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侍女の物語 ハヤカワepi文庫

Margaret Atwood

Product Details

Genre
ISBN/Catalogue Number
ISBN 13 : 9784151200113
ISBN 10 : 4151200118
Format
Books
Publisher
Release Date
October/2001
Japan
Co-Writer, Translator, Featured Individuals/organizations
:

Content Description

侍女のオブフレッドは、司令官の子供を産むために支給された道具にすぎなかった。彼女は監視と処刑の恐怖に怯えながらも、禁じられた読み書きや化粧など、女性らしい習慣を捨てきれない。反体制派や再会した親友の存在に勇気づけられ、かつて生き別れた娘に会うため順従を装いながら恋人とともに逃亡の機会をうかがうが…男性優位の近未来社会で虐げられ生と自由を求めてもがく女性を描いた、カナダ総督文学賞受賞作。

【著者紹介】
マーガレット・アトウッド : 小説、詩、評論、児童書などさまざまな分野で精力的に活躍するカナダの代表的作家。1939年、カナダのオタワに生まれる。トロント大学、ハーバード大学などで英文学を学んだ後、カナダ各地の大学で教鞭をとる。1966年、詩集The Circle Gameでデビューし、カナダ総督文学賞を受賞。1969年発表の初の長篇小説『食べられる女』では結婚を前にした働く女性の自我の危機を鋭く描き、文壇に衝撃を与えた。1986年には『侍女の物語』で2度目のカナダ総督文学賞を受賞。不気味で諷刺に満ちた未来社会がジャンルを超えた幅広い読者を魅了し、世界中に彼女の名を知らしめた。2000年には長篇小説The Blind Assassinでブッカー賞を受賞した

斎藤英治 : 1957年生、慶応義塾大学文学部卒、明治大学大学院英文科修了、翻訳家、映画評論家(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

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Book Meter Reviews

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  • ヴェネツィア

    近未来ディストピア小説。SFに分類されているようだが、むしろ現代を舞台にした虚構世界というべきか。最初から最後まで、ひたすらに息苦しくなる時間が持続し続ける。「わたし」の一人称語りであり、彼女が置かれた状況には基本的な変化は何もないにもかかわらず、緊張を保ち続ける構成力は見事。読んでいる間ずっと、見えない恐怖に晒され続けるが、これはデフォルメされているとはいえ、女性たちが現在も置かれている状況そのものであるとフェミニズムの視点からは解釈されそうである。なお、巻末の「歴史的背景…」は蛇足だ。

  • 遥かなる想い

    舞台は近未来のアメリカである。 妊娠可能な子宮を持った「侍女の物語」である。子供を産む道具でしかない侍女である 私が語る一人称のこの物語では、 不思議なことに、皆 無表情で、 服の色しか見えない。 司令官と その妻、そして 侍女である私の 間の微妙なバランスが適度な緊張感を 与えているが..本音を殺しながら、黙々と 生きる世界..著者の 現代に生きる人々への 警鐘だったのだろうか?そんな不気味な物語だった。

  • こーた

    未来を描いているようで、これは過去の、あるいはいまの物語ではないかと、錯覚する。世継ぎを産むことが、そのまま女性の価値だった時代がある。意志を表明しないことが、女性の美徳だった時代がある。男性の機嫌を取らなければ、女性は生きていけなかった時代がある。そしてそれらは、いまもまだ終わっていない。彼女が目にする現実に、思い出や記憶がときおり顔を出して、真実に嘘が入りこみ、妄想と願望あるいは祈りまで混ざり合ってしかもひとつとして混乱するところがない。物語から立ちあがってくる彼女のその世界に、ただただ圧倒される。

  • パトラッシュ

    自説を曲げないアメリカ人の頑固さを多少知っているので、あの国の女性がクーデターで生まれた政権に唯々諾々と従い、権力者の子供を産む道具にされても反抗しない設定は納得しがたい。しかしアメリカで白人種が少数派に転落するかもとの恐怖がトランプ政権を生む一助となった今日、本書が出た1985年の段階でそれを見通していたのは女性の書いた女性視点のディストピア小説ならではだろう。ここで描かれる男尊女卑、世俗音楽の禁止、公開処刑などはリアルの北朝鮮やイスラム国支配地で実行されている。作家の想像力と未来を読む眼力に息をのむ。

  • ケイ

    アトウッドの使う毒は巧妙だ。未読の方は、裏表紙や帯に書かれていることは見ずに先入観なしに読んで欲しい。私自身、話を全く知らずに読み、毒に徐々に犯されていくのを身を以て感じた。女性の読者なら、彼女の言葉に本当に犯されている気持ちになるかもしれない。アトウッドは恐ろしい作家だ。彼女が最初の方に比喩のように書いたことがありありと浮かんでくる気持ち悪さ。そして、セリーナの指輪の食い込み。誰が一番不幸なのか、読んだ人には誰が一番不幸に思えたのか聞いてみたい。

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