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またの名をグレイス 下 岩波現代文庫

Margaret Atwood

Product Details

Genre
ISBN/Catalogue Number
ISBN 13 : 9784006023027
ISBN 10 : 4006023022
Format
Books
Publisher
Release Date
September/2018
Japan
Co-Writer, Translator, Featured Individuals/organizations
:

Content Description

殺人事件で犯人とされた美女は事件を主導した「魔性の女」だったのか、それとも歴史に翻弄された犠牲者だったのか。一九世紀カナダで起き、当時世界中で話題となった殺人事件の記録を素材に、巧みな心理描写を織りこみながら、ミステリー仕立てに、人間存在の根源を鋭く問いかける。ノーベル文学賞候補ともいわれるカナダの女性作家、マーガレット・アトウッドの傑作。

【著者紹介】
マーガレット・アトウッド : 1939年生まれ、カナダを代表する作家・詩人。作品は世界各国で翻訳され、カナダ総督文学賞、ブッカー賞など数多くの文学賞を受賞

佐藤アヤ子 : 明治学院大学名誉教授。日本カナダ文学会会長。日本ペンクラブ常務理事。英語圏文学(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

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Book Meter Reviews

こちらは読書メーターで書かれたレビューとなります。

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  • ケイ

    グレイスや、彼女に対峙するサイモンの描かれた方が、どうにも少し不自然に思えて仕方なかった。騙されちゃダメよ、とサイモンに対して思うも、そう考えてしまうこと自体が作者の誘導のような気もした。そして、最後の作者の解説を読んで、アトウッドは彼女なりのグレイスを描きたかったからかな、と勝手に解釈。どういう視点で読むかで味わいも変わるという、さすがのアトウッドの筆による力作だが、グレイスに彼女が振り回されたのではないかしら。(佐藤アヤ子訳:岩波書店)

  • ケイ

    再読。グレイスの告白には、目を見開いてしまうような有罪につながりかねない言葉が散見され、その度に翻弄される。小説内で彼女に対峙したものは、結局引き下がるをえない状況に追い込まれる。どうなの、グレイス? 解説によると、過去にグレイスについて書かれたものを(醜聞と偏見に満ちた書き物を)焼き直してドラマの脚本にしたアトウッド。グレイスが彼女に書き直させたのだ。アトウッドが執筆する最中、後ろから見守る(見張る?)グレイスが感じられる。どちらにしても人の心を動かすオンナであることは間違いないわね。

  • かわうそ

    主人公が殺人事件に至るまでの詳細な経緯に、正気と狂気の境界線といったテーマや、当時の女性の立場をはじめとする歴史的な背景が重層的に描きこまれて読み応え抜群。「事実」というのは、証拠を積み上げてはっきりと解き明かされるものではなく、複雑な人間関係や繊細な人間心理の機微を通じた全体像としてしか提示できないもの、という話だと感じた。

  • ふるい

    傑作。ぐいぐいと読まされる力のある作品。"グレイス"、はたしてその名が象徴するものは?19世紀の上流階級と下層階級の人々の間の隔たり、そして女性たちが男性からどんな風に偏見の目で見られていたかなど、当時の様子が興味深い。グレイスは運命の悪戯としか言いようがない不幸な道を歩むが、毅然とした態度を崩さないようにしている。読んでいて、そんなグレイスに励まされるようだった。彼女が最後に作ったキルトはどんなだろう?

  • ぱなま(さなぎ)

    巧妙なキルト模様のように、当事者の語りの中に縫い込められた思想、あるいは偏見、あるいは思い込み。わたしたちは過去を語ることで(あるいは、あえて語らないことで)、初めて自身の奥深くに内面化された社会の声の反響に耳を傾けられる。自分たちの見たいドラマを消費したがる大衆の性を良い子ぶって責めてばかりいることはできない。ただ、人間の行為の理由にたったひとつの真実があると信じることも、私たちには最早できない。

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