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三島由紀夫と楯の会事件 ちくま文庫

Masayasu Hosaka

Product Details

ISBN/Catalogue Number
ISBN 13 : 9784480434920
ISBN 10 : 4480434925
Format
Books
Publisher
Release Date
January/2018
Japan

Content Description

1970年11月25日、三島由紀夫と楯の会メンバーが陸上自衛隊市ヶ谷駐屯地で人質を取り、憲法改正と自衛隊員の決起を訴えた。そして、三島は森田必勝とともに割腹自決を遂げた。60年代後半、ベトナム反戦、全国学園紛争など反体制運動が高揚した時代、何が彼らを決起に駆り立てたのか?関係者への綿密な取材を基に、事件の全貌を冷静な筆致で描いた傑作。

目次 : 序章 十年目の遺書/ 第1章 「最後の一年は熱烈に待つた」/ 第2章 三島由紀夫と青年群像/ 第3章 「楯の会」の結成/ 第4章 邂逅、そして離別/ 第5章 公然と非公然の谷間/ 終章 「三島事件」か「楯の会事件」か/ 補章 三十一年目の「事実」

【著者紹介】
保阪正康 : 1939年、北海道生まれ。同志社大学文学部卒業。日本近代史、とくに昭和史の実証的研究を志し、歴史の中に埋もれた事件・人物のルポルタージュを心がける。個人誌「昭和史講座」を中心とする一連の昭和史研究で菊池寛賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

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Book Meter Reviews

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  • 猫丸

    知性の権化が天皇への絶対的帰依に至る回路。そのわからなさを辿ることは、溶暗の中を手探りで進むに近い。人類が簡単なアクシデントで命を落とす存在であった太古において、絶対的不幸は原理的に避け得ないものであったはず。理不尽に傷つき、死ぬ。しかしそこにたまさかの幸運が舞い降りれば、これもまた自然でありながら超自然的に感受される。重力の中の恩寵。政がまつりごとでしかありえない契機は、予想不可能な禍福の連鎖を支配する存在への憧憬にある。三島は政治と祭祀を区分した。日本の国体は祭祀の主体である天皇に存する。

  • うちこ

    わたしは普段は「"美学" という言葉を使えばなんでも尊重されると思うなよ」というような考え方もしたりするのですが、こうして細かくこの事件の様子を追っていくと、こういう拠り所の求め方もあるよな、と思う。楯の会のあの制服もこだわりのデザインで、西武百貨店の人が苦労した話が書かれていて興味深いのですが、そういうプロデュース全般に手を抜かない意志のあり方には、刺激を受ける部分が多かったです。こんなとき軽薄なフレーズしか思い浮かばないことが自分でも残念なのですが、「精神的おしゃれさん」だなと。

  • 新平

    西部邁の『保守の遺言』を書店で求めた際に、目についたので同時に購入。いずれも自死に、ほう助者、介錯人がいた保守思想家ということで共通の興味の対象。西部の著作と読み比べると三島のそれは、政治思想とまで言っていいのか、文士の慰みレベルであるのは仕方がないところか。理想を政治という技術を用いて制度化していくためのリソースは彼にはなかった。

  • おかきち

    三島由紀夫の作品が大好きだったので、なんで自害したんだろう、というのを知りたくて読みました。経緯について詳細に書かれていて知ることができて良かったです。文学人の三島由紀夫と、楯の会で活動している三島由紀夫は全く別人だったんだなと思いました。 以降は全く私の思いだけれど、三島由紀夫の作品自体は、すごく理性的で、論理的なんだけれど、理性とか論理って結局偏差値50以上の人を説得するのには使えるけれど、偏差値50以下の人には全く届かないし、届く相手にも、感情を動かすとか行動させるっていう力は無いと思うんですよね。

  • まぶぜたろう

    天皇制や憲法、自衛隊がその欺瞞をはらみつつ、既に合理化されている現在にあっての三島の思想の難解さ、純粋さと、あえて言うなら美しさ。右翼がレイシズムと同義となっている今を三島はどう思うだろう。

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