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ペネロピアド 女たちのオデュッセイア 角川文庫

Margaret Atwood

Product Details

Genre
ISBN/Catalogue Number
ISBN 13 : 9784041162699
ISBN 10 : 4041162696
Format
Books
Publisher
Release Date
May/2025
Japan
Co-Writer, Translator, Featured Individuals/organizations
:

Content Description

トロイの英雄オデュッセウスを待ち続けた、賢く貞淑な妻ペネロペイア。今初めて明かされる彼女の本心と、殺された12人の女中の真実ーー。ギリシア神話の壮大な叙事詩が、女たちの声によって現代に蘇る!

【著者紹介】
マーガレット・アトウッド : 1939年カナダ、オタワ生まれ。トロント大学、ハーヴァード大学で学んだ後、英文学の教鞭をとる。21歳で刊行した最初の詩集『サークル・ゲーム』でカナダ総督文学賞を受賞。70年代にフェミニズム文学の旗手として注目される。二度のブッカー賞をはじめ数々の文学・名誉賞を受賞、名実ともにカナダを代表する作家の一人

鴻巣友季子 : 1963年、東京都生まれ。翻訳家、文芸評論家。英語圏の現代文学の紹介と共に古典新訳にも力を注ぐ(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

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Book Meter Reviews

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  • たま

    『オデュッセイア』を妻ペネロペイアの視点から劇仕立てで再話。ペネロペイアの独白と12人の女中(最後にオデュッセウスにより処刑される)のコロスから成る。ドライな嘲笑に満ち、コロスがぺネロペイアに対しても批判的なので、彼女が何をしたのか、女中たちが処刑された経緯など、何が真実なのか判然とせず、それがアトウッド流かと思いつつ読んだ。鴻巣友季子さんと小川公代さんの解説にはこう読めるのかと驚いた。解説に挙げられていないマデリン・ミラーの『キルケ』(ぺネロペイアも登場)がとても面白かったことを書き添えておきたい。

  • フム

    面白かった。トロイア戦争の英雄として知られるオデュッセウスの妻ペネロペイアは、夫が不在の20年間辛抱強く待った賢く貞淑な妻として、ホメロスの『オデュッセイア』などに描かれている。その語られることのなかった声を、アトウッドは時代を超えて再現してみせた。今よりもはるかに、女性たちは無力で語ることが許されなかった神話の時代に、こんなにも生き生きした感情や溌剌とした知性で活躍するペネロペイアや女中たちの物語が小気味良い。巻末の訳者あとがきと小川公代さんの解説も読み応えがあった。

  • みつ

    初めてのアトウッド。『女たちのオデュッセイア』と副題にあるとおり、タイトルの『ペネロピアド』にはペネロペイアの立場から描き直した『イリアッド(『イリアス』の英語名)』の意味が込められているとのこと(訳者鴻巣友紀子氏のあとがきによる)。夫オデュッセウスの帰還をひたすら待つという従来の彼女のイメージとは異なり、歯切れのいい語り口(特にヘレネとのやりとり)が印象的な、知的な女性の回想が女中たちのコーラスラインも交え描かれる。しかも彼女は既に死んでいるとの設定。終わり近くでは21世紀の法廷に飛ぶ構成は驚くばかり。

  • Shun

    封じられた女性たちの声を想像力を以て蘇らせた作品。著者マーガレット・アトウッドは「侍女の物語」や続編「誓願」にて、架空の男尊女卑国家の女性たちの声を掬い描いてきた。本作では古代の叙事詩として最も有名なホメロスによる「オデュッセイア」において、ほとんど語られることがない妻ペネロペイアやトロイア戦争の原因となった従姉ヘレネ、そして惨殺された12人の女中たちに声を与えている。オデュッセイア不在の20年間にペネロペイアが知恵を以て切り盛りした国のこと、押し寄せる求婚者らのあしらい方まで想像力豊かに描かれています。

  • かふ

    ペネロペイアの視点でホメロスの神話を読んでいく。それはギリシア悲劇で扱われた英雄たちの姿ではなく、オデュッセウスは盗人の家系で『オデュッセイア』の話も神話的に盛られたところがあり、単に飲み屋の喧嘩が神々の争いや女神たちの救出劇は浮気にしかすぎなく、それでもオデュッセウスを待ち続けて老夫婦の世話をしながらテレコマスを育てていったのだが、あの世で再会した殺された男たちの話(テレコマスと同じ年の青年がなぜ中年女に惚れる、それは財産目当てに決まっているだろうとか)や殺された12人の侍女たち(男たちの手引をした)。

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