諾、終戦への道筋

  • Oki

    誤った現状認識が悲劇を産む。より大きな力をもつものの誤りが、より大きな悲劇を産む。

  • ろんろん

    「戦争したくないなぁ」と首相が思ってるのに押し切られてしまうのがなんとも不思議。それほどまでに当時の軍部の力は大きかったのか。それほどまでに戦争をすることのメリットは大きかったのか。 あれほど大きな歴史的悲劇が、なんだか流されるようにして決まったことというのが悲しい。

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